同調圧力
同調圧力(どうちょうあつりょく,英: Peer pressure)とは、少数意見を持つ人に対し、周囲の多数派と同じように考え、あるいは行動するよう、暗黙のうちに強制することである。会社、学校など日本のあらゆる組織やグループで見られる。いわゆる「集団主義」である。 グループ内での話し合いにおいて、意思決定(いわゆる多数決)、合意形成(話し合いなど)を行う際、少数派がいわゆる「無言の圧力」によって、多数派に合わせてしまうような誘導も含まれる。
解説[編集]
多数派に合わせてしまうことを指す。「出る釘は打たれる」つまり、目立つことを避ける。他人と違うことは行わない。少数派であるものが「少数派であることが恥ずかしい」や、「尖っていると思われたくない」、などと感じていた場合、自然と周りに合わせてしまうことがある。また、多数派の方が正しい意見に感じるというのも理由の一つになる。ただ、人間は社会的で、周りとか変わらないで生きていく方法は存在しないので、知らず知らずのうちに同調圧力に負けている人は多いと思われる。
似たような言葉には「空気を読む」や「忖度」などがある。
対策としては空気に流されず、理性的な判断をすることである。
多数派の圧力[編集]
多数派は少数派に対して「連帯意識をもつべきである」という同調圧力を押し付ける。「偏狭な利他性」があると、同調しない人に圧力が強まる。佐藤直樹・九州工業大学名誉教授は「コロナで相互監視が厳しくなり、これまで以上に息苦しい世の中になった」と指摘する。
そんな中での反対の意見[編集]
このように同調圧力が働いている中で、一部の人がたとえ少数派であっても明確に反対意見を示すことで、自らの決定した意思を周囲の圧力によって変更することが減るらしい。
対策[編集]
同調圧力による影響を避けるためにいろいろな場面で多くの対策が取られている。
- 挙手式投票の際に、顔を伏せさせて周囲の状況を確認できないようにする。
- 選挙などにおける無記名投票
など、周囲を確認できないようにすることが例としてあげられる。
例[編集]
- 裸の王様は周囲の人間が同調圧力をかけているがために、王様が見えているふりをしていた。
- 「ノリ」と言われるものの一部も同調圧力と言えるものがある。
- 新型コロナウイルス感染症拡大による自粛期間は、多くの人が家にいたため、外に出ている人がおかしいと思い込む同調圧力が働いていたと思われる。
- 流行と呼ばれるものも一部同調圧力の影響があると思われる。
- 高校入試において、地元集中実施の地域で中学教諭が地元外の高校を志望する生徒に地元高へ行くように圧力を掛け、地元外希望を断念させる進路指導が行われる。
- 大学医学部入試で多浪生の合否差別が問題になっても、高校入試では「15歳中卒見込時の現役高校入学」が当たり前とされ、レベル上高校入学のための中学浪人を厭わなくても、タブー破り視され、志望を断念させられ、高校側でも成績や調査書外の「総合的判断」の名の下に過年度生志願者を冷遇する多浪差別を行う。
- 不登校の問題も、教師によっては教室での集団指導の場に戻らせるきっかけ作りの指導を行い、それが不登校生徒には同調圧力に感じて、さらに不登校の要因が増幅する悪循環となる場合がある。