リチャード・コシミズ
リチャード・コシミズ(Richard Koshimizu、1955年(昭和30年)8月9日生[1] - )は、日本のネット・ジャーナリスト[2]、陰謀論者、政治活動家[3]。本名・輿水 正(こしみず・ただし)[1][2]。
2008年頃から日本各地で講演会の開催やインターネット動画配信や書籍(出版物)などで陰謀論の言論活動を行っている[2]。創価学会批判や統一教会批判やユダヤ人金融資本批判、アポロ11号の月面着陸は捏造であるという陰謀論を唱えている。[4]、いわゆる陰謀論者である[5]。自身は「ネット・ジャーナリスト」や「反ユダヤ金融資本主義者」と称している[1]。
経歴[編集]
1955年(昭和30年)に東京都板橋区生まれ[1]。実家は「輿水語学研究所」という語学塾を営んでいた[1]。1978年(昭和53年)に青山学院大学経済学部卒業[1]。大学卒業後には大手の貿易商社の営業マンとして就職し勤務していた。貿易商社に勤務していた時に遭遇した「保険金殺人事件」がネット・ジャーナリスト活動を開始するようになった理由という[6]。 勤めていた貿易商社を退職後に、2000年(平成12年)に貿易会社「テクノトレード・エンタープライズ・ジャパン」を創業した[1]。
2006年(平成18年)10月、第1作『911自作自演テロとオウム事件の真相』を自費出版。阿久根市長の竹原信一は2007年1月11日付の自身のブログで同書を推薦している[7]。
2007年(平成19年)に自身の後援会「リチャード・コシミズ独立党」(RK独立党)を結成した[6]。イスラエルのメディアで「日本のホロコースト否認の党」としてレポートされた[3]。
2008年(平成20年)頃から日本各地で陰謀論の講演会を開催するようになり、インターネットの動画投稿サイトのYouTubeやニコニコ動画で陰謀論の講演会の動画配信するようになった。
2009年(平成21年)2月に『小説911』を自費出版。2001年9月11日に起きた「アメリカ同時多発テロ事件」[1]について、ニューヨークにあった高層ビルのワールド・トレード・センター(WTC)は陰謀組織が「純粋水爆」を使って高層ビルのワールド・トレード・センター(WTC)を爆破したと主張した[4]。SF作家の山本弘は「と学会」の『トンデモ本』シリーズで同書を紹介し、登場する陰謀組織の頭が悪すぎると評している[4]。
2009年(平成21年)10月にリチャード・コシミズにブログで中傷されたとして、保守系団体「主権回復を目指す会」や「日本女性の会 そよ風」メンバーがリチャード・コシミズの事務所や自宅周辺で抗議街宣を行った[8]。
2011年(平成23年)3月11日に東日本大震災が発生すると、自らが運営するブログで震災は「純粋水爆」を使った人工地震であると断定した。「ユダヤ世界最終戦争の一幕」「黒幕はロックフェラー」[9]、福島第一原子力発電所事故は地震兵器の存在を隠すために捏造された、計画停電は純粋水爆の起爆装置に電力を使うために行われていると主張した[10]。宗教学者の辻隆太朗は、リチャード・コシミズなど「3・11に対する日本の陰謀論者たちの反応」は「9・11に対するアメリカの陰謀論者たちの反応」と同様、あらかじめ決まった陰謀論のストーリーに出来事をはめ込んでいると述べている[9]。
2014年(平成24年)の東京都知事選挙では弁護士の鈴木達夫候補を支持し、池袋で応援演説を行った[11][12]。宗教研究家の武田崇元によれば、応援演説では空気を読んで陰謀論的色彩を薄めていたとされる[13]。
2014年(平成24年)11月26日付の『産経新聞』東海・北陸版(約5000部)に「ネット・ジャーナリストのリチャード・コシミズがユダヤ独裁国家アメリカの謀略を暴く!!」と題した書籍の広告が掲載された。「ホロコーストはイスラエル建国のためのでっち上げ」などと記していたことから、ユダヤ人系団体のサイモン・ウィーゼンタール・センターは同年12月4日付で産経新聞社の熊坂隆光社長宛に抗議文を送付した。産経新聞の熊坂社長は12月5日、「掲載に至る経緯は現在、社内で調査中ですが、広告審査手続きに欠陥があったことは明らかです。こうした内容の広告が掲載され、読者の手元に届けられてしまったことは極めて遺憾であり、読者とユダヤ人コミュニティーの皆様に深くおわびいたします。」とするコメントを出し[14][15][16][17]、産経新聞は12月6日付の朝刊に経過説明と熊坂社長名によるおわび記事を掲載した[18][19][2]。
