異種併結

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
京王7000系と9000系の異種併結

異種併結(いしゅへいけつ)とは、性能や形態などの異なる鉄道車両同士を連結すること。

概要[編集]

近年のほとんどの電車や気動車は2両以上での連結運転を前提に設計・製造されている。同じ性能・形態同士の車両が連結されると運用上の都合も良いが、時代の変化により当然そのような状態が長く続くわけではない。

そこで最低限の部分だけ揃えて異なる車両同士を連結させるという方策が多くの鉄道会社にて取り入れられている。特に日本の電車もしくは気動車ではマスコンの形態が統一されており、制御装置が異なっても併結する事例が多い。
他方、電車と気動車の併結は、気動車の機関や電車のモーターの出力と牽引力の特性が異なるため、気動車特性を電車特性に翻訳するDCSの技術が確立するまで、気動車を付随車のように機関を止めて運用せざるを得なかった。

理論上、ブレーキ制御方式と連結器の形状が合っていれば併結運転は可能である。

各社の事情[編集]

この節は執筆の途中です この節はまだ執筆途中です。加筆、訂正して下さる協力者を募集中!

ここでは現在・過去を含め増解結を行わない会社については取り上げない。

JR北海道[編集]

721系以降の電車では異種併結は頻繁に行われ、特に731系については液体式気動車のキハ201系との併結も行う。

気動車の方では、電気式のH100形以外は互いに併結が可能であるが、キハ40のみ最高速度が95km/hに制限される。

JR東日本[編集]

2021年現在の定期運用でも異種併結を行うのは以下の車種に限られる。

JR東海[編集]

117系・119系の全廃後、電車については併結の制約が全くなくなった。しかし315系の8両固定編成には電気連結器を持たず、非常時以外の併結は行わない。

一方、気動車についてはその他走行システムの問題もあり、JR以降の気動車の相互併結は不可能である。

JR西日本[編集]

当然のごとく、国鉄型とJRの新車の併結は不可能である。また、221系225系については制御回路が異なり併結できないという制約が存在する。

なお、「エーデル丹後」や「ゆうとぴあ和倉」で実施されたエンジン無動力の気動車と電車の混結(ブレーキのみ協調)は、1999年10月ダイヤ改正で「タンゴディスカバリー」が系統変更したため終了した。

JR四国[編集]

岡山地区では西日本の223系5000系の併結が見られる。逆にこれらは6000系の辺りとの併結はできないが、6000系・7000系・7200系は4両までなら併結運用が存在する。

一方、特急型車両については全車の異種併結が不可能である。気動車については1500形と1200形、および1000形と土佐くろしお鉄道9640形、さらにはキハ185系3000番台グループやキハ32やキハ40やキハ54の併結が可能である。

JR九州[編集]

現存する一般型交流電車の中では415系、713系とBEC819系以外のすべての車両の異種併結が可能。BEC819系は817系との併結に限られる。

気動車については国鉄型とキハ125の併結が可能である他は異種併結が不可能。但し、キハ183系は過去に485系電車と併結し、JR初の電車と気動車の協調運転を行ったことがある。

京成電鉄[編集]

赤電については互いの併結が可能であった。逆に電気指令式ブレーキを採用した3600形以降は固定編成が前提となり、併結は行わない。

厄介なのは3500形で、ブレーキ方式が電磁直通ブレーキであるにもかかわらず、その他のシステムが異なることから、赤電とはもちろんのこと、未更新車と更新車の併結も不可能となっていた。

京浜急行電鉄[編集]

2016年の2000形4連全廃以降は併結の制約が全くなくなったが、6連については電気連結器がないため併結は行わない。それまでについては、2000形の4連同士や、2000形4連とそれ以外の4連との併結ができなかった。2012年までは旧1000形も在籍していたが、これと800形以降の電気指令式ブレーキ車両との併結もできなかった。

小田急電鉄[編集]

8連運用が開始された際、初代4000形1800形の異種併結を開始したが、その4年後に脱線事故が相次ぎ取り止めになった。

その後、2600形については当初制御装置が特殊であったがゆえに単独運用に就いていたが、10連運用が開始された際に2400形や5000形などとの高性能車との併結が開始された。しかし、連結する方向に制約はあった。

初代4000形の高性能化以降は制約がほとんど無くなり、VVVF車の1000形が登場した際には電磁直通ブレーキを引き続き搭載するなど、併結を前提とした仕様になった。

3000形の6連が登場した際にはブレーキ読替装置が本格的に搭載され、電制をもたない4000形との併結も日常的に行われた。

その後、8000形と1000形の4連にリニューアルが行われたが、読替装置は搭載されず、さらに1000形更新車の4連は3000形初期車との併結も行わないようになってしまっている。

京王電鉄[編集]

初代5000系には吊り掛け駆動とカルダン駆動が混在したが、両者の併結は頻繁に行われた。

6000系以降についてはブレーキ方式が電気指令式ブレーキに統一され、6000系と7000系は性能上同一であること、9000系は読み替え装置を搭載することからこれらについては頻繁に併結を行っている。

江ノ島電鉄[編集]

ブレーキ方式を電気指令式ブレーキに統一して以降、異種併結は何でもありになっており、運用上の制約が全くなくなった。

名古屋鉄道[編集]

ブレーキ方式によって併結可能な車両が分けられているが、1000系性能の2代目5000系と6000系列については歯車比が異なるため本線上での併結は行わない。

近畿日本鉄道[編集]

もはや何でもあり。自動空気ブレーキ車、および常用自動空気ブレーキ併設の800系820系が本線上から全廃となった後、3000系のみブレーキ方式が異なり、併結できなかったが、3000系の電磁直通ブレーキへの改造でこの制約はなくなった。また、昭和末期における名古屋線の1000系1810系などについては駆動方式が異なるにもかかわらず併結運用がわずかながら行われた。

シリーズ21の登場時に電気指令式ブレーキが本格導入されたが、3220系を除きブレーキ読み替え装置を搭載し、異種併結は頻繁に行われている。

特急については電気指令式ブレーキが22000系の時点で導入されたが、この時点でブレーキ読み替え装置も採用され、異種併結が何でもありになっている。

中には近鉄FC92編成のように編成内での混結がある編成も存在する。

高松琴平電気鉄道[編集]

やりすぎの例。かつては車両が他社から入線する度に機器一式を丸ごと取り替えて性能を統一していたが、現在ではブレーキ方式を電磁SME、マスコンをHL用に取り替えて異種併結を可能としている。1300形のみはこの改造を行っていないため併結自体を行わない。

西日本鉄道[編集]

6000形以降では、6000形、6050形、7000形以外の併結は営業運転で行わない。

関連項目[編集]