肺炎

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肺炎(はいえん)とは、病理学的には肺胞内惨出液貯留を主病変として間質性の炎症因子の少ないものを肺炎とし、間質性肺炎と区別して用いられるようになってきている。化学療法の発達およびウイルス研究の進歩によって肺炎の臨床像は著しく変化しつつある。現在は原因によって細菌性肺炎マイコプラズマ肺炎ウイルス性肺炎真菌性肺炎に分けられ、頻度の高いものは細菌性肺炎、マイコプラズマ肺炎である。老人の肺炎は致命率が高い。

予防としては上気道感染の予防および早期発見、治療を行なう。症状発熱(錆色が多い)が特徴であるが、老人の場合は典型的な症状が無いことが多く、血液検査(白血球増加)で診断される。また老人は免疫能力や発病に対し、抵抗力が弱くなっているため肺炎にかかりやすい。安静保温栄養水分の補給が大切である。

介護面では安楽な体位(側臥位・半座位など)で安静・保温を図るか、解熱後に徐々に運動を増やしてゆくか、十分な栄養と水分の補給を行なうか、食欲の無いときでも水分が十分取れるように嗜好にあわせて果汁や茶などを与えるか、酸素吸入や抗生物質療法を行なうか、過労を避けるか、老人や臥床している人の嚥下性肺炎・沈下性肺炎の予防に適切な体位変換、食事の介護、清潔な介護を行なうことである。

嚥下性肺炎[編集]

嚥下性肺炎(えんげせいはいえん)とは、長期にわたって臥床の状態にあるとの機能が低下し、排痰能力も低下してくることから肺炎にかかりやすくなる。さらに嚥下機能も低下し、誤嚥から肺炎へと至ることになる。長期臥床によって誤嚥が起こりやすくなる原因は、僧帽筋の萎縮のために頭部が後ろに倒れ、顎が上がる頭部後屈位拘縮によるものであるとされている。高齢者の検死解剖結果から、その6割程度に無症状性の肺炎、つまり少量の誤嚥によって起こる肺炎が見られたとの報告もあり、また介護者が立ったままでの食事介助も誤嚥を起こしやすいとの指摘もある。嚥下性肺炎は適切な解除によって予防できるものであり、介護の質の向上が予防の重点でもある。

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