C・W・ニコル
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クライヴ・ウィリアム・ニコル(Clive William Nicol, MBE、1940年7月17日 - 2020年4月3日)は、イギリス生まれの日本の作家、環境保護活動家。キラメッセ室戸鯨館館長。血液型AB型。妻は、作曲家で日本画家のニコル麻莉子(1980年に結婚)。1995年に日本国籍を取得し、本人の言によれば「ウェールズ系日本人」。日本における戸籍名はニコル シーダブリュー。
経歴[編集]
1940年にウェールズで生まれる。17歳のときにカナダに渡り、海洋哺乳類の調査研究に従事する。北極の探検にも10回以上出かけている。1960年代に空手の修行のために来日したのが日本との初めての関係であった。この際に日本の自然に魅了されたとされ、1980年に長野県に移住している。
執筆活動をしながら、長野県内の荒廃した里山を購入して間伐し、「アファンの森」と名づけて再生活動を進めた。2002年に森の再生活動を全国展開するため、財団を設立した。
2011年に東日本大震災が起こり、津波被害を受けた宮城県東松島市で高台に小学校を再建する事業を支援し、子供たちが支援の大切さを学べる木造校舎や周辺の森作りなどに尽力した。
著書に「勇魚」「風を見た少年」「誇り高き日本人でいたい」「鯨捕りよ、語れ!」など多数。2005年にはイギリスの名誉大英勲章を受けている。
2020年4月3日午前10時57分、直腸癌のため、長野県長野市の病院で死去した。79歳没。
主要な委員就任経歴[編集]
- 国際松濤館空手道連盟顧問(1993年 - )
- 財団法人屋久島環境文化財団特別顧問(1993年 - )
- 内閣官房「21世紀地球環境懇談会」委員(1994年)
- 学校法人東京環境工科学園理事・実習場長(1995年 - )
- 内閣官房「子どもの未来と世界について考える懇談会」委員(1997年)
- 内閣府「未来生活懇談会」委員(2002年)
- 東京都 エコツーリズム・サポート会議委員(2003年 - )
- 環境省 エコツーリズム推進会議委員(2003年 - )
- 東京都「花粉の少ない森つくり委員会」委員(2004年 - )
- 京都大学フィールド科学教育センター社会連携教授(2005年 - )
- 国際森林年国内委員会委員(2010年)に任命される[1]。
- 長野県森林大使(2011年 - )
- 林野庁・木材ポイント大使(2014年)
- エチオピア・シミエン山岳国立公園(世界自然遺産)親善大使(2014年)
主要な著作[編集]
- たぬき(TANUKI、作・英語:C. W. Nicol、日本語:定村忠士、音楽:林光、絵:梶山俊夫、ラボ教育センター、1970年)[2]
- すてきなワフ家(The Wonderful Wuffs、作・英語:C. W. Nicol、音楽:嵐野英彦、絵:永田竹丸、ラボ教育センター、1970年)[3]
- ゴロヒゲ平左衛門・ノミの仇討ち(The Unusual Revenge of GOROHIGE HEIZAEMON、作・英語:C.W.ニコル、日本語:定村忠士、音楽:田中正史/斎藤恒夫、絵:井上洋介、ラボ教育センター、1971年)[4]
- C.W.ニコルのフォークソング(There Were Singing Folk 作・構成: C. W. ニコル、ラボ教育センター、1971年)[5]
- From the Roof of Africa (Knopf 1972年)[6]
- Moving Zen: One Mans Journey to the Heart of Karate (The Bodley Head Ltd 1975)[7]
- ドゥリトル先生 海をゆく(The Voyages Of Doctor Dolittle 再話:C.W.ニコル、音楽:佐藤允彦、絵:靉嘔、ラボ教育センター、1977年)[8]
- 国生み(The Birth of Land、英語: C.W.ニコル/再話:らくだ・こぶに、音楽:間宮芳生、絵:高松次郎、ラボ教育センター、1979年)[9]
- ティキシィ (松田銑、藁科れい訳 角川書店 1979年 のち文庫)
- りんごの花さく湖 (五木寛之訳 偕成社 1980年)
