友愛労働歴史館
友愛労働歴史館(ゆうあいろうどうれきしかん、英:YU-AI Labor Historical Museum)は、東京都港区芝の友愛会館にある社会運動の歴史資料館。一般財団法人日本労働会館が運営している[1]。
概要[編集]
友愛会系の民主的労働運動(友愛会・総同盟・同盟・連合)、社会民衆党系の社会主義運動(社会民主党・社会民衆党・日本社会党・民社党)、ユニテリアン教会・惟一館ゆかりの社会運動に関する資料の収集・管理、調査・研究、展示・情報発信を行っている資料館。1931年に総同盟が設立した一般財団法人日本労働会館が運営している[1]。
展示会活動として、常設展「日本労働運動の100年余―友愛会・総同盟(戦前)を中心とする」と年2回の企画展を開催している[2]。展示スペースは広くないが、文書・写真・旗・視聴覚資料など貴重な史料を無料で見学することができる。友愛会の流れを汲む旧同盟系労組が集団見学したり、組合関係者が研修の合間に見学しに来たりすることもある。2009年に新聞で「ほとんど訪れる人がいない史料館」と紹介された[3]。2012年8月1日の新装オープンから2015年11月31日までの入館者数は延べ5448名[4]、2018年3月31日までの入館者数は延べ8209名[5]。
沿革[編集]
2005年10月25日に仮オープン[6]、2006年に旧友愛会館6階に開館した[7]。2009年8月4日に老朽化による建て替えのため休館に入り[7]、2012年8月1日に友愛会創立100周年を記念して友愛会館の8階に新装オープンした[1][8][9]。新装オープン以来、常設展「日本労働運動の100年余―友愛会・総同盟(戦前)を中心とする」を開催している[10]。
友愛労働歴史館がある友愛会館は、福澤諭吉らの招聘で来日した米国ユニテリアン協会が1894年に建設したユニテリアン教会・惟一館(ジョサイア・コンドル設計)の跡地にある。惟一館で1898年に安部磯雄・村井知至らが日本初の社会主義研究団体である社会主義研究会を結成[1]、1901年に片山潜・安部磯雄らが日本初の無産政党である社会民主党の結党を準備[11]、1912年に鈴木文治らが日本労働運動の源流といわれる友愛会を結成したため、この場所は「日本社会主義運動の発祥の地」「日本労働運動の発祥の地」と言われている[1]。1930年に総同盟が安部磯雄・賀川豊彦・新渡戸稲造・鈴木文治・吉野作造の後援を得て惟一館を買収し翌年に日本労働会館としたが、1945年5月に米軍の空襲で焼失。1949年に総同盟会館・全繊同盟会館、1964年に旧友愛会館(9階建)が建設された[12]。このような経緯から友愛労働歴史館は、友愛会系労働組合やユニテリアン教会・惟一館ゆかりの社会運動に関する資料館となっている[1]。
アクセス等[編集]
出典[編集]
- ↑ a b c d e f 友愛労働歴史館 友愛労働歴史館
- ↑ 常設展「日本労働運動の100年余―友愛会・総同盟(戦前)を中心とする」 友愛労働歴史館
- ↑ 「「友愛」探せば町に生きていた 地名・店名・労組用語・そしてその裏」『毎日新聞』2009年6月3日付夕刊
- ↑ 労使研『情報』第50号(PDF)労使関係研究協会(2016年1月)
- ↑ 2017年度友愛労働歴史館事業報告(PDF)日本労働会館(2018年)
- ↑ 友愛労働歴史館について 友愛労働歴史館の解説員便り(2006年3月3日)
- ↑ a b 「労働友愛歴史館」が建て替えのため休館-2012年8月再開予定 品川経済新聞(2009年8月18日)
- ↑ 東京港区三田に資料館オープン 友愛労働歴史館 労働新聞(2012年8月6日)
- ↑ 友愛労働歴史館 日本ファイリング
- ↑ 常設展「日本労働運動の100年余―友愛会・総同盟(戦前)を中心とする」を開催中! 友愛労働歴史館(2014年5月17日)
- ↑ 友愛会誕生の地、ユニテリアン教会・惟一館建設から126年(明治27年3月25日)! 友愛労働歴史館(2020年3月24日)
- ↑ 伊達美徳「日本労働運動の拠点の120年:J.コンドルの和風建築と山口文象のモダン建築の出会い」まちもり通信YB版
- ↑ 友愛労働歴史館 三田会館