第2回エンペディア大賞」が2月いっぱい開催中です。2024年に作成された記事の中から、お気に入りの記事に投票しましょう!

ドイツ鉄道

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
記事をシェア:
X(旧Twitter)にシェアする
Threadsにシェアする
Facebookにシェアする
はてなブックマークにシェアする
LINEにシェアする
ナビゲーションに移動 検索に移動
ドイツ鉄道のロゴ

ドイツ鉄道株式会社(ドイツ語:Deutsche Bahn AG、略称DB)とはドイツの首都ベルリンに本社を置く鉄道会社である。

概要[編集]

鉄道事業を中心にドイツ連邦共和国が100%保有する公開有限会社である。連邦デジタル・運輸省が代表を務めている。DBグループの傘下にはDB Fernverkehr(長距離輸送)、DB Regio(地域輸送)、DB Cargo(鉄道貨物輸送)など約600もの子会社、関連会社がある。また子会社のDB InfraGOもドイツ鉄道グループでドイツの鉄道インフラの大部分を保有しており、ヨーロッパ最大の鉄道網を有している。DBはドイツの鉄道網の大部分と鉄道輸送の大部分を運営しており、輸送。ロジスティクス部門でも国際的に活動している。DBは1994年西ドイツ国鉄東ドイツ国鉄が合併して誕生した。

DBは総売上高の大半を鉄道輸送で稼いでいる。残りは輸送・ロジスティクス事業などさまざまなサービスなどがある。DBは収益の一部を公共部門との契約を通じて得ており、インフラの管理・維持にも補助金が出されている。DBグループの輸送部門では2020年に列車とバスで約29億人を輸送し、物流部門では2億1300万トンの貨物を鉄道で輸送した。

組織[編集]

DBグループ一覧

旅客輸送[編集]

旅客輸送部門ではDB Fernverkehr(長距離輸送)、DB Regio(地域輸送)、アリーヴァ(海外地域輸送)に分かれている。

2020年、DBは長距離輸送で約8150万人の乗客を輸送した。これらの大部分は国境を越えた国際輸送が大部分である。

地域輸送についてはDDBは2020年に約12億人以上んお乗客を輸送した。

2005年から2010年にかけては、ベルリンとハンブルクSバーンの運行と多数のの地域バス会社の管理を担当していた2005年に2つのSバーンで約5億2440万の乗客を輸送した。

2011年1月1日アリーヴァ買収の一環としてDBの再編が行われた。DB Stadtverkehr GmbHDB Regio AGが合併しDB Regioが誕生した。それ以来国内の地域輸送はDB Regio、国外の活動はDB アリーヴァが担当するようになった。

2015年にDBのブランド構造が再編され、旅客輸送のDB BahnがDB Personenverkehrに改称された。

貨物輸送[編集]

貨物・物流部門ではDB Schenker傘下に統合されたDB Schenker・ロジスティクスDB Schenker・レールの部門、及び複合的な輸送を行うインターモーダル部門に分かれた市場に事業を展開していた。2016年には鉄道貨物輸送の事業が分離しDB Schenker・レールはDB Cargoに改称された。

インフラ[編集]

インフラ部門では鉄道インフラ、鉄道駅、エネルギーの部門で分かれている。

工事管理、工事計画、保守を担当するDB Engineering & Consultingもこの部門に属している。2024年1月にDB Netzが合併しDB Station&serviceが合併しDB InfraGOという会社になった。

内部[編集]

  • 理事会
    • リハルト・ルッツ(取締役社長)
    • ベルトルト・フーバー(インフラ部門担当)
    • マルティン・ザイラー(人事・法務部門担当)
    • ダニエラ・ゲルト・トム・マルコッテン(デジタル化、技術担当理事)
    • レーフィン・ホレ(財務責任者兼物流責任者)
    • ジグリト・ニークッタ(DB Cargo担当)
    • ミハエル・ペーターソン(長距離輸送部門担当)
    • エーフェリン・パラ(地域輸送部門担当)

歴史[編集]

背景[編集]

