マリンライナー
マリンライナー(まりんらいなー)とは、JR西日本・JR四国が宇野線、本四備讃線、予讃線で旅客営業を行っている快速列車。
概要[編集]
JR西日本の岡山駅からJR四国の高松駅を52分~70分ほどで結ぶ電車の快速列車である。茶屋町駅 - 児島駅間と坂出駅 - 高松駅間で最高速度130km/h運転を実施している[注 1]。言わば、「岡山・香川地区の新快速」[注 2]。また、ほとんどのマリンライナーの先頭に二階建て車両のグリーン車指定席と普通車指定席を連結している[注 3]。騒音による苦情のため、瀬戸大橋区間では速度を落として走行している。また、瀬戸大橋を渡る他の特急列車や普通列車等も同じような速さで走行している。
沿革[編集]
- 1972年3月15日 - 山陽新幹線岡山開業に伴い、宇野線の昼行特急・急行が全廃され、無名の快速列車が約1時間ヘッドで運行。当初は、京阪神地区と共通運用でグリーン車サロ113も連結された。
- 1980年10月1日 - グリーン車連結を廃止。急行「鷲羽」廃止。
- 1987年3月 - 車両を国鉄213系電車に置き換えたのを機に快速「備讃ライナー」となる。
- 1988年4月10日 - 瀬戸大橋の完成に伴って本四備讃線が開通したことにより運転を開始。児島・坂出経由となり、宇野線を運転していた快速備讃ライナーと宇高連絡船の普通便と急行便(ホーバー便)を置き換えた。なお、宇高連絡船は開通後もしばらく高速船で残り、宇野線の茶屋町〜宇野間にもしばらく快速が運行された。
- 2003年10月1日 - 現行の5000系、223系5000番台への置き換えで、JR四国所有車が運用に加わる。
車内設備[編集]
マリンライナー | ||||||||||||||||||||||
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普通車[編集]
普通車自由席[編集]
自由席はJR西日本標準の転換クロスシートである。補助席もついている。223系や5000系が登場する前の車両、213系の自由席も転換クロスシートであった。
普通車指定席[編集]
二階建て車両の一階部分とトイレがある側である。リクライニングがあまりできず、景色は見にくいため確実に座りたいという人で、座れるだけでいいという人向けに設定されている。リクライニングはあまりできないが、座面をスライドさせることが可能で快適に過ごせる工夫がなされている。だが、テーブルは付いていないので不便である。料金は通常期で520円、閑散期で320円である。構造上、平屋の普通車自由席よりも静かである。
グリーン車指定席[編集]
グリーン車はマリンライナーが設定された当時から存在していたものである。昔のグリーン車も展望車両であった。一時期は、先頭と最後尾の車両に二両つけられていた時期があった。場所は、二階建て車両の二階部分と平屋の展望席。どちらとも車窓はよく見えるような構造となっている。リクライニングは普通車指定席より深く倒せる。だが、マリンライナーの走行区間内だと特急の普通車自由席料金は320円~550円である。そのため、そちらの方が料金安くなることがある。
トイレ[編集]
先頭の二階建て車両には男性用小便器がついている。そのほかのトイレは、バリアフリーに対応している洋式トイレである。
車両[編集]
5000系[編集]
JR四国所有の5000系はJR西日本223系電車と性能は同じである。先頭車両には2階建ての展望車両が連結されている。二階建ての車両にはグリーン席と指定席がある。それ以外の車両はJR西日本の近郊型電車でよく見られる転換クロスシートである。
223系5000番台[編集]
221系性能のJR西日本223系電車5500番台と見た目は酷似しているが性能は一般的な223系であり、ワンマン運転には対応していない。
過去の使用車両[編集]
213系[編集]
211系 - グリーン車[編集]
停車駅[編集]
岡山駅 - (大元駅) - (備前西市駅) - (妹尾駅) - (早島駅) - 茶屋町駅 - (植松駅) - (木見駅) - (上の町駅) - 児島駅 - 坂出駅 - (鴨川駅) - (国分駅) - (端岡駅) - (鬼無駅) - 高松駅
- ( )内の駅は一部の列車のみ停車(備前西市駅は朝の上り列車2往復のみが停車)。
- 妹尾駅と早島駅の両方を通過する列車はなく、少なくともいずれかには停車する。昼間は妹尾駅と早島駅の選択停車が行われ、朝ラッシュ時と深夜は両方、夕ラッシュ時(岡山発15時以降)の高松行きは必ず妹尾駅に停車する。
- 停車駅の詳細は以下の表を参照。
高松行 | 岡山行 | 岡山駅 | 大元駅 | 備前西市駅 | 妹尾駅 | 早島駅 | 茶屋町駅 | 植松駅 | 木見駅 | 上の町駅 | 児島駅 | 坂出駅 | 鴨川駅 | 国分駅 | 端岡駅 | 鬼無駅 | 高松駅 | 備考 |
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15,19,…,39号 | 20,24,…,64号 | ● | - | - | - | ● | ● | - | - | - | ● | ● | - | - | - | - | ● | 日中の半数 |
3,13,17,…,65号 | 18,22,…,66号 | ● | - | - | ● | - | ● | - | - | - | ● | ● | - | - | - | - | ● | 日中から夕方の半数 |
5,9,11,43,47,51,55 57,…,67,69,71号 |
12,14,16,68号 | ● | - | - | ● | ● | ● | - | - | △ | ● | ● | - | - | - | - | ● | △は71号のみ停車 |
7号 | 4,6,8号 | ● | ● | - | ● | ○ | ● | - | - | - | ● | ● | - | - | - | - | ● | ◯は4号のみ通過 |
1号 | 10号 | ● | ● | △ | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | - | - | - | - | ● | △は10号のみ停車 |
73,75,77号 | 2,70,72号 | ● | ● | △ | ● | ● | ● | ◯ | ◯ | ◯ | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | △は2号のみ停車 △◯は75号通過 |
本数
(2018年1月現在) |
上り | - | 7 | 2 | 24 | 22 | 36 | 4 | 4 | 4 | 36 | 36 | 3 | 3 | 3 | 3 | 36 | |
下り | 39 | 5 | 0 | 32 | 25 | 39 | 3 | 3 | 4 | 39 | 39 | 3 | 3 | 3 | 3 | - |
- ●:全列車停車
- ○:一部の列車が通過
- △:一部列車が停車
- - ← →:通過
その他[編集]
本列車には、昨今のモバイル社会に欠かせない電源のコンセントがグリーン車にも付いていない。そうした設備を使いたい場合、時間はかかるが、宇多津駅乗換で岡山、高松発着の特急を2本乗り継ぐことになる。ちなみに、特急料金は特定特急料金区間同士なので、買い方によってはマリンライナーのグリーン料金より60円高いだけで済む。
関連項目[編集]
注[編集]
四国旅客鉄道の列車 |