ヘ長調

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ヘ長調(へちょうちょう)とは、音階の一つで、ファを主音とする長調。英語ではF Major、ドイツ語ではF-dur。構成音は「ファ.ソ.ラ.シb.ド.レ.ミ.ファ」で、前者は「低いファ」、後者は「高いファ」である。ピアノの鍵盤で、白鍵のみであるハ長調「ド.レ.ミ.ファ.ソ.ラ.シ」から半音5つ上げたもの。調号b1個の長調で、シにbが付く。b系の調の一つ。最低音は主音で、主音はファ。ヘ長調は、ファとラの音程が長3度であることに由来する。

楽譜上、シの音符は全てシ♭として弾く。

キーを表す際、ポピュラー音楽では、単に「F」とだけ略する場合もある。「F」の表記は、単音の英語音名や和音(コードネーム)を表すときにも使われる。原調がヘ長調の場合、「Original Key=F」と表記。

ヘ長調(Fメジャースケール)の三音のダイアトニックコード
コードネーム F Gm Am Bb C Dm Edim
構成音 ファ.ラ.ド ソ.シb.レ ラ.ド.ミ シb.レ.ファ ド.ミ.ソ レ.ファ.ラ ミ.ソ.シb
ディグリーネーム I IIm IIIm IV V VIm VIIdim
和音記号 I II III IV V VI VII
和音機能 T SD ×(none) SD D T D?
ヘ長調(Fメジャースケール)の四音のダイアトニックコード
コードネーム FM7 Gm7 Am7 BbM7 C7 Dm7 Em7(b5)
構成音 ファ.ラ.ド.ミ ソ.シb.レ.ファ ラ.ド.ミ.ソ シb.レ.ファ.ラ ド.ミ.ソ.シb レ.ファ.ラ.ド ミ.ソ.シb.レ
ディグリーネーム IM7 IIm7 IIIm7 IVM7 V7 VIm7 VIIm7(b5)
和音記号 I7 II7 III7 IV7 V7 VI7 VII7
和音機能 T SD ×(none) SD D T D?

調性のイメージは、♭系の中の夕方や夜を連想する。ヒンヤリとした感じ、柔らかさを持ち、田園的な雰囲気で、優しさやのどかさを持つ。色はセルリアンブルー。

ヘ長調の曲の例[編集]

J-POP
  • TOKIOの「AMBITIOUS JAPAN!」
  • SMAPの「夜空ノムコウ」、「ありがとう」(ラスサビで半音転調し、嬰ヘ長調/変ト長調)
  • 夏川りみの「涙そうそう」
  • 嵐の「Happiness」(サビは変ニ長調)
クラシック
  • ヴィヴァルディの「『四季』より『秋』」
  • バッハの「ブランデンブルク協奏曲第1番・第2番」、「イタリア協奏曲」、「インベンション第8番」、「シンフォニア第8番」、「平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第11番 BWV856」「BWV anh 113」
  • ヘンデルの「『水上の音楽』第1組曲」
  • モーツァルトの「ピアノソナタ第2番」、「ピアノソナタ第12番」、「ヴァイオリンソナタK.376」
  • クレメンティの「ソナチネ op.36-4」
  • ベートーヴェンの「ヴァイオリンソナタ第5番『春』」、「弦楽四重奏曲第1番」、「交響曲第6番『田園』」
  • ショパンの「マズルカ第48番 Op.68-3」
  • シューマンの「『子供の情景』7.『トロイメライ』」「楽しき農夫」
  • スーザの「ワシントン・ポスト(トリオは変ロ長調)」
  • 瀬戸口藤吉の「軍艦行進曲」
  • 團伊玖磨の「祝典行進曲」
  • メンデルスゾーンの「僧侶の戦争行進曲」
  • J.シュトラウス2世の「山賊のギャロップ」
  • カバレフスキーの「道化師のギャロップ」