鈴木孝夫

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

Wikipedia-logo.pngウィキペディアの生真面目ユーザーたちが鈴木孝夫の項目をおカタく解説しています。

鈴木 孝夫(すずき たかお、1926年大正15年〉11月9日 - 2021年令和3年〉2月10日)は、日本言語学者評論家慶應義塾大学名誉教授。(財)日本野鳥の会顧問。谷川雁研究会特別顧問。国際文化フォーラム顧問。専攻は言語社会学。

略歴[編集]

東京府出身。慶応大学文学部で言語哲学者の井筒俊彦に師事。アメリカエール大学など欧米諸国の大学で研究を重ね、客員教授となる。慶応大学で教授を、杏林大学で教授を務めた。

昭和48年(1973年)に著書「ことばと文化」を刊行したが、この際に言語が文化や社会構造に規定されていることを論証し、日本語と日本文化の特質をわかりやすく示し、ロングセラーとなった。他にも多くの著書を出している。単に言葉だけではなく、環境保全を訴える論客としても活躍し、日本野鳥の会顧問を務めている。

令和3年(2021年)2月10日午後9時12分、老衰のため、東京都渋谷区高齢者施設で死去した。94歳没。

著書[編集]

  • 『鈴木孝夫著作集』(全8巻:岩波書店、1999-2000年)
  1. 『ことばと文化 私の言語学』
  2. 『閉された言語 日本語の世界』
  3. 『日本語は国際語になりうるか』
  4. 武器としてのことば
  5. 『日本語と外国語』
  6. 『教養としての言語学』
  7. 『日本人はなぜ英語ができないか』
  8. 『人にはどれだけの物が必要か』

単著[編集]

  • 『ことばと文化』(岩波新書、1973年) - 重版多数、英語と韓国語でも翻訳出版。
  • 『ことばと社会』(中央公論社〈中公叢書〉、1975年)- 新版刊
  • 『閉された言語・日本語の世界』(新潮選書、1975年、増訂版2017年)- ドイツ語版も翻訳出版
  • 『ことばの人間学』(新潮社、1978年/新潮文庫、1981年)
  • 武器としてのことば 茶の間の国際情報学』(新潮選書、1985年)
  • 『私の言語学』(大修館書店、1987年)
  • 『ことばの社会学』(新潮社、1987年/新潮文庫、1991年)
  • 『日本語と外国語』(岩波新書、1990年)
  • 『人にはどれだけの物が必要か』(飛鳥新社、1994年/中公文庫、1999年/新潮文庫、2014年)
  • 『日本語は国際語になりうるか 対外言語戦略論』(講談社学術文庫、1995年)
  • 『教養としての言語学』(岩波新書、1996年)
  • 『鈴木孝夫 言語文化学ノート』(大修館書店、1998年)
  • 『日本人はなぜ英語ができないか』(岩波新書、1999年)
  • 『英語はいらない!?』(PHP新書、2001年)
  • 『アメリカを知るための英語、アメリカから離れるための英語』(文藝春秋、2003年/『言葉のちから』文春文庫、2006年)
  • 『日本人はなぜ日本を愛せないのか』(新潮選書、2005年)- 問答集
  • 『私は、こう考えるのだが。言語社会学者の意見と実践』(人文書館、2007年)
  • 『新・武器としてのことば 日本の「言語戦略」を考える』(アートデイズ、2008年)
  • 『日本語教のすすめ』(新潮新書、2009年)
  • 『しあわせ節電』(文藝春秋、2011年)
  • 『あなたは英語で戦えますか 国際英語とは自分英語である』(冨山房インターナショナル、2011年)
  • 『日本の感性が世界を変える 言語生態学的文明論』(新潮選書、2014年)
  • 『鈴木孝夫の曼荼羅的世界 言語生態学への歴程』(冨山房インターナショナル、2015年)
  • 『世界を人間の目だけで見るのはもう止めよう』(冨山房インターナショナル、2019年)- 講演集

共著・編[編集]

  • 『日本語講座 第4巻 日本語の語彙と表現』編 大修館書店 1976年
  • 朝鮮語のすすめ 日本語からの視点』(講談社現代新書、1981年)- 渡辺吉鎔との共著
  • 『日本・日本語・日本人』(新潮選書、2001年)- 大野晋森本哲郎との共著
  • 『ことばと自然』(アートデイズ、2006年)- C・W・ニコルとの対談共著
  • 『対論 言語学が輝いていた時代』(岩波書店、2008年)- 田中克彦との共著
  • 『下山の時代を生きる』(平凡社新書、2017年)- 平田オリザとの共著
  • 井筒俊彦全集』慶應義塾大学出版会 2013-16年。鳥居泰彦松原秀一と編集顧問

翻訳[編集]

  • エルンスト・ライズイ『意味と構造』研究社出版 1960年。講談社学術文庫、1994年

関連文献[編集]

  • 池田雅之、滝澤雅彦編集 『比較文化のすすめ 日本のアイデンティティを探る必読55冊』早稲田大学国際言語文化研究所。2012年 ISBN 978-4-7923-7095-4
  • 矢崎祥子 『言語生態学者 鈴木孝夫』冨山房インターナショナル 2014年 ISBN 978-4-905194-83-5

研究誌[編集]

  • 鈴木孝夫研究会編 『鈴木孝夫の世界〜ことば・文化・自然〜 第1集』 冨山房インターナショナル、2010年10月、ISBN 4902385953
  • 鈴木孝夫研究会編 『鈴木孝夫の世界〜ことば・文化・自然〜 第2集』 冨山房インターナショナル、2011年7月、ISBN 4905194164
  • 鈴木孝夫研究会編 『鈴木孝夫の世界〜ことば・文化・自然〜 第3集』 冨山房インターナショナル、2012年4月、ISBN 4905194369
  • 鈴木孝夫研究会編 『鈴木孝夫の世界〜ことば・文化・自然〜 第4集』 冨山房インターナショナル、2012年10月、ISBN 4905194466

雑誌[編集]

外部リンク[編集]

脚注[編集]

[ヘルプ]