絵本太閤記
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絵本太閤記(えほんたいこうき)とは、豊臣秀吉に関する生涯を絵入りで紹介している史料である。
概要[編集]
著者・成立年代[編集]
著者は竹内確斎。絵は岡田玉山。成立は初編が寛政9年(1797年)で、以後続刊が続いて最終的に完結したのは5年後の享和2年(1802年)である。なお、絵本とは江戸時代中期以降に頻出している絵本読本に倣ったものである。『太閤真顕記』などを参考にしたとされるが、当時は徳川史観が全盛期だったためか秀吉について書くこと自体がタブーであり、文化元年(1804年)に絶版となっている。
内容[編集]
7編12巻の作品である。
- 初編 - 秀吉(日吉丸)誕生から足利義昭を奉じて上洛した織田信長が美濃国に帰国するまで。
- 2編 - 信長包囲網による戦役から、竹中重治の病死、荒木村重の謀反による伊丹城落城、三木合戦による三木城落城と姫路城築城まで。
- 3編 - 明智光秀の丹波国攻略と本能寺の変、備中国高松城の落城による清水宗治の自害と中国大返しまで。
- 4編 - 山崎の戦いから清州会議、賤ヶ岳の戦い直前の天正11年(1583年)1月まで。
- 5編 - 賤ヶ岳の戦いから小田原征伐まで。
- 6編 - 千利休の切腹から秀次事件、朝鮮出兵についてまで。
- 7編 - 石川五右衛門についてのこと、秀次事件による豊臣秀次の最期、朝鮮出兵(慶長の役)についてまで。
なお、『太閤記』と同じように「秀吉の死去について」は描いていない。
江戸時代後期の作品なので、信頼性は皆無である。秀次事件などは秀次が妊婦の腹を切り裂いた暴君とまで描いている。また、晩年の秀吉は石田三成に朝鮮における全指揮権を与えたとされている。