ゆとり教育
ゆとり教育(ゆとりきょういく)とは、1980年度から2010年代初頭まで行われていた日本の教育政策である。
概要[編集]
大量の知識を子供に詰め込む従来のつめこみ型教育[注 1]を転換し、思考力を鍛え、ゆとりのある学校教育活動を目指した方針。
ゆとり教育に基づいて実行された大きい出来事と言えるのが、土曜日の授業実施を廃止して登校日を平日の月曜日から金曜日とする学校週5日制の開始や2000年度からの総合的な学習の時間である(必要なのかこれ)。また小中学校で教える内容を減らし、減らした分は高等学校に移行した。押し付けたとも言う。
しかし、ゆとり教育の実施によって子供の学力低下が有識者から指摘されるようになり、公立教育はレベルが低いと敬遠され、ハイレベルな教育を実施するとされる私立学校へ子供を進学させる保護者が増加傾向を示した。極端な場所では小学6年生の大半が私立中学の入試を受験し、地域の公立中学校の恒常的な生徒減が深刻化する所もあった。
結局2011年度から極端なゆとり教育は終息した。
なお、ゆとり教育に対する保護者の不安を利用する形で受験産業界が大々的に営業活動を行った事、私立校の一部が土曜授業を継続し週6日制を維持したことも特筆される。また、授業についていけずに不登校になる児童・生徒も相変わらず存在することや、落ちこぼれが教育困難高、Fランク大学に押し流され、高等教育の学生の学習力の低下が指摘されていることも見逃せない。
ゆとり教育終息に伴う影響[編集]
ゆとり教育の終息で教える内容が増加したことに伴い、総合的な学習の時間の授業数は縮減され、中学校の選択教科の時間数はゼロとなった。ただし土曜授業の復活については週6日制時代は平日に実施されていた運動部の市郡レベルの大会が土曜日開催に定着した影響もあって限られており、少ない登校日の中で授業時間を確保するため夏休みなどの長期休暇の短縮、学校行事の規模縮小・廃止などの見直しも行われている。
夏休みの短縮は、菅義偉などの発言で教室への空調設備の整備が進んだことも大きい[注 2]。