1990年代初頭、ヨーロッパの国鉄、ドイツでは西ドイツ国鉄、東ドイツ国鉄は数十年にわたる鉄道輸送の減少を見直す必要がった。同時に自動車交通のさらなる増加による鉄道利用者の減少も予測していた。このような状況に中で政治家たちは鉄道の回復を求めた。そこで国家による国鉄の独占体制は非効率的であるとみなされた。国有鉄道は国際輸送の増加には対応できなかった。そしてさまざまな国家規格が運営を困難にしていた。ヨーロッパの鉄道の再編は1991年に採択されたEUの指令によって始まった。鉄道は国有から企業に移行し、鉄道網は競合他社に開放され、インフラ部門などが分離され鉄道事業者間で競争が行われることになった。新規に設立されたドイツ鉄道は顧客志向、市場志向で運営されリ植木を生み出すことが期待されていた。

鉄道改革[編集]

ドイツでは1993年に西ドイツ国鉄だけで79億ユーロの損失を出した。さらに東ドイツ国鉄も統合しなければならなかった。鉄道改革の第一段階で、西ドイツ国鉄は東ドイツ国鉄と合併、1994年1月1日に連邦鉄道資産となり、ドイツ鉄道が発足し鉄道資産が移管された。

会社の設立証書は1994年1月1日にベルリンの公証人役場で署名された。1994年1月10日に旧東西ドイツ国鉄の合併の式典がベルリン東駅で行われた。

合理化と近代化のために、DBは従業員数を削減した。1996年1月1日に地域輸送が地域化された。地域輸送の事業は各州に移管されたため、各州は連邦資金で交通サービスを発注した。1999年1月1日に鉄道改革の第二段階として、長距離輸送、地域輸送、貨物輸送、インフラなどの各部門が、透明性を高めるため公開有限会社に移行された。第三段階として2002年にすべてを統合していた持ち株会社を解体することが計画された。

1998年5月24日にハノーファー=ベルリン高速線が開業しベルリンとドイツ西部及び南部の多くの都市の所要時間が4分の3に短縮された。

2002年には、1991年に分離独立したシュティンネスからシェンカーの株式の過半数を取り戻した。2002年12月15日のダイヤ改正に伴い、他にもさまざまな変更が実施された。例えば、新しい運賃制度や45000人の顧客担当従業員に新しい制服が与えられた。同時にインターシティ・エクスプレス7系統がケルン=ライン/マイン高速線経由となった。2003年8月1日に長距離輸送の乗客数が少し減少したことを受け、運賃が再改定された。

2003年7月初頭にDB EnergyDB FleetDB ServicesDB TelematicsHeavy Vehicle Maintenance'が統合されサービス部門が設立された。

DBの創立10周年記念式典で成功を称えたにもかかわらず、交通政治家たちは異なる結論を下した。連邦政府が投資とインフラにのみ介入し、日常業務はドイツ鉄道に任せたことが成功とされた。ドイツ鉄道は競争相手も増え、補助金なしで運営していた。しかし、公共部門は地方交通サービスの発注とインフラの維持・拡張のために年間約100億ユーロを支払っていた。貨物輸送と旅客輸送は伸びたが、鉄道貨物輸送は低下し、旅客輸送では、多額の補助金が投入された地方輸送にもかかわらず、わずかな増加にとどまった。その結果、より多くの公共交通を鉄道に移行させるという鉄道改革の目的は達成されなかった。スイス連邦鉄道(SBB)の元トップであり、国際鉄道連合(UIC)の会長であるベネディクト・ヴァイベルは、「1990年代の自由化と規制緩和の波」を、ドイツ鉄道を危機に陥れた「悲惨な発展の最初の火種」という見解である。ドイツ鉄道のインフラは、検査と更新が何十年もの間、放置されてきた結果、今や検査が必要な状況であるとされている。

投資と開発[編集]

2007年6月から2012年までDBはヨーロッパの高速鉄道ブランドのタリスの株式を10%保有鵜していた。2007年7月10日からDBとフランス国鉄(SNCF)は共同でフランクフルト・アム・マインミュンヘンまたはシュトゥットガルトからパリまでのTGVとICEの運行を開始した。

