下水処理場
ナビゲーションに移動
検索に移動
下水処理場(げすいしょりじょう)とは、人為的要因によって汚染された下水を浄化して、海、河川、湖沼に流す施設である。正式には終末処理場という。
概要[編集]
下水を処理しないまま、海や河川、湖沼に流すと、水質汚濁などの公害が発生し、漁業への影響や感染症の流行があった。このように衛生上の問題があるため、下水を一定の場所に集めて浄化する施設として終末処理場が設置された。
設置主体[編集]
都道府県、市町村といった地方自治体がほとんどである。
汚水の処理方法[編集]
下水道から終末処理場に送られてきた汚水はフィルターやスクリーンでごみを取り除く。汚水は次の浄化槽に送られ、水中に空気を送られて好気性細菌や菌類、藻類によって水中の有機物のほとんどはこれらの微生物に取り込まれて水と二酸化炭素が排出される。さらに次の沈殿槽では、これらの微生物が沈殿させられ、次の殺菌槽では塩素、オゾン、紫外線で殺菌され、放流される。
汚泥の処理方法[編集]
下水処理の基本は下水中のBOD、COD、SSのような汚濁物質を固液分離することである。このため下水処理場からは大量の下水汚泥が発生する。沈殿させられた汚泥は嫌気性細菌によって分解され、発生したメタンは燃料に、残った汚泥は乾燥させて肥料や建築資材となる。
問題点[編集]
設置場所[編集]
下水処理場は広大な面積を必要とするため、下水が大量に流下する人口密集地には建設できず、建設予定地では悪臭等が発生するため、住民の反対運動が起きることもある。また、建設予定地での住民の立ち退きを求める必要がある。
豪雨時の対応[編集]
集中豪雨の際、下水道に大量に流れ込んだ雨水が下水処理場に流れ込み、本来処理すべき家庭や事業所からの排水が処理できなくなることがある。これらの理由から下水管は雨水と汚水を同じ下水とする合流菅よりも別々に分ける分流菅が望ましい。