夏木陽介
夏木 陽介(なつき ようすけ、1936年(昭和11年)2月27日 - 2018年(平成30年)1月14日)は、日本の俳優、ラリードライバー。本名:阿久沢 有(たもつ)。株式会社夏木プロダクション代表取締役社長(2014年まで)、オフィス夏木(2015年から)所属。本名は阿久沢 有(あくざわ たもつ)[1]。
来歴・人物[編集]
東京都生まれ[1]。明治大学在学中にスカウトされ、1958年に東宝に入社。同年の「密告者は誰か」の主役で映画デビューする[1]。石原慎太郎監督の「若い獣」などに出演し、1965年には日本テレビ系の学園ドラマである「青春とは何だ」で主演の熱血教師役を務めて人気を得た。以後も多くのドラマに出演して型破りな武勇伝を披露して話題になった[1]。渋みのある2枚目俳優として人気は高かった。
1982年に個人事務所・夏木プロダクションを設立して賀来千香子や西村和彦を育てた。スポーツマンとしても知られ、1985年から翌年にかけてはパリーダカール・ラリーにドライバーとして出場し、1987年から1993年までは篠塚建次郎が所属したチーム三菱・シチズン夏木の監督を務めた[1]。
2017年10月2日、肺炎のため入院し、10月14日に退院する。11月25日に自宅でストレッチ中に体力が入らずに床に倒れてしまったので、翌日に病院に赴いてそのまま入院となる[1]。11月29日に胸椎の癌であると診断されたが、入院中も普通に食事をして見舞客にも冗談を言うなど、非常に元気で仕事復帰を目指していたという[1]。しかし年末の12月27日に突然意識を失って集中治療室に入り、その後も意識が戻らず、年が明けた1月14日午前10時46分に腎細胞癌のため東京都内の病院で弟らの親族に見守られながら死去したという[1]。81歳没[1]。
私生活では独身を通したため[1]、子女はいない。また、最後のテレビ出演は2016年のBSジャパンの「高将の名言」であった[1]。
出演[編集]
映画[編集]
- 美女と液体人間(1958年6月24日) - アベックの男
- 若い獣(1958年7月12日) - 選手
- 青春白書 大人は分からない(1958年11月11日)
- 密告者は誰か(1958年11月18日)
- 若旦那は三代目(1958年12月14日)
- 暗黒街の顔役(1959年1月15日)
- 大学のお姐ちゃん(1959年3月3日)
- 狐と狸(1959年4月28日) - 三郎
- 大学の28人衆(1959年6月28日)
- 青春を駆けろ(1959年7月28日)
- 若い恋人たち(1959年10月6日)
- 独立愚連隊(1959年10月6日) - 丹羽少尉
- 恐るべき火遊び(1959年11月15日)
- 爆笑水戸黄門漫遊記(1959年12月13日)
- 暗黒街の対決(1960年1月3日)
- 侍とお姐ちゃん(1960年1月9日)
- 山のかなたに(1960年2月2日)
- 国定忠治(1960年3月29日)
- ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐(1960年4月26日) - 北見中尉
- ふんどし医者(1960年8月14日)
- 大空の野郎ども(1960年8月21日)
- 新女大学(1960年8月28日)
- 秋立ちぬ(1960年10月1日)
- サラリーマン忠臣蔵(1960年12月25日)
- 大坂城物語(1961年1月3日)
- 若い狼(1961年2月8日)
- 南の風と波(1961年2月14日) - 原順平
- 続サラリーマン忠臣蔵 (1961年2月25日)
- 青い夜霧の挑戦状(1961年3月12日)
- 用心棒(1961年4月25日)
- 断崖の決闘(1961年6月27日)
- 紅の海(1961年8月13日)
- 女ばかりの夜(1961年9月5日)
- ゲンと不動明王(1961年9月17日)
