ヤマカツリリー

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ヤマカツリリー
画像募集中.png
欧字表記Yamakatsu Lily[1]
品種サラブレッド[1]
性別[1]
毛色栗毛[1]
生誕2000年2月15日(24歳)[1]
ティンバーカントリー[1]
リンデンリリー[1]
母の父ミルジョージ[1]
生国日本国旗.png日本北海道厚真町[1]
生産阿部栄乃進[1]
馬主山田博康[1]
調教師松元茂樹栗東[1]
競走成績
生涯成績13戦2勝[1]
獲得賞金1億5962万円[1]
 
勝ち鞍
GII フィリーズレビュー 2003年

ヤマカツリリー(欧字名:Yamakatsu Lily2000年2月15日 - )は、日本競走馬繁殖牝馬。主な勝ち鞍は2003年のフィリーズレビュー

馬名の意味は、冠名ユリ

経歴[編集]

誕生直後は、生産者に牡と見違えるほど骨太の脚、雄大な馬体の持ち主だった[2]。人の手を煩わせるほどではなかったが、時より気性の激しいところを見せていた[2]。競走馬になってからも折り合いを欠く一面を度々見せることとなる[3]。当歳となった2000年セレクトセールに出場し、2310万円で落札された。冠名「ヤマカツ」の山田博康が所有し、栗東トレーニングセンター松元茂樹厩舎から競走馬となった。松元がデビュー前からクラシックを意識するほど高い能力の持ち主だった[4]

競走馬時代[編集]

2002年7月14日小倉競馬場4Rの2歳新馬戦でデビューし2着。3週間後、再び小倉の2歳新馬戦に出走し初勝利を挙げた。続いて11月、市場取引馬及び抽せん馬限定の条件戦に挑んだが敗れて、連勝はできなかった[4]。3戦を消化して1勝に留まっていたが、暮れの2歳女王決定戦である阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)に格上挑戦[4]。笠松競馬所属の安藤勝己とコンビを結成し挑み、11番人気に過ぎなかった[5]。しかし2番手追走から直線で抜け出し先頭となる見せ場を作った[6][7]。外から末脚を発揮して追い込んだ1番人気ピースオブワールドには差し切られたが、それ以外には譲らず、1馬身半遅れた2着を確保した[8][5]

年明け3月16日、クラシック第1弾桜花賞のトライアル競走であるフィリーズレビュー(GII)で戦線に復帰した。笠松から中央競馬へ移籍したばかりの安藤が続投して1番人気で参戦した[9]。好位を追走して直線に向き、同じく好位にいた2番人気3番人気のモンパルナスとレイナワルツと先頭を争った[9]。モンパルナスが先に抜け出していたが、外側から追い込んでクビ差差し切りを果たし、重賞初勝利を挙げた[2][9]

続いてクラシックに参戦した。導いてくれた安藤には、同じトライアル競走のチューリップ賞を優勝に導いたオースミハルカがいたが、こちらを選択していた[10]。2歳女王ピースオブワールドが故障して不在だった桜花賞など牝馬三冠を完走し、すべて5着以内となる活躍を果たした。しかしスティルインラブに三冠すべてかっさらわれて無冠、特に三冠最終戦の秋華賞では、スティルインラブに0.1秒差まで迫ったが、敵わず3着だった[11]。11月のエリザベス女王杯は7着に敗れ、レース後長期休養に入った。

約1年後、2004年11月の霜月ステークスで復帰したが、ブービーの12着。年末の阪神牝馬ステークスも11着惨敗に終わり、この年をもって競走馬を引退した。結局、フィリーズレビューの後は1勝も挙げることはできなかった。2005年1月14日付で競走馬登録を抹消した[12]。通算成績13戦2勝だった[12]

繁殖牝馬時代[編集]

