五木寛之

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五木寛之(いつき ひろゆき、1932年9月30日- )は、日本の作家・日本芸術院会員。

人物[編集]

福岡県生まれ。旧姓・松延。早稲田大学文学部露文科中退。同期に三木卓らがいた。テレビ、広告などの仕事をへて、1966年「さらば、モスクワ愚連隊」で小説現代新人賞を受賞、直木賞候補になる。同年下期「蒼ざめた馬を見よ」で直木賞受賞。同作はパステルナークノーベル賞辞退事件を題材にしているが、立場はソ連寄りのように見える。その後ヨーロッパを舞台としたロマンティックな作品で一世を風靡する。早大の先輩である尾崎士郎の『人生劇場』に倣った自伝的長編『青春の門』を書き継いでいるがいまだ完結していない。同作で1976年、吉川英治文学賞受賞。2002年、菊池寛賞受賞。『ソフィアの秋』『凍河』『四季・奈津子』『戒厳令の夜』『風の王国』などがあり、エッセイ『大河の一滴』はベストセラーになった。

1975年から直木賞選考委員を務めるが、2009年、受賞した佐々木謙の作品にある言葉への疑義を選評で呈したところ、そのような言葉はないことが分かり、委員を辞任した。

石川県の大物の娘を妻としており、その関係で石川県に設立された泉鏡花文学賞において長く選考委員を務めている。また同県との縁の深さから親鸞に傾倒しており、2010年『親鸞』で毎日出版文化賞特別賞を受賞。2023年には日本芸術院会員に選ばれた。