嬰ト短調
ナビゲーションに移動
検索に移動
嬰ト短調(えいトたんちょう)とは、ソ#を主音とする短調。英語ではG# minor、略して「G#m」、ドイツ語ではgis-moll、略して「gis:」。ロ長調の音階の第6音(下中音)を主音・根音・起点・スタートしたもの。調号#5個の短調。構成音は「ソ#.ラ#.シ.ド#.レ#.ミ.ファx.ソ#」で、前者は「低いソ#」、後者は「高いソ#」である。#系の調の一つ。嬰ト短調は、ソ#とシの音程が短3度であることに由来する。
キーを表す際、ポピュラー音楽では、「G#m」と書かれる。「G#m」の表記は、和音(コードネーム)を表すときにも使われる。原調が嬰ト短調の場合、「Original Key=G#m」と表記。
ダイアトニックコードの分析は、ハーモニックマイナースケールで行う。
- 嬰ト短調(G#ハーモニックマイナースケール)の三音のダイアトニックコード
コードネーム | G#m | A#dim | Baug | C#m | D# | E | |
構成音 | ソ#.シ.レ# | ラ#.ド#.ミ | シ.レ#.ファx | ド#.ミ.ソ# | レ#.ファx.ラ# | ミ.ソ#.シ | ファx.ラ#.ド# |
ディグリーネーム | Im | IIdim | bIIIaug | IVm | V | bVI | VIIdim |
和音記号 | I | II | III↗ | IV | V | VI | VII |
和音機能 | T | SD | ×(none) | SD | D | SD?T? | D? |
- 嬰ト短調(G#ハーモニックマイナースケール)の四音のダイアトニックコード
コードネーム | G#mM7 | A#m7(b5) | BM7(#5) | C#m7 | D#7 | EM7 | |
構成音 | ソ#.シ.レ#.ファx | ラ#.ド#.ミ.ソ# | シ.レ#.ファx.ラ# | ド#.ミ.ソ#.シ | レ#.ファx.ラ#.ド# | ミ.ソ#.シ.レ# | ファx.ラ#.ド#.ミ |
ディグリーネーム | ImM7 | IIm7(b5) | bIIIM7(#5) | IVm7 | V7 | bVIM7 | VIIdim7 |
和音記号 | I+7 | II7 | III↗7 | IV7 | V7 | VI7 | VII7 |
和音機能 | T | SD | ×(none) | SD | D | SD?T? | D? |
嬰ト短調のイメージは、短調の中では、敵対的で硬質な感じで、遠い幻想的な世界の中で、日陰にいるイメージがする。調号無しのイ短調に比べると音響効果に乏しく、すっきりしていない。荒々しい情熱で、夕日のイメージがする。
嬰ト短調の音階では、第7音(導音)は「ファx、英:Fx」であるが、オクターブ表記には、白鍵には異名同音は使用不可で、嬰ト短調の音階を、オクターブ表記を使った音名に書き改めると、「G#2,A#2,B2,C#3,D#3,E3,G♮3,G#3」となり、嬰ト短調の導音は「Fx」とは書かずに「G♮」に変換される。
嬰ト短調の曲の例[編集]
- J-POP
- 羞恥心の「羞恥心」(ラスサビで半音転調し、イ短調)
- 久保田利伸の「LA・LA・LA・LOVE・SONG」
- 渡辺美里の「My Revolution」(サビで同主長調になり、変イ長調に転調)
- TUBEの「ベストセラーサマー」
- 修二と彰の「青春アミーゴ」(サビの部分のみ)
- クラシック
- バッハの「平均律第1巻第18番 BWV863」
- ショパンの「エチュードop.25-6」「ポロネーズ14番」「マズルカ22番op.33-1」
- リストの「パガニーニ大練習曲集 第3曲『ラ・カンパネラ』 S.141」