2010年3月、DBは上場しているイギリスの運行会社のアリーヴァに対する29億ユーロの公開買収を発表した。買収は2010年8月27日に完了した。欧州委員会は以前に条件付きでこの買収を認めた。

2011年以降、DBは株式の所有者(連邦政府)に年間約5億ユーロの配当を行っている。報道記事によると、連邦政府はDBグループの財政難を防ぎ、その見返りとしてDBに対するより大きな影響力を確保するために、DBに24億ユーロを提供することを望んでいた。当初は予算から10億ユーロの投資が計画されていた。その結果、連邦政府は年間3億5000万ユーロの配当を4年間免除することになった。

エーベンスフェルトエアフルトを結ぶ新線(エルスタースドルフ=ライプツィヒ高速線)はベルリン、ハレ/ライプツィヒニュルンベルクミュンヘンを1~2時間ほど短縮した。

2019年9月から発表された「気候保護プログラム」の一環として連邦政府は2020年から2030年までにDBに毎年10億ユーロを投資すると発表した。2024年初頭に発表された計画によると、ドイツ鉄道の投資需要を補うため、連邦予算からの出資は合計200億ユーロの増資がされる。2024年と2025年には、それぞれ55億ユーロが計上される。それで連邦政府はドイツ鉄道の株式を売却する予定である。

コロナウイルスのパンデミックの結果、DBグループは2020年6月までに37億ユーロの損失が出て、2020年末までにさらに同じ額の損失が出ると予測された。グループの負債は現在300億ユーロに上る。連邦政府はDBに約67億ユーロの支援金を検討している。EUによる援助と増資の承認は保留中である。グループの負債総額は2021年に291億、2022年に288億ユーロに減った。

2024年9月初頭、DBはデンマークの物流会社DSVへDB Schenkerの売却を発表した。

鉄道インフラの発展[編集]

2004年12月12日、改良されたベルリンからハンブルク間の最高速度が230㎞に引き上げられ運行が開始された。全長286㎞の所要時間はが1時間半に短縮された。この路線の旅客駅はその後数か月で利用者が増大した。南北本線のような新線は2006年5月の小規模なダイヤ改正で合計6つの新駅(ゲズントブルンネン駅ベルリン中央駅など)を伴って運行を開始した。ベルリンの新鉄道ジャンクションが開通し、ベルリン-ハレ/ライプツィヒ間の最高速度が200㎞に引き上げられ、ニュルンベルク-インゴルシュタット間の高速線(ニュルンベルク=インゴルシュタット高速線)が開通し、多くの区間の所要時間が短縮された。2006年12月のダイヤ改正で、ミュンヘン-ニュルンベルク-ライプツィヒ-ベルリン-ハンブルクとミュンヘン-ニュルンベルク-フランクフルト-ケルンな各主要都市を結ぶのICEが1時間に1本運行されるようになった。またニュルンベルク-ミュンヘン間とフランクフルト-ケルン間では30分おきに運行されるようになった。

2021年に連邦政府が締結した合意によってDBの既存の鉄道インフラの改革をすることに合意した。

その結果DB NetzDB Station&Serviceが2024年1月1日に合併され、公益を目的とするインフラ部門のDB InfraGOが設立され、DBグループとして存続することになった。この新しいインフラ会社の余剰金はそのまま残り、ドイツの鉄道網の改修工事と拡張に使われる。これは鉄道会社間の競争を強化することを目的としている。

統計情報[編集]

ドイツでは一日平均約4万本の列車が走っている。その大部分がDBグループの鉄道会社が運行している。ドイツの鉄道ネットワークはスイスのSBBネットワーク、チェコČDネットワーク、ベルギーSNCBネットワークに次いでヨーロッパで4番目に鉄道密度が高い。

2019年にDBの長距離列車を長距離列車の利用者は1億5070万人だった。長距離列車の利用者は2024年には1億8000万人を上回ると予想されていた。

DB独自の算出によると。2020年のDBの定時運行率は95.2%である。同社の定義では時刻表による時刻の6分以上の遅延が遅延と見なされているう~ん、これは甘い。

列車一覧の項目[編集]

外部リンク[編集]

関連項目[編集]