競走馬引退後、鮫川啓一牧場で繁殖入り。その後、社台コーポレーション白老ファームや中原牧場を経て新冠タガノファームで繋養された。

2009年12月26日、初仔のヤマカツハクリュウが2歳未勝利戦を勝ち、産駒初勝利を挙げた。

2020年11月に用途変更され繁殖牝馬を引退。7頭の仔を生産した[13]。現在は功労馬として上富良野町のコバン牧場で繋養されている。

競走成績[編集]

以下の内容は、JBISサーチ[1]およびnetkeiba.com[14]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2002.07.14 小倉 2歳新馬 芝1200m(良) 17 1 2 009.40(3人) 02着 R1:09.3(35.6) -0.3 0金折知則 53 ヤマニンカルフール 468
0000.08.04 小倉 2歳新馬 芝1200m(良) 14 5 8 001.30(1人) 01着 R1:10.4(36.2) -0.3 0金折知則 53 (カルネヴァーレ) 460
0000.11.10 京都 2歳500万下 芝1400m(良) 9 7 7 006.10(3人) 03着 R1:22.8(34.5) -0.4 0池添謙一 53 エースインザレース 462
0000.12.01 阪神 阪神JF GI 芝1600m(良) 18 7 13 048.8(11人) 02着 R1:34.9(35.9) -0.2 0安藤勝己 54 ピースオブワールド 460
2003.03.16 阪神 フィリーズR GII 芝1400m(稍) 16 4 7 003.30(1人) 01着 R1:22.7(36.3) -0.1 0安藤勝己 54 (モンパルナス) 458
0000.04.13 阪神 桜花賞 GI 芝1600m(良) 17 4 7 005.00(3人) 04着 R1:34.3(35.6) -0.4 0安藤勝己 55 スティルインラブ 458
0000.05.25 東京 優駿牝馬 GI 芝2400m(良) 17 6 12 027.40(7人) 04着 R2:27.9(34.4) -0.4 0安藤勝己 55 スティルインラブ 462
0000.08.17 札幌 クイーンS GIII 芝1800m(良) 11 4 4 010.40(4人) 09着 01:49.1(35.3) -1.4 0安藤勝己 52 オースミハルカ 476
0000.09.21 阪神 ローズS GII 芝2000m(良) 12 7 9 012.40(5人) 02着 02:01.7(36.4) -0.2 0安藤勝己 54 アドマイヤグルーヴ 478
0000.10.19 京都 秋華賞 GI 芝2000m(良) 18 7 14 020.00(8人) 03着 R1:59.2(35.3) -0.1 0安藤勝己 55 スティルインラブ 484
0000.11.16 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2200m(良) 15 5 8 022.10(8人) 09着 02:12.3(36.8) -0.5 0安藤勝己 54 アドマイヤグルーヴ 480
2004.11.21 東京 霜月S OP ダ1400m(稍) 13 6 8 018.80(5人) 12着 01:27.5(40.3) -3.9 0木幡初広 55 タイギャラント 480
0000.12.19 阪神 阪神牝馬S GII 芝1600m(良) 16 2 3 051.2(10人) 11着 R1:34.7(35.3) -0.7 0小池隆生 55 ヘヴンリーロマンス 482

繁殖成績[編集]

