池江璃花子
池江 璃花子(いけえ りかこ、2000年7月4日 - )は、東京都江戸川区出身の競泳選手。専門は自由形とバタフライ。体重60キロ。身長171cm。2018年8月12日現在、個人種目12個とリレー種目9個の計21種目の日本記録を保持している。
経歴[編集]
東京都江戸川区出身。中学生として14年ぶりに2015年世界選手権に出場し、2016年リオデジャネイロオリンピックではリレーを含めて7種目に出場し、100メートルバタフライで5位になる。2018年アジア大会では日本選手史上で最多となる6冠を達成し、MVPを獲得する。50メートル・100メートル・200メートル自由形と50メートル・100メートルバタフライで日本記録を保持する。東京の淑徳巣鴨高校に在籍し、ルネサンスに所属している。
2020年東京オリンピックのヒロイン候補として大きな期待を受けており、2019年1月18日にオーストラリアのゴールドコーストでの合宿に参加する。しかし2週目の練習から異変が表れたとされ、今までに見たことのない呼吸で肩で息をするような場面があったという。このため、2月4日に現地の医療センターで血液検査を受け、予定より2日前倒しの2月8日に緊急帰国し、その日のうちに東京都内で入院して再検査の結果、白血病という診断が下されたという。池江自身は2月12日に自らのツイッターにおいて白血病であることを公表した。
人物像・逸話[編集]
多くの成績を挙げて将来を期待されているため、突然の白血病発表は多くの人に影響・衝撃を与えた。ところが桜田義孝五輪大臣は2月12日に池江の白血病について記者団に「治療に専念して元気な姿に戻ってほしい。金メダル候補、本当にがっかりしている。日本が誇るべき選手。五輪の水泳を非常に期待している。1人がリードすると昔、その人につられて全体が盛り上がる。そういった盛り上がりが下火にならないか、心配している」などと述べ、翌日に発言を撤回したが、母親が白血病で6年も闘病した寺田学(「選手はメダルとるための駒なのか」)をはじめ多くの政治家や社会から批判される事態となっている。
また池江が白血病を公表した翌日、日本骨髄バンクに対するインターネットの資料請求が1日で普通は5件から6件だったものが約50倍の271件、つまり1日で1か月分の問い合わせが来たと言われている。
池江関連の年表[編集]
2014年[編集]
2015年[編集]
- 4月 - 日本選手権で50メートルバタフライを26秒49で制し、19年ぶりに中学生女王となる。100メートルと200メートル自由形は共に中学新記録で3位に入り、中学生では7大会14年ぶりとなる世界選手権代表に選出される。
- 8月 - 世界選手権に初出場し、自由形リレーの400メートルで9位。800メートルで7位。共に第2泳者であった。個人種目の50メートルバタフライでは26秒66で予選落ちする。
- 10月 - W杯東京大会で100メートルバタフライで日本新記録の57秒56でW杯初優勝。中学生の日本記録更新は19年ぶりとなる。さらに100メートル自由形を中学新記録の54秒14、50メートルバタフライを世界ジュニア新記録の26秒17で制し、3冠を達成する。
2016年[編集]
- 1月 - 東京都選手権の100メートル自由形で日本新記録の53秒99で優勝する。
- 2月 - コナミオープンの50メートル自由形で日本新記録の24秒74で優勝する。100メートル・200メートルも制して自由形3冠を達成する。
- 4月 - 日本選手権の50メートル自由形で24秒76の世界ジュニア新記録で優勝する。100メートルバタフライは準決勝で57秒55の日本新記録をマーク。決勝は57秒71で優勝する。200メートル自由形も制して3冠を達成。
- 6月 - 東京都高校選手権で100メートル自由形で日本新記録の53秒69をマークする。
- 7月 - 三重県選手権で50メートルバタフライで日本新記録の25秒50をマークする。
- 8月 - リオデジャネイロオリンピックで日本競泳史上初めて7種目(個人4、リレー3)に出場する。100メートルバタフライで予選、準決勝、決勝で56秒86と日本新記録を3連発して5位に入賞する。50メートル、100メートル、200メートル自由形は予選落ちする。リレーは400メートル、800メートル自由形共に8位。400メートルメドレーは予選落ちする。
- 9月 - 岩手国体において50メートル自由形で日本新記録の24秒67をマークする。