- 夜盗風の中を走る(1961年11月22日)
- サラリーマン清水港(1962年1月3日)
- 女の座(1962年1月14日)
- 続サラリーマン清水港(1962年3月7日)
- 紅の空(1962年3月21日)
- 吼えろ脱獄囚(1962年5月15日)
- どぶ鼠作戦(1962年6月1日) - 関大尉
- 地方記者(1962年10月13日)
- やま猫作戦(1962年10月20日) - 若葉少尉
- 忠臣蔵 花の巻・雪の巻 (1962年11月3日) - 岡野金右衛門
- 暗黒街の牙(1962年12月8日)
- 太平洋の翼(1963年1月3日) - 安宅大尉
- 写真記者物語 瞬間に命を賭けろ(1963年5月22日)
- 青島要塞爆撃命令(1963年5月29日) - 真木中尉
- 独立機関銃隊未だ射撃中(1963年7月28日) - 小栗中尉
- 国際秘密指令 指令第8号(1963年8月31日)
- のら犬作戦(1963年9月29日) - 祭文礼
- われらサラリーマン(1963年11月24日)
- 士魂魔道 大龍巻(1964年1月3日)
- 今日もわれ大空にあり(1964年2月29日) - 小村二尉
- 蟻地獄作戦(1964年4月29日) - 天道二等兵
- ひばり・チエミ・いづみ 三人よれば(1964年5月16日)
- 血とダイヤモンド(1964年7月1日)
- 宇宙大怪獣ドゴラ(1964年8月11日) - 駒井
- 三大怪獣 地球最大の決戦(1964年12月20日) - 進藤
- こゝから始まる(1965年4月14日) - 熊本四郎
- 沈丁花(1966年10月1日) - 野村
- これが青春だ!(1966年12月17日) - 由木真介
- 坊っちゃん社員 青春は俺のものだ!(1967年4月1日) - 昭和太郎
- 坊っちゃん社員 青春でつっ走れ!(1967年5月20日) - 昭和太郎
- でっかい太陽(1967年9月15日) - 由木真介
- なつかしき笛や太鼓(1967年9月30日) - 家田徹
- 燃えろ!太陽(1967年12月6日) - 由木真介
- 燃えろ!青春(1968年12月19日) - 須永健介
- 娘ざかり(1969年12月6日)
- おいろけコミック 不思議な仲間(1970年4月29日)
- バツグン女子高校生 16歳は感じちゃう(1970年8月14日)
- 奇妙な仲間 おいろけ道中(1970年10月3日)
- バツグン女子高校生 そっとしといて16歳(1970年11月14日)
- 凄い奴ら(1971年3月6日)
- 女房を早死させる方法(1974年6月1日)
- 童貞(1975年9月20日)
- サーキットの狼(1977年8月6日) - 矢田部行雄
- 将軍 SHOGUN (パラマウント・ピクチャー、1980年11月8日) - 坐滝(虎長の弟)
- ジェラシー・ゲーム(1982年8月6日)
- 刑事物語3 潮騒の詩(1984年7月7日)
- ゴジラ(1984年12月15日) - 林田信
- 海へ 〜See you〜(1988年5月18日) - 三菱シチズン・チーム監督
- 生徒諸君!(1984年12月22日)
- 打鐘(1993年6月26日)
- 億万長者になった男。(1994年11月19日)
- 龍虎兄弟(2002年11月30日)
- ROUND1(2003年3月1日)
- そうかもしれない(2006年9月30日)
- ミスター・ロビンの口説き方<韓国>(韓国公開2006年12月7日、日本公開2007年9月22日) - みつよし会長
- 黒帯 KURO-OBI(2007年)
- 湾岸フルスロットル(2008年) - 黒岩
- 湾岸フルスロットル2 -ネクスト・バトル-(2008年) - 黒岩
- ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発(2008年7月26日) - 鳴海長官[2]