リチャード・コシミズによる陰謀論の主張[編集]
- 創価学会の池田大作(名誉会長)は在日韓国人という陰謀論
創価学会の池田大作(名誉会長)は日本人(日本国籍)ではなく、本当は成 太作(ソン・テジャク)という「在日韓国人2世」であるという陰謀論を主張している[2]。
リチャード・コシミズは、2005年(平成17年)~2016年(平成28年)まで「創価学会は北朝鮮宗教である」という陰謀論を主張するホームページを運営していた。[3]
- オウム真理教が起こした地下鉄サリン事件に関する陰謀論
1995年(平成7年)3月20日にオウム真理教が起こした「地下鉄サリン事件」[4][5]の真犯人はオウム真理教ではなく創価学会や統一教会や北朝鮮などが結託して起こした事件であるという陰謀論を主張している。[6]
- 9・11アメリカ同時多発テロ事件に関する陰謀論
2001年(平成13年)9月11日にイスラム原理主義のテロ組織「アルカイダ」がアメリカ合衆国で起こした「9・11アメリカ同時多発テロ事件」[7]は、本当はCIA(アメリカ中央情報局)などのアメリカ政府やユダヤ人組織などが結託して起こした事件であるという陰謀論を主張している。[8]
ウィキペディア[編集]
ウィキペディア日本語版では少なくとも2007年(平成19年)9月には記事が存在していた。2016年(平成28年)6月16日に削除依頼が提出され、「一次資料」や「特筆性のない記事」であるという意見が大勢を占めたため2016年(平成28年)7月14日に削除された。改善なき再作成が繰り返されたため作成保護されて現在に至る。
著書[編集]
単著[編集]
- 『911自作自演テロとオウム事件の真相』 自費出版、2006年12月、ISBN 978-4990357306
- 『世界の闇を語る父と子の会話集』 自費出版、2007年4月、ISBN 978-4990357313
- 『続・世界の闇を語る父と子の会話集』 自費出版、2007年12月、ISBN 978-4990357320
- 『第三集・世界の闇を語る父と子の会話集』 自費出版、2008年5月、ISBN 978-4990357337
- 『小説911』 自費出版、2009年2月、ISBN 978-4990357399
- 『2012年 アセンションはやって来ない』 自費出版、2010年8月、ISBN 978-4904801161
- 『3.11同時多発人工地震テロ』 自費出版、2011年4月、ISBN 978-4904801260
- 『リチャード・コシミズの新しい歴史教科書』 自費出版、2012年7月、ISBN 978-4904801345
- 『世界の闇を語る父と子の会話集 特別編 日本独立宣言』 自費出版、2012年12月、ISBN 978-4904801352
- 『12・16不正選挙』 自費出版、2013年1月、ISBN 978-4904801369
- 『リチャード・コシミズの未来の歴史教科書』 成甲書房、2013年12月、ISBN 978-4880863108
- 『リチャード・コシミズの小説ではない小説 日本の魔界』 成甲書房、2014年2月、ISBN 978-4880863122
- 『世界の闇を語る父と子の会話集 真実を知るためのキーワード篇』 成甲書房、2014年9月、ISBN 978-4880863191
- 『ティアラの大冒険』 自費出版、2015年6月、ISBN 978-4904801659
- 『パリ八百長テロと米国1%の対日謀略』 成甲書房、2015年12月、ISBN 978-4880863351
共著[編集]
- 『闇の陰謀対談 ベンジャミン・フルフォード×リチャード・コシミズ』 ベンジャミン・フルフォード共著、学研パブリッシング、2014年10月、ISBN 978-4054061347
- 『日本も世界もマスコミはウソが9割――出版コードぎりぎり[FACT対談]』 ベンジャミン・フルフォード共著、成甲書房、2016年5月、ISBN 978-4880863399
- 『サイキックドライビング【催眠的操作】の中のNIPPON』 飛鳥昭雄、天野統康、菅沼光弘、高島康司、船瀬俊介、ベンジャミン・フルフォード、宮城ジョージ、吉濱ツトム共著、ヒカルランド、2016年7月、ISBN 978-4864713924
