さいとうたかを
本名 | 齊藤 隆夫 |
活動期間 | 1955年 - 2021年 |
ジャンル | 劇画 |
代表作 | 『ゴルゴ13』 |
受賞 | 第21回小学館漫画賞青年一般部門 第50回小学館漫画賞審査員特別賞(いずれも『ゴルゴ13』による) 和歌山県文化表彰文化賞 第23回手塚治虫文化賞特別賞 |
公式サイト | さいとう・プロダクション公式サイト |
さいとう・たかを(本名:齊藤 隆夫(さいとう たかお)、昭和11年(1936年)11月3日 - 令和3年(2021年)9月24日)は、日本の漫画家。和歌山県和歌山市生まれ、大阪府堺市出身[1]。東京都中野区、岩手県花巻市在住。
貸本漫画時代に劇画の分野を確立した人物の一人であり、一般漫画の世界に転向後も『ゴルゴ13』をはじめとする数々のヒット作品を生み出した、劇画界の代表的人物である。また「さいとう・プロダクション」を設立し、各スタッフの分業体制により作品を制作するという方式を確立した。
来歴[編集]
和歌山県出身。幼少期を大阪府堺市で過ごした。子供の頃から映画好きで、昭和22年(1947年)に手塚治虫が「新宝島」を発表し、これを読んで漫画に興味を持ち出したという。
昭和30年(1955年)に「空気男爵」で漫画家としてデビュー。当時は大衆漫画や雑誌を貸し出す貸本向け漫画誌の中心的な存在として大阪で精力的に活動した。昭和34年(1959年)1月に漫画家グループである動画工房を設立するが、翌年に解散。そして4月に活動拠点を東京都の国分寺市に移して「さいとう・プロダクション」を設立。同年の「台風五郎」が大ヒットした。
そして1960年代後半から「無用ノ介」など相次いでヒット作を発表。昭和43年(1968年)からはさいとうの代表作となるゴルゴ13が漫画誌ビッグコミック(小学館)で連載開始。このゴルゴ13は半世紀を超えて連載が続けられ、さいとうが死去する直前の令和3年(2021年)7月に単行本201巻が発売され、「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録に認定された。ちなみにさいとうが死んだ9月に202巻が発売されている。なお、ゴルゴ13はさいとうは当初、最終回のコマ割りまで考えていて、連載は10話ほどで終わらせる考えだったといわれている。
ゴルゴ13以外にも多くの作品を発表。「鬼平犯科帳」など時代劇にもジャンルを広げて多くの人気作を漫画化、劇画化して多くの人気を集めた。昭和51年(1976年)に小学館漫画賞、平成14年(2002年)に日本漫画家協会賞大賞、平成15年(2003年)に紫綬褒章、平成22年(2010年)に旭日小綬章、令和元年(2019年)に第23回手塚治虫文化賞・特別賞などを受賞している。また名誉都民、社団法人日本漫画家協会理事などにも就任している。
令和3年(2021年)9月24日午前10時42分、膵臓癌のため死去。84歳没。葬儀・告別式は近親者で行われた。
さいとうは生前に「自分抜きでも『ゴルゴ13』は続いていってほしい」と希望しており、その遺思を継いでビッグコミック編集部はゴルゴ13の連載継続を9月29日に発表している。
作品リスト[編集]
劇画作品[編集]
- 怪盗シュガー
- 影狩り
- 空気男爵
- 『雲盗り暫平』シリーズ
- 『ゴルゴ13』シリーズ
- 銃器職人・デイブ - 『ゴルゴ13』のスピンオフ。
- 『仕掛人・藤枝梅安』シリーズ
- 『ホーキング』
- THE シャドウマン
- サイレント・ワールド
- ベリー・ファーザー
- 『サバイバル』シリーズ
- 七人の侍
- 『007』シリーズ - イアン・フレミング原作『死ぬのは奴らだ』『サンダーボール作戦』『女王陛下の007』『黄金の銃を持つ男』の劇画化。全4冊。
- 『台風五郎』シリーズ
- 『歴史劇画 大宰相』 - 戸川猪佐武の『小説吉田学校』を漫画化。
- 『デビルキング』シリーズ
- 『バロム・1』シリーズ
- 『ブレイクダウン』シリーズ
- 漂流
- いてまえ武尊
- 『東京捜査戦線 いぬ棒』シリーズ
- 『無用ノ介』シリーズ
- OPERATIONG.G.