- 湾岸最速バトル<スカイライン伝説>(2009年) - 野中詩朗
- 峠最速バトル<ドリフト86伝説>(2009年) - 野中詩朗
- さくら、さくら 〜サムライ化学者・高峰譲吉の生涯〜(2010年) - 高峰精一
- さよなら夏休み(2010年8月21日)
- キリン<POINT OF NO RETURN>(2012年)-立花-
テレビドラマ[編集]
- 天下を取る(1964年10月-1965年1月、日本テレビ)
- 青春とはなんだ(1965年10月-1966年11月、日本テレビ) - 野々村健介(英語教師)
- 明日をつかめ(1967年1月-3月、日本テレビ) - 伴三郎(外科医)
- 太陽野郎(1967年11月-1968年4月、日本テレビ) - 玄田健介
- 東京バイパス指令(1968年11月-1970年1月、日本テレビ) - 南郷健介警部
- 兄貴の恋人(1970年10-12月、フジテレビ)
- 兄貴の花嫁(1971年1月-3月、フジテレビ)
- 明智探偵事務所(1972年4月-10月、NHK) - 明智小五郎
- 荒野の用心棒(1973年4月-12月、NET) - 秋月左馬之介
- 戦国ロック はぐれ牙(1973年8月-9月、フジテレビ) - 竜の左門
- Gメン'75(1975年-1979年、TBS) - 小田切憲警視
- 江戸の激斗(1979年、フジテレビ) - 町藤太
- 黄金の犬(1980年5月30日-7月25日、日本テレビ) - 安高警部
- 爆走! ドーベルマン刑事(1980年4月-10月、テレビ朝日) - 西谷署長
- 江戸の朝焼け(1980年9月-1981年3月、フジテレビ) - 駒屋惣次郎
- 猿飛佐助 第3話「甲賀忍法 火遁の術」(1980年、日本テレビ) - 赤西弾正
- 竜馬がゆく(1982年1月2日、テレビ東京) - 後藤象二郎
- 徳川家康(1983年、NHK) - 柳生宗矩
- 法医学教室の事件ファイル 第1シリーズ(1992年7月-9月、テレビ朝日) - 高梨浩一
- 女検事の捜査ファイル(1993年10月-12月、テレビ朝日) - 野田警部
- 君が見えない(1994年、関西テレビ) - 長谷部耕一
- 土曜ワイド劇場 (テレビ朝日)
- 「温泉 (秘) 大作戦」(2004年) - 田崎優
- 「家政婦は見た! ファイナル」(2008年) - 中川英男
- アストロ球団(2005年8月-12月、テレビ朝日) - 峠会長
- スシ王子!(2007年7月-9月、テレビ朝日) - 北山鯛造
- ULTRASEVEN X - DEUS司令(声)
- 月曜ゴールデン(TBS)
- 「万引きGメン・二階堂雪」(19)カリスマ風水師・死を呼ぶアクセサリー(2010年5月31日) - 園長・望月一平
その他[編集]
- 世界ウルルン滞在記"ルネサンス"(毎日放送 2008年1月27日) タイ国滞在
- 遠くへ行きたい(読売テレビ、2008年3月16日) 第1897回「オホーツクの町・冬の恵み-北海道網走市〜釧路市」
- 湾岸フルスロットル、2008年(エイベックス・マーケティング)、特別出演
ほか多数
CM[編集]
DVD[編集]
- 宇宙大怪獣ドゴラ 音声特典・オーディオコメンタリー(2005年) - 『ドゴラ』撮影時のエピソードに限らず、(テレビ『青春とはなんだ』『太陽野郎』なども含む)東宝でのキャリア全般にわたる思い出、ラリードライバーとしての活動についてなど、幅広く語っている。
著書[編集]
- 『好き勝手 夏木陽介 スタアの時代』 轟夕起夫編著、講談社、2010年
- 『アソビ半生記 夏木陽介的極楽メモランダム』 近代映画社、1991年
- 『男がひとりでいる理由』 講談社、1988年
- 『サハラ 夏木陽介 '85パリ―ダカールラリー奮戦記』 講談社、1985年