史料

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史料(しりょう)とは、歴史を調べる際に参考になる文献などのことである。文献と言っても書状・編纂物・軍記物語・遺構など多くの物が存在する。

概要[編集]

史料には「一次史料」(いちじしりょう)と「二次史料」(にじしりょう)がある。まずはこれについて説明する。

  • 一次史料 - 同時代、すなわちそれらの事象が発生した時代に作成された古文書や古記録などを指す。例えば公家などはよく日記を残したりしているが、これらは貴重な一次史料である。また、徳川家康の家臣である松平家忠が「家忠日記」を残しているが、これは家康だけでなく、織田信長武田信玄豊臣秀吉など家康と少なからず関係のあった面々を知る上で大変貴重な一次史料となっている。また、信長が秀吉に対して発給したりした書状、つまり第3者に発給した書状なども一次史料である。すなわち、一次史料とは同時代の史料であるため、歴史研究では非常に尊重されて重要視される素材なのである。ただし、古記録においては同時代に作成はされているものの、時によっては伝聞をそのまま記したりもしているため、過信することは禁物である。
  • 二次史料 - 編纂史料(へんさんしりょう)とも言われる。これらは一次史料の時代より遥かに下った後代に成立した史料のことを言う。すなわち、系図や家譜、軍記物語、覚書などがこれらに該当する。二次史料の成立に至る過程は様々なものであり、一次史料を用いて編纂されたものもあれば、第3者からの口伝や聞き取りから成立した物も少なくない。元々の内容に様々な根拠の無い情報を加えている場合が多く、歴史研究を行なう場合には注意が必要となる。何よりもその事象が発生した時代より遥かに時間が経過しているため、正確さにおいては一次史料より遥かに劣る可能性が高いのはやむを得ないことである。武田信玄の歴史研究でよく用いられる『甲陽軍鑑』などがこれらに該当し、信玄を必要以上に英雄視し、そのために信玄と対立した父の信虎が実像以上に暴君にされていたり、4男で後継者の勝頼が家を滅ぼす原因を作り上げたとされているなど、特定の人物を貶めると言う編纂史料のありがちな点も垣間見える。

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外部リンク[編集]