帰宅部

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帰宅部(きたくぶ)とは、主に中学校高等学校で一大勢力を誇る非公認の部活動

概要[編集]

具体的にいつ頃どこで意識され始めた概念であるかは不明であるが、学校教育における部活動の歴史と共に帰宅部の歴史があったとみてよい。多くの部活動と違い、先輩後輩を意識せずに済み、同学年の部員同士を認識することもなく、部費も必要とせず、非常に寛容な風土であることが魅力である。

一般には中等教育から部活動という概念が定着するため、過半数の生徒は何らかの部活動に所属し放課後そこで青春を費やすという構図が清く正しい姿と暗黙の了解で共有される。しかし、「面倒くさい、上下関係への抵抗、興味が持てる部活動が存在しない、優柔不断なせいで入部時期を逃してしまった、面倒くさい」などの理由で部活動への所属を望まない生徒も常に一定数存在する。正式な部活動に精進する生徒から見ると、彼らがホームルーム後にぴょうと教室を飛び出してそそくさと帰宅する様は、気合がないか、孤独であるかのように思わせてしまう。彼らもそれは承知であり、「帰宅部」という言葉は他人に対してというより自嘲気味に自己紹介で使用される例が多い。そういった意味では非公認でありながらラグビー部やクリケット部、弓道部などと比べることはおろか、野球部やバスケ部、サッカー部に匹敵する一大勢力であることは明白である。ただし、強制的に部活動に参加させられる学校も少なからず存在するため、その学校には表向き帰宅部が存在しないことになる。

帰宅部にも流派があり、学校から自宅までのタイム短縮を狙うガチ勢と途中での寄り道を楽しむエンジョイ勢がいる。この2つの流派が直接対峙することは少なく、他の部であるような軋轢は起きにくい。

なお、「部活に所属している者も部活動終了後に帰宅するのだから帰宅部員なのではないか」との指摘が存在するが、サッカー部以外の生徒でもサッカーをする者が存在する中、サッカー部員が自らの技術を磨くように、帰宅部以外の生徒もいずれ帰宅する中、帰宅部員は自らの帰宅の技術を磨いているのである。そのため、先の指摘は誤りである。

ちなみに帰宅部が多いのは都市部の学校及び高等学校と言われる。都市部の学校は子供の数が多い分、帰宅部がある一定割合発生しても活動に支障が出ないこと、高等学校では厳格な部活動管理を行っていない事が多いためである。

ネタとして[編集]

前述の通り帰宅部という俗称は他者への揶揄というより自嘲気味のネタとして現在は様々な場面で目にすることがある。一時期インターネットで流行した画像「俺には帰る家がある 帰宅部員募集中」や、放課後の学校でだべる生徒たちは数々の作品のネタにもなってきた。また近年はエクストリームスポーツとの関連性や、帰宅原理主義者による厳しい規定なども定められており、部室や部費の確保も夢ではない。

真面目な話[編集]

学校が生徒へ部活動の参加を強制して帰宅部を嫌う理由として、生徒が学校の管理下に置かれない時間が増える分非行に走る可能性が高くなる、保護者の過剰な教育志向による塾通いを懸念しているため。しかしこれら2点と帰宅部と具体的な関連性を示す証拠が見つかっておらず、主観的な意見に留まっている。

学校内で強い影響力を持つのは帰宅部否定派の教職員だが、実は帰宅部の増加を歓迎する教職員もいる。帰宅部増加を歓迎する理由としては

  • やる気のない生徒に時間を割くより、やる気のある生徒への指導に時間を割きたい
  • やる気のある生徒の指導に専念できれば日常の業務に割く時間も出来てくる
  • 部活の顧問をやりたくないと考える教員が増えている

といったものが挙げられている。[1]

脚注[編集]

関連項目[編集]