- 冒険家の食卓 (松田銑訳 角川書店 1981年 のち文庫)
- 冒険家の森〜サバイバル技術教書〜 (田渕義雄訳 クロスロード 1982年)
- バーナード・リーチの日時計 青春の世界武者修行 (松田銑訳 角川選書 1982年)
- ぼくのワイルド・ライフ (竹内和世訳 クロスロード 1983年 のち集英社文庫)
- 北極探険十二回 (竹内和世訳 潮出版社 1984年 のち新潮文庫)
- C.W.ニコルの青春記 1 - 2 (竹内和世訳 集英社 1984年 - 1985年 のち文庫)
- 開高健とC.W.ニコルの野性の呼び声 (集英社 1984年 のち文庫)
- 風を見た少年(クロスロード、1984年 のち講談社文庫 ISBN 4-906125-08-5)
- ザ・ウィスキーキャット (松田銑訳 講談社 1984年 のち文庫ISBN 4-06-201651-6)
- 野性との対話 海の幸・山の幸と共に (蔵野勇訳 講談社現代新書 1985年)
- 小さな反逆者 (鈴木晶訳 福音館書店 1985年 のち講談社文庫 ISBN 4-8340-0394-9)
- ユニコーンとレプラコーン (文研出版(文研子どもランド 1986年)
- おっとっと!チョコチョコくん (藁科れい訳 文研出版 1986年)
- C.W.ニコルの自然記 森と山からのメッセージ (竹内和世ほか訳 実日新書 1986年 のち講談社文庫 ISBN 4-408-30085-3)
- 私のニッポン武者修業 (松田銑訳 角川選書 1986年)
- 勇魚 (村上博基訳 文藝春秋 1987年 のち文庫 ISBN 4-16-309540-3 / ISBN 4-16-309550-0)
- C.W.ニコルの海洋記 くじらと鯨捕りの詩 (竹内和世、宮崎一老訳 実日新書 1987年 のち講談社文庫)
- C.W.ニコルの旅行記 わが地球に-乾杯! (竹内和世、蔵野勇訳 実日新書 1987年 のち講談社文庫)
- C.W.ニコルのいただきます (竹内和世訳 小学館 1987年 のちライブラリー)
- でっかく遊べ C.W.ニコル・柘植久慶の冒険対談 (原書房 1987年)
- C.W.ニコルのわたしの自然日記 (竹内和世訳 講談社 1988年 『C.W.ニコルの自然生活』文庫)
- C.W.ニコルの野性記 生きることそれは冒険 (竹内和世訳 実日新書 1988年)
- 森からの警告 畑正憲vs.C.W.ニコル対談集 (CBS・ソニー出版 1989年)
- Tree (竹内和世訳 徳間書店 1989年 のちアニメージュ文庫)
- 白河馬物語 (村上博基訳 文藝春秋 1989年 のち文庫)
- C.W.ニコルの黒姫日記 (竹内和世訳 講談社 1989年 のち文庫)
- C.W.ニコルのおいしい博物誌 1 - 2 (対談集 清水弘文堂 1989年-1990年)
- C.W.ニコルの森と海からの手紙 (竹内和世訳 講談社 1990年 のち文庫)
- C.W.ニコルと21人の男たち (竹内和世訳 潮出版社 1990年 のち講談社文庫)
- Forest (竹内和世訳 徳間書店 1991年 のちアニメージュ文庫)
- エコ・テロリスト (竹内和世訳 清水弘文堂 1991年)
- 北極カラスの物語 (森洋子訳 講談社 1991年 のち文庫)
- 魔女の森 (今井宏明訳 講談社 1992年 のち文庫)
- 海の狩人 (日本の伝統捕鯨 樋口英夫対談 平河出版社 1992年)
- C.W.ニコルの黒姫通信 (森洋子訳 講談社 1992年 のち文庫)
- Whisky C.W.ニコルのスコットランド紀行 (森洋子訳 徳間書店 1993年)
- Letters 赤鬼からの便り (森洋子訳 徳間書店 1993年)
- 陸軍少佐夫人 (鈴木晶訳 集英社 1993年)
- Mogus わが友モーガス (竹内和世訳 小学館 1993年)
- 白い雄鹿 (竹内和世訳 講談社文庫 1994年)
- C.W.ニコルの森の時間 (森洋子訳 読売新聞社 1994年 のち中公文庫)
- 帰ってきたtanuki (森洋子訳 実業之日本社 1995年)
- C.W.ニコルのおいしい交友録 (竹内和世訳 清水弘文堂書房 1998年 『C.W.ニコルのアウトドアクッキング』中公文庫)
- 盟約 (村上博基訳 文藝春秋 1999年 のち文庫 ISBN 4-16-363510-6 / ISBN 4-16-363520-3)
