嬰ハ短調

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

嬰ハ短調(えいハたんちょう)とは、ド#を主音とする短調。英語ではC# minor、略して「C#m」、ドイツ語ではcis-moll、略して「cis:」。ホ長調の音階の第6音(下中音)を主音・根音・起点・スタートしたもの。調号#4個の短調。構成音は「ド#.レ#.ミ.ファ#.ソ#.ラ.シ#.ド#」で、前者は「低いド#」、後者は「高いド#」である。#系の調の一つ。嬰ハ短調は、ド#とミの音程が短3度であることに由来する。

キーを表す際、ポピュラー音楽では、「C#m」と書かれる。「C#m」の表記は、和音(コードネーム)を表すときにも使われる。原調が嬰ハ短調の場合、「Original Key=C#m」と表記。

ダイアトニックコードの分析は、ハーモニックマイナースケールで行う。

嬰ハ短調(C#ハーモニックマイナースケール)の三音のダイアトニックコード
コードネーム C#m D#dim Eaug F#m G# A B#dim〔Cdim〕
構成音 ド#.ミ.ソ# レ#.ファ#.ラ ミ.ソ#.シ# ファ#.ラ.ド# ソ#.シ#.レ# ラ.ド#.ミ シ#.レ#.ファ#
ディグリーネーム Im IIdim bIIIaug IVm V bVI VIIdim
和音記号 I II III↗ IV V VI VII
和音機能 T SD ×(none) SD D SD?T? D?
嬰ハ短調(C#ハーモニックマイナースケール)の四音のダイアトニックコード
コードネーム C#mM7 D#m7(b5) EM7(#5) F#m7 G#7 AM7 B#dim7〔Cdim7〕
構成音 ド#.ミ.ソ#.シ# レ#.ファ#.ラ.ド# ミ.ソ#.シ#.レ# ファ#.ラ.ド#.ミ ソ#.シ#.レ#.ファ# ラ.ド#.ミ.ソ# シ#.レ#.ファ#.ラ
ディグリーネーム ImM7 IIm7(b5) bIIIM7(#5) IVm7 V7 bVIM7 VIIdim7
和音記号 I+7 II7 III↗7 IV7 V7 VI7 VII7
和音機能 T SD ×(none) SD D SD?T? D?

嬰ハ短調のイメージは、シャープ系の中で最も陰暗な調で、痛々しく、沈んだ雰囲気を持つ。#系の短調の中で、夕方や夜を連想させる。主音がド#なので、響きにくい・使いにくい調性であり、ロマン派的な調とされている。

嬰ハ短調の曲の例[編集]

J-POP
  • 竹内まりやの「駅」
  • モーニング娘の「LOVEマシーン」
  • オレンジレンジの「ロコローション」
クラシック
  • バッハの「平均律第1巻第4番 BWV849」
  • ハイドンの「ピアノソナタ Hob.XVI:36 op.30-2」
  • ベートーヴェンの「ピアノソナタ第14番 op.27-2『月光ソナタ』」
  • ショパンの「幻想即興曲」、「ノクターン第7番」、「ノクターン第20番」、「ワルツ第7番op.64-2」