鉄道模型
鉄道模型(てつどうもけい)とは、一定の縮尺によって作られた鉄道の模型である。縮尺には国際規格がある。
概要[編集]
鉄道に限らず、建物や乗り物を作る前に、図面だけではわからない欠点を洗い出すために模型を作って、実物に反映させたのが模型の原点である。
沿革[編集]
船舶や馬車の模型を製作したときと同様、実物を作る前に模型を製作したので、実物よりも歴史が古い。日本では江戸時代末期にアメリカ合衆国のマシュー・ペリーが持ち込み、幕府の役人に拝見させた。また、ロシアが肥前国に持ち込んだアルコール燃料で走行する鉄道模型は当時の日本人技師の手によって複製された。やがて、実用的な模型の製作、所持から、趣味へと範囲を広げていった。
車両制作[編集]
楽しみ方としては、車両を作るタイプと運転を楽しむタイプに分かれる。ここでは車両制作について挙げる。
ライブスチーム[編集]
蒸気で走る模型を作るタイプ。
スケールモデル[編集]
実際の車両を元に忠実に再現する。
フリー[編集]
ぼくの考えた最強の電車を作る。デザインは自由。
ゲテモノ[編集]
フリーをさらに変な方向へ進化させた車両。客車が銭湯でさらに屋根が無かったらどうなるとか。
レイアウトの種類[編集]
固定レイアウト[編集]
家屋内の室内に置く。木製のベースに線路を固定し自然風景を作り込み、建物模型を設置する。大きさも様々である。
トンネル部分のサイドのベニヤ板の壁には、穴があけられることが多い。トンネル内で脱線した車両を回収するためである。
詳細は「固定式レイアウト」を参照
移動レイアウト[編集]
ベニヤ板を貼り付けた木枠に線路を固定して楽しむ。木枠自体は移動でき、立てかけ式、折り畳み式、分割式、セクションレイアウトがある。セクションレイアウトは文化祭などで使われる。
戸外レイアウト(庭園鉄道)[編集]
主に庭などに設置する。庭木などをシーナリィに見立てて楽しむ。
雨風にさらされたり、草木や昆虫の被害などがあるため設置には注意を要する。線路の錆びは避けて通れないが、集電には影響がないとの事例もある。それより泥による集電不能のケースが多い。そのため基本的に高架での設営が望ましい。地面に設置することはできなくもないが、水はけをよくする必要がある。特にコントローラー部分やポイントマシンは雨に対する対策が必要となり、プラケースに収納することが多い。また脱線した場合のリカバリー対策として、線路の設置は目の届く範囲に限られる。メンテナンス上の問題からゲージは大きい物(HO以上)の方が望ましい。
なおレイアウトの所持者によると、鳥、犬、猫そして人間(幼児)も脅威の対象となる。
昆虫の被害[編集]
- クモの巣が引っかかり脱線。
- カタツムリが線路を横断中追突。
- ミミズが線路を横断し衝突。
草木の被害[編集]
- 落葉、落花、木の実の落下。
- 雑草の成長。
その他[編集]
- モグラの穴掘り。
- アリの巣の設営。
- 鳥のふん。
- 霜柱。
テーマ[編集]
- 工場の引き込み線:小さなスペースで作れる。貨車の入れ替えを楽しむ。
- 森林鉄道:蒸気機関車が似合う。
- 山岳鉄道:ヨーロッパの鉄道模型に多い。日本だと箱根登山鉄道になる。
- 地下鉄:地上からいったんもぐる形をとる
- トロリーライン:市街地の一角を切り取ったような形になる。
番外編[編集]
参考文献[編集]
- 『レイアウト全書』、1976年12月1日。
- 山崎喜陽 『鉄道模型』、1976年12月5日。