西ノ島町
西ノ島町(にしのしまちょう)は、島根県隠岐郡の町。隠岐諸島の西ノ島からなる。隠岐郡内では隠岐の島町に次いで2番目に面積の大きな町である。
概要[編集]
島前の西ノ島を町域とする町である。もともとは黒木村並びに浦郷町という三田郷と宇良郷の地で、明治37年(1904年)に黒木は村制を施行した。黒木というのはかつて鎌倉幕府を討幕しようとして失敗した後醍醐天皇が隠岐に流された際に行在所が置かれた地名にちなんでのものである。浦郷町は明治37年(1904年)に村制が敷かれて浦郷村となった後、戦後の昭和21年(1946年)に町制が敷かれて浦郷町となった。そして昭和32年(1957年)2月、この黒木村と浦郷町が合併したことにより、1島1町の西ノ島町が誕生したのである。
海岸線は四方に入り組んで高低の起伏が著しいが、隠岐の他の島に較べると全体的に開発が進められて65パーセントは耕地化されている。ただし大部分は畑であり、主食の7割は本土からの輸入に頼っている。つまり、西ノ島町で行なわれている農耕は知夫村と同じ牧畑耕作であり、国賀の台地面を利用して行なわれていた。ただし最近は普通の放牧も盛んに行なわれており、この畜産が町の経済を支えているひとつになっている。
主産業は農業や畜産より漁業であり、島後の西郷港と並ぶ浦郷港を拠点に島根県内では浜田市に次ぐ水揚げ量を誇っている。
観光地としては町域の海岸部の大半が大山隠岐国立公園に含まれており、古くから漁業関係者の信仰を集めている焼火神社、流罪にされていた後醍醐天皇の黒木御所跡、オオミズナギドリの繁殖地星神島、さらに景勝地である国賀海岸などがある。これらを生かして設備を整備した外浜海水浴場や耳浦キャンプ場も開かれており、島の周辺は磯釣りなどの釣り場にも恵まれ、釣り船や遊漁船も数多く出ている。ただし、このように水産業や畜産業、観光業などの地場産業が盛んになっているものの、過疎化の傾向も著しい。