福田豊

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

福田 豊(ふくだ ゆたか、1932年10月19日[1] - )は、経済学者。法政大学名誉教授[2][3]

略歴[編集]

熊本県玉名市生まれ。1955年九州大学経済学部卒業。1960年同大学院経済学研究科博士課程修了[1]城西大学助教授、法政大学社会学部助教授、教授[4]。九州大学在学中は社会主義協会の理論的指導者・向坂逸郎のゼミに参加し、三池労組の学習会(いわゆる向坂教室)にも参加した。1960年向坂の指示で上京し、労働大学講師、社会主義協会の理論的機関誌『社会主義』編集長[3]、社会主義協会事務局次長を務めた[4]

1978年の日本社会党第42回大会で社会主義理論センターが設置され、福島新吾大内秀明が座長格に、新田俊三、福田豊、高木郁朗らが助言者に起用された[5]。1982年11月に鎌倉孝夫と『現代資本主義と社会主義像』(河出書房新社)を刊行し、ソ連型社会主義の批判、ユーロコミュニズムや西欧型社会民主主義の肯定的評価を通して協会を批判したため[3]、左派の激しい反発を買った。1983年10月に『社会主義』編集長の交代に反発する福田豊、諫山正新潟大教授、鎌倉孝夫埼玉大教授、田中慎一郎北九州大教授、長坂聰大分大教授、原田溥九州大教授、御園生等東経大教授の7人の連名で川口武彦代表代行らに抗議文を提出した。しかし、1984年3月の第17回全国総会で協会事務局次長(『社会主義』編集長)を辞任し[6]、他の研究者とともに協会を離脱した[3][7]。同年4月に新たな研究組織「現代社会研究会」を結成した[8]

1980年代から90年代前半にかけて社会党社会主義理論センターで活躍し[4]、「日本における社会主義への道」の見直し、「日本社会党の新宣言」の作成に携わった[9]

著書[編集]

単著[編集]

  • 『労働組合と社会主義政党』(労働大学通信教育部[労働大学テキスト・活動家シリーズ・組織部門]、1962年)
  • 『日本社会主義運動の歴史』(労働大学通信教育部[労働大学テキスト・活動家シリーズ・思想部門]、1962年)
  • 『構造改革論批判』(労働大学[労大新書]、1966年)
  • 『労働組合と政治闘争』(労働大学[労大ハンドブック]、1970年)
  • 『レーニンと現代帝国主義』(河出書房新社、1973年)
  • 『現代社会主義論』(ありえす書房、1980年)
  • 『現代国家と民主的変革』(ありえす書房、1984年)

共著[編集]

  • 『社会主義講座 第2巻 社会主義の理論』(小島恒久共著、労働大学、1965年)
  • 『日本社会党論』(篠藤光行共著、労働大学[労大新書]、1965年)
  • 『社会主義講座 第6巻 改良主義・極左主義批判』(篠藤光行、田中勝之共著、労働大学、1966年)
  • 『日本帝国主義と教育労働者』(長坂聰共著、ありえす書房、1975年)
  • 『経済学綱要』(川口武彦平田喜久雄田中慎一郎共著、法律文化社、1978年)
  • 『ヨーロッパの政権と労働組合』(真柄栄吉大内秀明新田俊三高木郁朗共著、第一書林、1984年)
  • 『社会民主主義の選択――社会党はいまなぜ『新宣言』か』(田中慎一郎共著、ありえす書房、1988年)
  • 『転換期の現代経済――日本経済改革への提言』(原田溥、田中慎一郎共著、有斐閣[有斐閣選書]、1988年)
  • 『土井社会党――政権を担うとき』(大内秀明、田中愼一郎、高木郁朗、新田俊三共著、明石書店、1989年)

編著[編集]

  • 『日本社会党』(篠藤光行共編、労働大学、1973年)
  • 『日本労働者運動史 3 政治的統一戦線への展望』(佐藤保共編、河出書房新社、1975年)
  • 『続大系国家独占資本主義 1 現代革命の諸問題』(河出書房新社、1978年)
  • 『自治体改革と自治体労働者』(向坂逸郎共編著、ありえす書房、1978年)
  • 『ヨーロッパ革新運動の旅』(ありえす書房、1981年)
  • 『現代資本主義と社会主義像』(鎌倉孝夫共編著、河出書房新社、1982年)
  • 『参加・創造・社会改革――労働組合の制度・政策闘争』(鎌倉孝夫共編著、ありえす書房、1985年)

訳書[編集]

  • カレン・アルメノビチ・ハチャトゥーロフ『ラテンアメリカの革命と反革命』(共訳、ありえす書房、1979年)
  • バツラフ・クラール『チェコスロバキア革命の教訓』(山崎真共訳、ありえす書房、1980年)
  • ロランド・カラスコ『戦いの火は消えず――チリ強制収容所の手記』(土屋宏之、佐藤利郎、佐川勇二、荒井信雄共訳、ありえす書房、1980年)
  • イワン・イフコフ『日本軍国主義』(宮田哲也共訳、ありえす書房、1981年)
  • ボリス・ラキツキー『ソビエトの社会保障』(大谷孝雄共訳、ありえす書房、1983年)

出典[編集]

  1. 1.0 1.1 日外アソシエーツ編『新訂 現代日本人名録2002 3.ひろ~わ』日外アソシエーツ、2002年、96頁
  2. 細川正「証言 戦後社会党・総評史 もう一つの日本社会党史 : 党中央本部書記局員としてマルクス・レーニン主義の党を追求 細川正氏に聞く」『大原社会問題研究所雑誌』716号、2018年6月
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 福田豊「その後の向坂逸郎先生」『九州大学経済学部同窓会報』第57号Icons-mini-file acrobat.gif PDF九州大学経済学部同窓会、2014年11月15日
  4. 4.0 4.1 4.2 前田和男『民主党政権への伏流』ポット出版、2010年
  5. 前田和男「「新宣言」に連合政権論を盛り込む」『図書新聞』No.2909、2009年3月14日
  6. 日本労働年鑑 第55集 1985年版Icons-mini-file acrobat.gif PDF法政大学大原社会問題研究所
  7. 「表現の自由」研究会編著『現代マスコミ人物事典』二十一世紀書院、1989年、501-502頁
  8. 岩波書店編集部編『近代日本総合年表』岩波書店、2001年
  9. 前田和男「「新宣言」には「社会民主主義」の文言なし」『図書新聞』No.2910、2009年3月21日