- C.W.ニコルの「人生は犬で決まる」 (小学館文庫 1999年)
- 日本まさに荒れなんとす 人を幸福にする「森」と「都市」の思想 (黒川紀章共著 致知出版社 2001年)
- いっときの闇 (太田大八絵 森洋子訳 佼成出版社 2002年)
- 裸のダルシン(小学館 2002年 のち文庫 ISBN 4-09-290331-6)
- 遭敵海域 (村上博基訳 文藝春秋 2002年 のち文庫 ISBN 4-16-321250-7)
- C.W.ニコルのボクが日本人になった理由 今の日本にはじめてやってきたらボクは日本人になっただろうか? (対談 ビオシティ 2002年)
- クリスマスベア (堤江実訳 アートデイズ 2003年)
- しっぽ(アートデイズ 2004年 ISBN 4-86119-025-8)
- 森にいこうよ!(地球絵本)(小学館 2004年 ISBN 4-09-727661-1)
- 魂のレッスン ぼくとモーガン先生の日々 (森洋子訳 日本放送出版協会 2004年)
- 誇り高き日本人でいたい (松田銑、鈴木扶佐子、千葉隆章訳 アートデイズ 2004年 ISBN 4-86119-030-4)
- 特務艦隊 (村上博基訳 文藝春秋 2005年 のち文庫 ISBN 4-16-324000-4) 『勇魚』『盟約』『遭敵海域』『特務艦隊』は連作
- ことばと自然 子どもの未来を拓く (鈴木孝夫共著 アートデイズ 2006年)
- はだかのダルシン(DURSHYN, THE NAKED PRINCE 英語:C.W.ニコル/鈴木小百合、日本語:森洋子/三輪えり花/ラボ教育センター、音楽:Adrian C. Duncan/C.W.ニコル/Cristopher L.Gordon/間宮芳生、 絵:Susan A. Point/Richard Villeneuve/永山裕子、ラボ教育センター、2006年)[10]
- 鯨捕りよ、語れ! (森洋子、栗原紀子訳 アートデイズ 2007年 ISBN 978-4-86119-089-6)
- マザーツリー 母なる樹の物語(静山社 2007年 ISBN 4-915512-62-2)
論文[編集]
CD[編集]
- Sail Down the River EMIミュージック・ジャパン (1991/11/20)
- ウィスキー EMIミュージック・ジャパン (1993/10/27)
CM出演[編集]
テレビドラマ[編集]
映画[編集]
- バス (1987) - 出演
- 宮沢賢治 名作アニメシリーズ 風の又三郎 (1988) - ナレーター
- 風を見た少年 (2000) 原作
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ↑ 財団の歩み2018/11/4閲覧
- ↑ Labo Library「たぬき」2018/11/4閲覧
- ↑ Labo Library「すてきなワフ家」2018/11/4閲覧
- ↑ Labo Library「ゴロヒゲ平左衛門・ノミの仇討ち」2018/11/4閲覧
- ↑ Labo Library「C.W.ニコルのフォークソング2018/11/4閲覧
- ↑ Amazon.com・From the Roof of Africa2018/11/4閲覧
- ↑ Amazon.com・Moving Zen2018/11/4閲覧
- ↑ Labo Library「ドゥリトル先生 海をゆく」2018/11/4閲覧
- ↑ Labo Library「国生み」2018/11/4閲覧
- ↑ Labo Library「はだかのダルシン」2018/11/4閲覧
関連項目[編集]
- D.W.ニコルズ
- 日本の秘境100選
- ラボ・パーティ
- いのちの響 - TBS
- 神道
- 神道の緑性
- 旭化成ホームズ - ゴールデンウィーク期間に名前をもじったG.W.ニコル役としてCMに出演している。
- 松濤館流 - 所属する空手の流派
- 日本空手協会
外部リンク[編集]
- C.W.ニコル公式ホームページ
- (財)C.W.ニコル・アファンの森財団
- C.W.ニコル・アファンの森財団 - Facebook
- (株)アートデイズ - 作家C・Wニコルの著作権代理法人
- C.W.ニコルコラム&インタビュー