北九州市2歳児暴行死事件

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北九州市2歳児暴行死事件(きたきゅうしゅうしにさいじぼうこうしじけん)は、福岡県北九州市小倉北区で、2012年3月7日頃に2歳男児が死亡した事件。

概要[編集]

2012年3月7日、北九州市小倉北区東篠崎3丁目のマンション内で台所であおむけに倒れている2歳男児を見つけ、母親が通報。病院に運ばれるも死亡した。

2012年3月9日、福岡県警小倉北署は2歳男児を暴行死させたとして、男児の母親の交際相手A(当時19)を逮捕。Aは犯行を否認したが、母親が仕事で外出している間に2歳男児に脇腹を圧迫するなどの暴行を加えて十二指腸破裂による循環不全で死なせたとして起訴した。

裁判経過[編集]

検察側は、嘔吐物などから3月6日午後11時45分~翌7日午前2時40分ごろの間に犯行が行われたと主張。犯行時間帯に母親は外出しており、一緒にいたのは6歳の長女とAだけであり、強い圧迫を加えられたのはAしかいないとした。傷害致死罪で懲役8年を求刑した。弁護側は、暴行を加えたことはないと否認する。

2013年2月、福岡地方裁判所小倉支部(大泉一夫裁判長)は、無罪判決を言い渡した。判決では、母親が7日午前2時40分ごろ帰宅した後に、男児を寝室と浴室の間を往復させても痛がらなかったことやジュースを飲んでいることなどから、帰宅前の暴行で十二指腸破裂を起こしたとは限らないとした。嘔吐物から犯行時間帯が確定できるという主張に対しても、別の機会に吐かれたものが混じっている可能性を指摘。医師の証言で、内臓を強く圧迫された時に少年が一緒にいた時間帯とは限らないことも指摘した。

2014年2月18日、福岡高裁川口政明裁判長)は、一審の無罪判決を破棄して審理を福岡地裁に差し戻す判決を言い渡した[1]。判決では、女性が帰宅時には、2歳男児はきつそうな様子を見せたりお腹周辺を痛がったりするなど、明らかに体調が悪そうであり、一審判決は証拠評価に誤りがあるとした。裁判員裁判で全面無罪となった判決を差し戻すのは、2012年の大阪での覚せい剤密輸事件に続いて2例目(差し戻し判決は、この時点で過去に9件ある)[2]

差し戻し判決を取り消すように弁護側は上告するも、2014年12月27日付けで上告を棄却。福岡地裁で審理がやり直されることが確定した。

関連項目[編集]

脚注[編集]

参考文献[編集]

  • 読売新聞 2014年2月19日朝刊39面「2歳男児暴行死 1審無罪を破棄 福岡高裁」
  • 冤罪FileNo22