- 10月 - W杯東京大会で100メートル個人メドレーで58秒24の短水路日本新記録をマークして2位となる。
- 11月 - アジア選手権で100メートル自由形で日本新記録の53秒68で2位。50メートル自由形、50メートルバタフライ、100メートルバタフライを制して3冠を達成する。400メートルメドレーリレーで優勝する。
- 12月 - 世界短水路選手権で50メートルバタフライで25秒32、100メートルバタフライで54秒64の短水路日本記録を共に更新して銅メダル受賞。
2017年[編集]
- 1月 - 東京都選手権で200メートル自由形で日本新記録の1分56秒33で優勝する。
- 2月 - コナミオープンの50メートル自由形で日本新記録の24秒48で優勝する。
- 3月 - JOC春季大会の50メートル自由形で短水路日本新記録の24秒5をマークする。
- 4月 - 日本選手権のバタフライの50メートル、100メートル、自由形の50メートル、100メートル、200メートルを制して女子で史上初の大会5冠を達成する。
- 7月 - 世界選手権の個人5種目に出場。100メートルバタフライで6位に入ったが、ほかの4種目は予選落ち。
- 8月 - 世界ジュニア選手権の50メートルバタフライで日本新記録の25秒46で優勝する。50メートル自由形、100メートルバタフライでも優勝する。
- 9月 - えひめ国体の50メートル自由形で日本新記録の24秒33で優勝する。
- 11月 - W杯東京大会の50メートルバタフライで短水路日本新記録の25秒14で3位。100メートル個人メドレーでは短水路日本新記録の57秒75で2位。
- 12月 - ローザンヌ杯の50メートルバタフライで短水路日本新記録の25秒6で優勝。50メートル自由形で短水路日本新記録の23秒95で2位となる。
2018年[編集]
- 1月 - 東京都新春大会の50メートルバタフライで24秒71、200メートル自由形で1分53秒54、200メートル個人メドレーで2分5秒41、100メートル自由形で51秒62と出場4種目全てで短水路日本新記録をマークする。
- 2月 - コナミオープンの200メートル自由形で1分55秒4、50メートルバタフライで25秒44と共に日本新記録を達成して優勝。専門外の400メートル自由形でも優勝する。
- 4月 - 日本選手権の100メートルバタフライで56秒38、50メートル自由形で24秒21、100メートル自由形で53秒3、50メートルバタフライで25秒43と出場4種目全てで日本記録を更新する。
- 5月 - ジャパンオープンの50メートルバタフライで日本新記録の25秒25で優勝する。
- 6月 - 欧州グランプリの50メートルバタフライで25秒11、100メートルバタフライで56秒23と共に日本新記録で優勝する。
- 8月 - パンパシフィック選手権の100メートルバタフライで日本新記録の56秒8で金、200メートル自由形で日本新記録の1分54秒85で銀、主要国際大会で初めてのメダル獲得。
- 9月 - アジア大会の個人種目の50メートル・100メートルバタフライ及び自由形で優勝する。400メートルリレー及びメドレーリレーも制し、日本選手の1大会で最多となる6冠を達成する。日本勢では4人目で女性では初となる大会最優秀選手賞(MVP)を達成。
- 11月 - W杯東京大会の100メートルバタフライで短水路日本新記録の55秒31で優勝する。これはリオデジャネイロオリンピックのスウェーデンの金メダル受賞のサラ・ショーストロムを破る大金星であった。北島康介杯の100メートル自由形で日本新記録の52秒79で優勝する。
2019年[編集]
- 1月13日 - 2019年初レースで三菱養和スプリントに出場する。本職の100メートルバタフライで自己記録より4秒遅い1分0秒41であった。
- 1月18日 - オーストラリア合宿に出発する。
- 2月4日 - 疲労が抜けずに、現地で検査を受ける。
- 2月8日 - 緊急帰国し、病院で白血病を公表する。
- 2月12日 - ツイッターで白血病を公表する。
- 4月8日 - マネジメント会社が池江の日大への入学と同水泳部入部を発表する。
外部リンク[編集]
- 池江璃花子(@rikakoikee) - X(旧:Twitter)
- 池江璃花子 (@ikee.rikako) - Instagram
- リオ五輪代表プロフィール 池江璃花子 - TOBIUO JAPAN Journal
- ルネサンス所属選手情報