校則問題
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校則問題(こうそくもんだい)とは、学校の校則に関する社会問題・教育問題である。
概要[編集]
守る理由が分からない・理不尽な校則は多数存在しており、それについて平成の終わり頃から人権・セクシャルハラスメントの観点などから問題視されるようになった。
主な問題視されている校則やその運用について挙げていっても
- 頭髪・眉
- 男子生徒への丸刈りの強制
- 特定の髪型の強制・禁止
- 髪の長さに関する規程
- 染髪やパーマ加工など頭髪への加工行為の禁止
- 生来黒髪でない、或いは強いくせ毛の児童・生徒に対する地毛証明書の提出義務付け
- 上記に関連して各自の事情を考慮せずに黒髪を全生徒へ強制し、アルビノや遺伝的理由などで生来黒髪でない者、傷みによる脱色が起きてしまった児童・生徒への黒染め強制
- 眉剃りの禁止・制限
- 頭髪検査の実施・校則違反の髪型・髪色をした児童・生徒に対する丸刈りの強要
- 服装
- 学校指定の制服の着用強制
- 学校指定の鞄の使用、コートの着用を強制し、指定外の物品を禁止
- 下着の色を指定し、男性教員にも女子児童・生徒が指定外の下着を着用していないか検査させる
- 靴下・靴・防寒着などの色の指定
- スカート・靴下の丈の長さの指定
- スカートの下へのジャージ・オーバーパンツ等の着用禁止
- 防寒着の着用を一切禁止
- 防寒着の着用を許可するが、学校指定品以外は禁止
- 校則に反する服装に対する届出義務
- 体育の授業中の下着着用禁止
- 持ち物
- 特定の筆記具(特にシャープペンシル)の持ち込み禁止
- やむを得ない理由のない日焼け止め使用禁止
- 携帯電話の持ち込み禁止
- 金銭の持ち込み禁止
- 持ち込み禁止物品を持ち込んでいた場合の没収・廃棄のみ規定し、返却・弁済の義務を負わない
- 化粧の禁止
- 置き勉の禁止
- 校内生活
- 授業中の水分補給禁止
- 給食の完食を強制し、アレルギー以外の食材の除去を認めない
- 他クラスの教室や他学年の教室がある廊下へ一切の例外なく立ち入りを禁止
- 校内に設置された公衆電話を児童・生徒が使用することを禁止
- 登校時に生徒玄関を開ける時間帯をきわめて短くし、閉扉時刻を過ぎたら職員玄関からしか校舎内に入れない
- 帰宅部を認めず、部活動への加入を強制
- 校外(始業前・放課後・休日)の生活
- 校外での理不尽な行動制限
- 通学中、公共交通機関内での座席利用を禁止
- 下校中、文房具店・図書館など学校が指定した施設以外への寄り道禁止
- 休日であってもゲームセンター・映画館など娯楽施設への出入り禁止
- 休日の私的な外出であっても外出時の私服着用禁止
- 友人宅への外泊禁止
- 行楽地への旅行・校外の団体加入、イベント参加は事前の届出を義務付け
- 男女交際の禁止
- 交際関係のある生徒同士であっても性行為の禁止
- 登下校時の通学路厳守の強制
- 学期中のアルバイトの原則禁止
- 在学中の自動車学校への通学及び運転免許証の取得禁止/取得が発覚した場合、免許証を学校で没収
- 親友と呼べるような友人づくりの禁止
- その他
と非常に多岐にわたる。なおこれらの問題視されている校則は児童・生徒にのみ適用され、教職員に対しては上記のような事項を服務規程に一切設けていない。
校則については、高等学校においては学園紛争で生徒からの制服自由化等の闘争がされたが、1970年代半ばから後半にかけて、全日制公立高校が増設されて生徒層のすそ野が広がり、「服装の乱れは心の乱れ」のスローガンの下、生徒の非行防止を建前に、生徒の管理強化を目的にこれらの不合理な校則が制定されたとされる。
しかし実際は
- 地域からの苦情への対応
- 中学校では高等学校からの要望
- トラブル発生時に学校が責任を負いたくない
といったものが制定の遠因とされる。
こうした校則を問題視する動きは1980年代から始まっていたが、本格化したのは2017年に大阪府のとある高校で起きた「黒染め訴訟」がきっかけとされ、以後理不尽な校則の撤廃を求める署名活動の実施・文部科学大臣への提出、Twitterでの理不尽な校則募集などが行われ、実際に改訂が行われつつある。
この動きと連動し、校則を外部に全文公開する自治体も出ている。