- 『鬼平犯科帳』シリーズ
- 太平記 (マンガ日本の古典)
- 水滸伝
- 血闘!新選組
- 毒ダネ特派員カスガ(『KASUGA』シリーズ)
- 『キティ・ホーカー』シリーズ
- 『マッド★メガ』シリーズ
- 『挑戦野郎』シリーズ
- 『海上特殊救難隊-板垣豪-』シリーズ
- 『捜し屋禿鷹登場!!』シリーズ
- 織田信長
- 武田信玄
- 北条時宗
- ホテル探偵DOLL
- 武芸紀行
- 『刺客 怨み葵』シリーズ(脚本:工藤かずや)
- 過去からの声(原案:手塚治虫)
- 鯨神(原作:宇能鴻一郎)
- 日本沈没(漫画:さいとうプロ、原作:小松左京)
- 買厄人 九頭竜(石ノ森章太郎『買厄懸場帖 九頭竜』をリメイク)
- 『Mr. BIRD』シリーズ
活字作品[編集]
- 『劇画家生活30周年記念 さいとう・たかを 劇画の世界』(1986年、リイド社)ISBN 4-947538-60-0
- 『さいとう・たかをのコーヒーブレイク 俺の秘密ファイル』(1992年、フローラル出版)ISBN 4-930831-08-3
- 『さいとう・たかをの【ゴルゴ流】血液型人物観察術』(2002年、PHP研究所)ISBN 4-569-62043-4
- 『さいとう・たかを 劇・男』(劇・男制作委員会、2003年、リイド社)ISBN 4-8458-2374-8
- 『俺の後ろに立つな―さいとう・たかを劇画一代』(2010年、新潮社)ISBN 978-4-10-325731-8
- 「画業60周年記念出版 さいとう・たかをゴリラコレクション 劇画1964」、リイド社、ISBN 978-4-8458-4420-3(2015年11月12日)。
その他[編集]
- 完全復刻版 影・街(石川フミヤス、草川秀男、久呂田まさみ、さいとう・たかを、桜井昌一、佐藤まさあき、高橋真琴、辰巳ヨシヒロ、松本正彦)
さいとう・プロダクション スタッフ[編集]
現スタッフ[編集]
以下はさいとう・プロダクション公式サイト内、制作スタッフ(2021年3月 閲覧)を参照にして記述、このページでの紹介順、さいとう自身と物故者の石川フミヤスは除く
- 宇良尚子
- 木村周司
- 白川修司
- 藤原輝美
- ふじわら・よしひで(藤原芳秀)
- 上農博昭
- 古賀憲
- 松森茂嘉
- 永嶋康宏
過去のスタッフ・アシスタント[編集]
- 石川フミヤス
- 武本サブロー
- 甲良幹二郎 - 2018年頃から『鬼平犯科帳』に構図として参加し復帰している。
- K・元美津
- 小池一夫(脚本)
- 赤司教
- 青木和夫
- なかざと遊生
- 徳富祐
- TAKU
- 正村弟
- 横井仁司
- 谷平由佳
- 川崎のぼる
- 南波健二
- 磯田和一
- 伊賀和洋
- 神田たけ志
- 叶精作
- 神江里見
- 小山ゆう
- やまさき拓味
- やまおか玲次
- 山本又一朗(プロデューサー、トライストーン・エンタテイメント代表取締役社長)
- 折茂賢司(ゲームプロデューサー)
- 上柚宇大
- クニムラ利雄
- 杉本洋平
- 大野恵
- いとう・たかし
- 千葉利助
- 北原功士
- 小松翔太
メディア出演[編集]
テレビ[編集]
- 情熱大陸(MBSテレビ、2006年2月5日)[2]
- 探検バクモン「ゴルゴ13の秘密基地に潜入せよ!」(NHK総合、2013年1月16日・23日)[3]
- 浦沢直樹の漫勉(NHK Eテレ、2015年9月25日)[4]
- 漫道コバヤシ #22「画業60周年記念!ゴルゴ13シリーズ さいとう・たかをSP」(フジテレビONE、2015年12月14日)[5]
- ゴロウ・デラックス(TBSテレビ、2016年7月22日(21日深夜))[6]
- SWITCHインタビュー 達人達(NHK Eテレ、2019年12月21日)[7]
- ごごナマ(NHK総合、2020年1月9日)[8]
雑誌[編集]
- 2016年5月26日発売の『週刊文春』2016年6月2日号 頁64-67に、樋口武男の「複眼対談」第68回で、対談記事「さいとう・たかを 劇画家」が掲載。
脚注[編集]
出典[編集]
- ↑ “「ふるさとは大阪」病床でさいとう・たかをさんが懐かしんだ中学時代”. 2021年9月30日確認。
- ↑ “さいとう・たかを(劇画家)”. 毎日放送、2021-09-29確認。
- ↑ “NHK総合『探検バクモン』のゴルゴスペシャル「ゴルゴ13の秘密基地に潜入せよ!」が1/16、23放送”. amass (2013年1月15日). 2021年9月29日確認。
- ↑ “さいとう・たかを”. 浦沢直樹の漫勉. NHK. 2021年9月29日確認。
- ↑ “さいとう・たかを、TVで「ゴルゴ13」最終回や世界情勢ネタの仕入先を語る”. コミックナタリー. ナターシャ (2015年12月14日). 2021年9月29日確認。
- ↑ “稲垣吾郎の「銃」好きな一面が明らかに 『ゴルゴ13』さいとう・たかをの都市伝説に迫る”. Book Bang -ブックバン-. 新潮社 (2016年7月23日). 2021年9月29日確認。
- ↑ “NHK Eテレ 「SWITCH インタビュー 達人達」12月21日放送にさいとうたかをが出演します”. さいとう・プロダクション (2019年12月19日). 2021年9月29日確認。
- ↑ “『ゴルゴ13』さいとう・たかをゲスト出演 創作の秘密に迫る NHK『ごごナマ』1月9日放送”. amass (2020年1月8日). 2021年9月29日確認。