児童虐待
生きることも戦いなのです。
児童虐待(じどうぎゃくたい、英:Child abuse)とは、子供が保護者から本来受けるはずの保護ではなく、虐待を受けて傷付く事象を指して用いられる言葉である。四字熟語には分類されない。
概要と定義について[編集]
世界共通の明確な「児童虐待」の定義というのは難しい。そのため、ここでは日本の法律上の定義をベースにする。
児童[編集]
「児童虐待」と言った時の「児童」は、未成年者を指す模様。しかし虐待は成人を迎えた後にも続く事例がある模様。
虐待[編集]
「児童虐待」と言った時の「虐待」は、身体的虐待と心理的虐待に大別できる。
- 身体的虐待
- 物理的に暴力等を振るわれて、身体というハードウェアに損傷を負ったり、ソフトウェアである精神的にも傷ついてしまう。
- 見た目でアザが出来たりしていると発見は容易。
- 性的虐待が身体的虐待に含まれる事もあるが、あえて「児童性的虐待」として分けて考える事が多い。
- 心理的虐待
- 物理的な暴力ではないので外面上は損傷は無いが、主にソフトウェアである精神面で傷ついてしまう。
- 見た目では損傷の度合いが分からないので発見は容易ではない。
- 心理的虐待を受けた児童の成長を見た場合には、どのような行動を選択するか、という点に制約が掛かってくるように見える。
- 外面では分からないが、脳が萎縮して特定の機能が低下する事もあるので、ある意味ハードウェア的にも損傷を負う事になる。
- その他
- 親が子供を働かせてその賃金を巻き上げるとか、ウソを教え込んで洗脳する、といった不当な扱いも児童虐待に相当する気がするが、厚生労働省の児童虐待の定義には含まれていない[1]。
- 一応、国際連合の条約「児童の権利に関する条約」では、子供を搾取から保護する旨の記述がある模様[2]。
発生する問題や影響[編集]
虐待を受けた結果、児童が発達トラウマ障害や多重人格などの障害を持つようになる。反社会的な傾向を助長する事にもなる模様。
しかし戦場から帰ってきた兵士と同じような脳になるという比較もあり[3]、戦場で戦う戦闘員として、軍人に向いているのかもしれない。
もし『虐待された子供は虐待した親を殺しても無罪とする』という法律が出来れば、喜んで殺すらしい[4]。つまり法律には基本的には従う模様。
基本的に戦うか逃げるかでしか物事を考えていないようだ。戦う事を選択した場合、受けてきた虐待を再現したりするようだ[5]。常に敵を探しているような感じで、敵と判断されるとすぐに攻撃対象にされるようなので、迂闊に近づかない方が良さそうだ。
原因について[編集]
- 児童が児童虐待を受ける原因はその親に問題があるようで、親の方も支援を必要としている模様。「児童相談所」はあるのに「親相談所」は無いのが問題という意見もある。
- エホバの証人という宗教の教えが原因となる場合もある[6]。1994年8月には、当時4歳の子供が無断で夕食を食べ散らかしたという理由で虐待され死亡した事件で、虐待を加えた父親に暴行罪と保護責任者遺棄致死罪が適用され、懲役3年、執行猶予4年の判決が下った事が報道された[7]。エホバの証人としては目には目、歯には歯、殺しには殺し[8]の聖句を知っていると思うので、虐待死には虐待死という復讐がヤハウェからエホバの証人に対して望むことになる可能性が十分考えられる。
- 古代イスラエルの王ソロモンは、児童虐待を推奨していたようである。『死ぬことはない。』と軽く見ていたようであるが、2021年現在では児童虐待による影響で死亡に至る例も確認されている点から、やはりソロモンが言う通り、『人が見て自ら正しいとする道でも、その終りはついに死に至る道となるものがある。』[9]
子を懲らすことを、さし控えてはならない、むちで彼を打っても死ぬことはない。 — 古代イスラエルのソロモン王、箴言(口語訳)23章13節
- ちなみにイスラエルの神は乱暴は嫌いなようです。
主は正しき者をも、悪しき者をも調べ、そのみ心は乱暴を好む者を憎まれる。 — 詩篇(口語訳)11章5節
児童性的虐待[編集]
性的虐待は「魂の殺人」と言われる事もあるほどの深刻なダメージ。
それをまだ幼い子供が受けるのが「児童性的虐待」である。その影響は計り知れない。
- イギリス出身のサッカー選手の話によると、子供の頃にサッカーのコーチから性的虐待を受けていたケースが多い事が明らかになっている。
- アメリカではカトリック教会で性的虐待を受けたとする訴訟が相次いでいる模様。「聖職者らによる未成年者への性的虐待を処罰の対象」としてローマ教皇が教会法に明記したのは2021年6月の事だった様子[12]。施行は2021年12月からとなる模様。
日本では[編集]
厚生労働省によると、全国の児童相談所が平成29年(2017年)に対応した児童虐待の件数は13万3778件とされ、統計開始から27年連続で増加となっている。内容別では子供の前で配偶者に暴力をふるう面前DVや無視、暴言などの心理的虐待が半数を超えている。身体的虐待も約25パーセントで、育児放棄、いわゆるネグレストは約20パーセント、性的虐待も1パーセントに及んでいる。なお、最近は虐待撲滅の機運が高まっていることで、誤認逮捕の案件も増加している。起訴されたらほぼ100パーセント逮捕される日本では極めて異例なことだ。