- 『トランプと「アメリカ1%寡頭権力」との戦い――日本独立はそのゆくえにかかっている!』 クリス・ノース、ベンジャミン・フルフォード、板垣英憲共著、ヒカルランド、2016年9月、ISBN 978-4864714242
脚注[編集]
- ↑ a b c d e f g リチャード・コシミズ (2014年4月26日). “RKのwikiなんですが、ひどいもんですね。私RKが裏社会から恐れられている証左では”. 旧RKブログ保存版. 2016年12月26日確認。
- ↑ a b c d 佐藤卓己編著『ヒトラーの呪縛――日本ナチカル研究序説 下』中公文庫、2015年、138-139頁
- ↑ a b Iris Georlette (2007年6月7日). “Holocaust denier establishes party in Japan”. Ynetnews. 2016年12月26日確認。
- ↑ a b c と学会『トンデモ本の世界 X』楽工社、2011年、102-110頁
- ↑ と学会『トンデモ本の世界 X』楽工社、2011年、137頁
- ↑ a b 『リチャード・コシミズの未来の歴史教科書』著者について
- ↑ 竹原信一 (2015年6月6日). “ブックセンター書林”. 住民至上主義 (公務員法で溶け落ちる日本). 2016年12月26日確認。
- ↑ “不逞の輩を許すな!リチャード・コシミズ事務所前に全員集合だ<捏造と誹謗を生業にする輿水 正の化けの皮を剥ぎ取れ!> 『行動する』運動へ敵対する輩に正義の鉄槌を!”. 主権回復を目指す会 (2009年10月1日). 2013年10月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年12月26日確認。
- ↑ a b 辻隆太朗『世界の陰謀論を読み解く――ユダヤ・フリーメーソン・イルミナティ』講談社現代新書、2012年、42-44頁
- ↑ 辻隆太朗『世界の陰謀論を読み解く――ユダヤ・フリーメーソン・イルミナティ』講談社現代新書、2012年、35-36頁
- ↑ リチャード・コシミズ (2014年1月30日). “突然行動を起こすRK”. 旧RKブログ保存版. 2016年12月26日確認。
- ↑ リチャード・コシミズ (2014年2月3日). “都知事選:鈴木たつお候補の池袋応援演説やりました。”. 旧RKブログ保存版. 2016年12月26日確認。
- ↑ 武田崇元 2014年1月30日のツイート、2016年12月26日閲覧。
- ↑ “米ユダヤ系団体、本紙掲載広告に抗議 産経・熊坂社長「おわびします」”. 産経ニュース (2014年12月5日). 2017年5月14日確認。
- ↑ “ホロコースト:「でっち上げ」産経の書籍広告に抗議”. 毎日新聞 (2014年12月5日). 2014年12月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月14日確認。
- ↑ “産経新聞に米ユダヤ系団体が抗議 掲載広告めぐり”. 47NEWS (2014年12月6日). 2014年12月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月14日確認。
- ↑ 「反ユダヤ本の広告、産経謝罪」『朝日新聞』2014年12月6日付朝刊
- ↑ “産経新聞:社長名でおわび掲載 ユダヤ系団体抗議受け”. 毎日新聞 (2014年12月6日). 2014年12月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月14日確認。
- ↑ “産経新聞、ユダヤ中傷書籍の広告掲載で謝罪”. 日本経済新聞 (2014年12月6日). 2017年5月14日確認。
関連文献[編集]
- ASIOS、アンドリュー・ウォールナー『検証 大震災の予言・陰謀論――"震災文化人たち"の情報は正しいか』文芸社、2014年
- 唐沢俊一『トンデモ非常時デマ情報レスキュー』ブリックス、2012年
外部リンク[編集]
- リチャード・コシミズ公式ホームページ
- リチャード・コシミズ(@ric_koshimizu) - X(旧:Twitter)
- リチャード・コシミズ独立党の動画集(ニコニコ動画)
- “リチャード・コシミズ”. ウィキペディア日本語版 (2015年3月22日). 2015年3月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年12月26日確認。