生年 馬名 毛色 馬主 管理調教師 戦績 出典
初仔 2007年 ヤマカツハクリュウ 芦毛 クロフネ 山田和夫 栗東松元茂樹
→栗東・松田博資
→栗東・福島信晴
33戦7勝(抹消)
2着・新潟ジャンプS(J・GIII)
[15]
2番仔 2008年 ヤマカツクライム 栗毛 ロックオブジブラルタル 栗東・松元茂樹
金沢高橋優子
→栗東・武宏平
16戦3勝(抹消) [16]
3番仔 2011年 ヤマカツサユリ 鹿毛 マンハッタンカフェ 栗東・松元茂樹
→金沢・高橋優子
→栗東・杉山晴紀
29戦6勝(抹消、繁殖) [17]
4番仔 2012年 ヤマカツセレーヌ 栗毛 キングカメハメハ 栗東・松元茂樹
→金沢・高橋優子
→栗東・杉山晴紀
20戦3勝(抹消、繁殖) [18]
5番仔 2016年 ヤマカツライアン 鹿毛 ベルシャザール 栗東・杉山晴紀
→金沢・高橋優子
12戦4勝(抹消) [19]
6番仔 2018年 ヤマカツゴードン 牡→騸 栗毛 オルフェーヴル 山田博康 栗東・大根田裕之
→金沢・高橋優子
不出走(抹消) [20]
7番仔 2019年 ヤマカツブラック 鹿毛 キタサンブラック 山田博康
→山田和夫
栗東・池添兼雄
→金沢・高橋優子
5戦0勝(抹消) [21]

血統表[編集]

ヤマカツリリー血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ウッドマン系

*ティンバーカントリー
栗毛 1992
父の父
Woodman
栗毛 1983
Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
*プレイメイト Buckpasser
Intriguing
父の母
Fall Aspen
栗毛 1976
Pretense Endeavour
Imitation
Change Water Swaps
Portage

リンデンリリー
栗毛 1988
*ミルジョージ
鹿毛 1975
Mill Reef Never Bend
Milan Mill
Miss Charisma Ragusa
*マタテイナ
母の母
ラドンナリリー
栗毛 1979
キタノカチドキ *テスコボーイ
ライトフレーム
ヤマニガーサント *ガーサント
イチクニヒメ
母系(F-No.) シユリリー(AUS)系(FN:7-d) [§ 2]
5代内の近親交配 Swaps 5・4(父内) [§ 3]
出典

脚注[編集]

  1. a b c d e f g h i j k l m n o ヤマカツリリー”. JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2022年8月1日確認。
  2. a b c 『優駿』2003年5月号 139頁
  3. 『優駿』2003年5月号 50頁
  4. a b c 『優駿』2003年4月号 31頁
  5. a b 『優駿』2003年2月号 131頁
  6. 『優駿』2003年2月号 32頁
  7. リリー桜街道一直線~フィリーズレビュー”. スポーツニッポン. 2004年2月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月11日確認。
  8. また…安勝無念ヤマカツ2着~阪神JF”. スポーツニッポン. 2004年2月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月11日確認。
  9. a b c 『優駿』2003年5月号 75頁
  10. またまた安藤!リリー差し切り~フィリーズR”. スポーツニッポン. 2004年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月11日確認。
  11. 『優駿』2003年12月号 31頁
  12. a b ヤマカツリリーが引退、繁殖へ|競馬実況web|競馬|ラジオNIKKEI” (日本語). ラジオNIKKEI. 2023年10月11日確認。
  13. ヤマカツリリー (JPN)”. 血統書サービス. ジャパン・スタッドブック・インターナショナル. 2022年8月1日確認。
  14. ヤマカツリリーの競走成績”. ネットドリーマーズ、2022-08-02確認。
  15. ヤマカツハクリュウ”. netkeiba.com. 2022年8月1日確認。
  16. ヤマカツクライム”. netkeiba.com. 2022年8月1日確認。
  17. ヤマカツサユリ”. netkeiba.com. 2022年8月1日確認。
  18. ヤマカツセレーヌ”. netkeiba.com. 2022年8月1日確認。
  19. ヤマカツライアン”. netkeiba.com. 2022年8月1日確認。
  20. ヤマカツゴードン”. JBISサーチ. 2022年8月2日確認。
  21. ヤマカツブラック”. netkeiba.com. 2022年8月1日確認。
  22. a b c 血統情報:5代血統表|ヤマカツリリー”. JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2022年8月1日確認。
  23. a b c ヤマカツリリーの血統表”. netkeiba.com. 2022年8月1日確認。

外部リンク[編集]