平成30年(2018年)の児童虐待件数は約16万件で、増加傾向が続いている。このため、子供への体罰禁止やDV対応機関との連携強化を盛り込んだ改正児童虐待防止法と改正児童福祉法が2019年6月に成立し、一部を除いて2020年4月に施行された。
虐待の連鎖[編集]
「虐待の連鎖」も参照
育児放棄も含む虐待を受けて育った子供は、親になった時に同じように子供を虐待する可能性が高いという研究結果もある模様。
特に3歳以下の幼少期の段階で虐待を受けた子供の脳は、ノルアドレナリンの伝達経路が強化され、大人になった際にも通常時でもノルアドレナリンが過剰に分泌されている状態になるらしく、不安や恐怖を感じた際にはさらに大量にノルアドレナリンが分泌されるため、些細な事にもすぐにキレる性格になる模様。過剰反応という事になるようだが、幼少期から虐待を受け続けている状況に対処するための機能が脳に刻み込まれている訳で、ある意味それが通常の反応とも考えられる[13]。
虐待の連鎖を断ち切る明確な方法は不明とされており、各個人別に考える必要があるようだが、助けを求められる人が周囲に居たかどうかが鍵になる事は知られている模様。
例えば核家族の中で母親から虐待を受け、父親から育児放棄された子供は誰にも助けを求められず、自体が深刻化するかもしれない。
虐待を受けた事の無い人との反応の差[編集]
- 児童虐待を受けた話は、児童虐待を受けた事の無い人にとってはフィクションのように感じられるらしい。
- 児童虐待を受けた経験のある人にとっては、他の人の児童虐待を受けた話を聞くと、基本ノンフィクションとして受け止める傾向があり、「そういう虐待のされ方もあるんだな」と妙に納得してしまう節がある。
法律による禁止化の流れ[編集]
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- 1979年 - スウェーデンが家庭内でのスマッキングを世界で初めて禁止[14]。
- 2000年5月24日 - 日本では児童虐待の防止等に関する法律が公布されるも、体罰の禁止は明文化されていなかった模様。
- 2019年1月 - 日本の千葉県野田市にて、児童虐待による死亡事件が発生[15]
- 2020年
脚注[編集]
- ↑ “児童虐待の定義と現状”. 厚生労働省ホームページ. 2019年5月11日確認。
- ↑ jawp:児童の権利に関する条約
- ↑ “虐待受けた子どもとPTSD兵士の脳が類似=研究”. BBC News Japan (2016年2月23日). 2019年5月12日確認。
- ↑ “「親から虐待」の傷は、大人になっても深刻だ”. 東洋経済 (2017年11月1日). 2019年5月19日確認。
- ↑ “児童生徒の虐待防止マニュアル”. 福岡市教育委員会 (2006年4月). 2019年9月16日確認。
- ↑ “ものみの塔聖書冊子協会が鞭叩きを奨励していた事を示す出版物”. ameblo (2016年11月27日). 2019年8月24日確認。
- ↑ “エホバの証人「せっかん死」事件の報道”. エホバの証人情報センター保管庫. 2019年8月24日確認。
- ↑ “レビ記(口語訳)24章17節から21節”. ウィキソース (2018年7月13日). 2018年12月25日確認。
- ↑ 箴言(口語訳)14章12節
- ↑ “「私は3歳から父親の性虐待を受けて育った」”. 東洋経済 (2017年5月2日). 2020年9月6日確認。
- ↑ “10代半ばで凄惨な性暴力に遭った彼女の告白”. 東洋経済 (2018年9月26日). 2019年5月26日確認。
- ↑ カトリック界小児性愛の闇に、教皇がようやく処罰規定 被害者「高位聖職者に甘い体質が問題」 - ウェイバックマシン(2021年7月2日アーカイブ分)
- ↑ “Popular Videos - 特命リサーチ200X”. 特命リサーチ200X (1997年5月25日). 2019年8月13日確認。
- ↑ a b c “スコットランド、親が子どもをたたく行為を法律で禁止 イギリス国内で初”. BBCニュース (2020年11月7日). 2020年11月7日確認。
- ↑ jawp:野田小4女児虐待事件
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- Attachment - A guide for parents and children - Akemi Tomoda (TEDxKumamotoshi)
- 子供を叩かないで! 体罰の影響を科学的に研究 - Newsweek
- #児童虐待 - Twitter
- 嫁が生きてきた壮絶な16年間 - 4コマ漫画
- ■みんなの「親への手紙」全38本を読んでください - 今一生のブログ
- 児童虐待 - 脳科学辞典