国鉄クモニ143形電車
国鉄クモニ143形電車 (こくてつくもに143かたでんしゃ)は、日本国有鉄道が設計、開発した荷物車 (鉄道車両)である。
ここでは便宜上、1978年製造車両を前期型、1982年製造車両を後期型と定義する。
全車両が1986年までに改造された。
概要[編集]
高崎線、上越線、信越本線の客車列車置き換えのために1978年に製造された前期型と、伯備線直流電化のために1982年に製造された後期型の計8両がある。1M方式の新性能電車で非冷房車である。側面の窓は国鉄クモニ83形電車とは異なり、ユニット窓である。
前期型[編集]
1978年のダイヤ改正にて東北本線・高崎線・信越本線の客車列車の電車化が行われた。それに伴い、郵便・荷物の電車化も行われた。当時使用されていた荷物電車は国鉄モハ72形電車の改造車であったが、老朽化していたため新製することとなった。これは国鉄マニ50形客車と同様な理由であった。
クモヤ143と異なりシャッター式タイフォンを装備しており、1978年(昭和53年)8月5日に製造された。
室内はクモニ83形に準じており、単独運転のほか、115系との連結運転を主な運用とした。パンタグラフは狭小トンネルに対応したPS23A型が2基搭載されている。
1985年に「クモニ143-1・2・3」が大垣電車区(現:大垣車両区)へ、「クモヤ143-4・5」が長岡運転所(現:長岡車両センター)に転属となった。
後期型[編集]
1982年の伯備線全線電化開業用として増備されたグループであり、「クモヤ143-6・7・8」の3両が1982年4月27日に製造された。前期型と基本同じだが、パンタグラフのみ異なり、狭小トンネルに対応していないPS16J型が2基搭載されている。
岡山電車区に配備され、国鉄キユニ17形気動車、国鉄キユニ18形気動車、国鉄キユニ26形気動車、国鉄キニ26形気動車を置き換えて伯備線の荷物輸送を行っていた。なお、置き換えた車両で行われていた郵便輸送は併結相手の国鉄115系電車に仕分棚を持ち込んで行い、郵政省職員はボックスシートに座って前の座席に棚を置いて取扱事務を行った。
詳細は「日本国有鉄道の荷物気動車・郵便荷物合造気動車の履歴」を参照
改造[編集]
昭和61年11月1日日本国有鉄道ダイヤ改正によって用途を失い、6両が123系に、2両がクモヤ143に改造され、形式消滅した。