賀茂別雷神社
賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)は、京都府京都市にある神社。世界文化遺産に登録されている。通称は上賀茂神社(かみがもじんじゃ)、または上社。国宝2棟、重要文化財41棟を有する。雷(いかづち)の神威によって厄を祓う、厄除とする守護神である。
歴史[編集]
創建年代は明確ではないものの、京都最古の歴史を持つといわれる。社伝では白鳳6年(678年)、加茂神社が創建されたことが始まりとされる[1]。784年(延暦3年)、第1回式年遷宮として下賀茂神社とともに従二位の神位が授与された。延暦13年(794年)、平安京への遷都のとき、桓武天皇が行幸し、王城鎮護(鴨川を鎮める)の役を担う重要な神社とされた。『延喜式』では名神大社に列した。807年(大同2年)5月に賀茂別雷神社は神階正一位とされた(賀茂御祖神。別雷神並奉授正一位)[2]。長元9年(1036年)、21年ごとにその社を新しくする式年遷宮が確立された。建武元年(1334年)、後醍醐天皇が行幸する。永享10年(1438年)、本殿・諸社殿が消失。天正19年(1591年)、豊臣秀吉により遷宮。昭和28年(1953年)、本殿・権殿が国宝となる。江戸時代の徳川氏は家紋の三ツ葉葵が、賀茂別雷神社の神紋二葉葵と関係があるとして信仰を深めた[3]。
5月の葵祭(賀茂祭)は祇園祭(7月)、時代祭(10月)と合わせて京都三大祭りと称される。葵祭の起源は、欽明天皇(在位539年~571年)の頃と言われる。三大祭りの中では最古の歴史をもつ。平安貴族の衣装で、京都御所から下賀茂神社を経て、上賀茂神社まで、休憩をはさんで計約2時間練り歩く[4]。
平成6年(1994年)12月、「古都京都の文化財」が世界遺産登録され、その中に賀茂別雷神社が含まれた[5]。
賀茂別雷神社文書には古文書と日記・記録類が保存されている[6]。
概要[編集]
- 名称:賀茂別雷神社(通称 上賀茂神社)
- 御祭神:賀茂別雷神
- 所在地:京都府京都市北区上賀茂本山339
- 参拝時間:5時30分から17時まで
- 交通:京都駅より京都市営バス、4番(上賀茂神社行き)下車、地下鉄北大路駅から徒歩30分。
- 主な祭典
国宝[編集]
- 本殿:1863年(文久3年)の式年遷宮により建造された。昭和28年(1953年)3月31日指定。本殿流造、桧皮葺。
- 権殿::1863年(文久3年)の式年遷宮により建造された。昭和28年(1953年)3月31日。
発掘調査[編集]
発掘調査資料は「史跡賀茂別雷神社境内」として公開されている[7]。
参考文献[編集]
- ↑ 賀茂別雷神社
- ↑ 『日本紀略』大同2年5月庚寅(3日)条
- ↑ 上賀茂・下鴨神社と葵祭 ~賀茂氏とフタバアオイの謎~BS朝日,2012年6月5日・12日放送
- ↑ 風雅な王朝行列 葵祭
- ↑ 世界文化遺産 古都京都の文化財 一覧
- ↑ 賀茂別雷神社文書
- ↑ 史跡賀茂別雷神社境内京都市埋蔵文化財研究所発掘調査報告,2011年