馬主

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第22回兵庫ダービーの優勝馬・スマイルサルファー口取りの様子。写真右端に映る人物が馬主のじぇにゅいんこと松野真一

馬主(うまぬし・ばぬし)とは、広義ではの持ち主だが、一般的には競走馬のオーナーを意味する。

概要[編集]

馬主になりたければ各競馬主催者に馬主登録を行う。日本では日本中央競馬会(JRA)と、地方競馬全国協会(NAR)が登録先となり、それぞれで基準が異なる。以下は個人馬主の場合。

JRA - 年間所得が過去2年連続で1700万円以上(この所得額は一時所得や競馬関連の所得を含まない)・本人名義の不動産、預貯金、有価証券といった資産が7500万円以上
NAR - 年間所得が500万円以上

NARであればそこそこの地位の会社員でも馬主になれるが、JRAの個人馬主は富裕層の中の富裕層でないとなることができない。当然毎月の持ち出し(厩舎への預託料など)も相応にある。毎月の持ち出しの代表格である預託料はJRAの場合60万円~100万円程度、地方の場合20万円~40万円程度。

個人だけでなく、1頭の競走馬を複数人で持ち合う共有馬主や競走馬所有を事業に含む法人が所有する法人馬主が存在する他、競走馬生産牧場が馬主登録を行い、自家生産馬を出走させている事例は数多い。なお個人馬主でも規模が大きくなると自身が設立した法人(資産管理会社等)に所有権を移転させる事例が多々ある。(里見治氏のサトミホースカンパニー、金子真人氏の金子真人ホールディングス、野田順弘氏のダノックスなど。)

ただ毎月毎月持ち出しばかりと言うわけでもない。所有馬がレースに出走し5着以内に入れば本賞金、5着以内に入れなくともある順位までは一定額の出走手当が支給される。それらの収入で預託料を支払うことも出来るが、成績によっては持ち出しが発生する。当然所有馬が怪我や病気になればその治療費は馬主の負担である。地方所属馬が中央所属馬に比べて過密な出走ローテーションを組み、生涯出走回数が3桁に達するのが珍しくないのは出走手当で預託料を確保する目的があるとされる。

以上の話は日本での例だが、アメリカのように「書類に必要事項を書いて出せば馬主になれる」というぐらい敷居が低い国もある。しかし、そういった国では人馬共に非常に厳しい競争が待ち受けていることは容易に想像できるだろう。

著名な馬主[編集]

  • 金子真人 - 電気系CAD・EDAベンダー企業図研の創業者であり、言わずと知れた日本最強の個人馬主。最強の大王キングカメハメハ、日本競馬の結晶ディープインパクトなどのオーナー。
  • 野田順弘 - システムインテグレーター企業オービック創業者であり、世界の長者番付で上位1000位に入る大資産家。夫婦揃って馬主であり、ダノンファラオ、ダノンザキッドなどを所有。
  • 佐々木主浩 - 大魔神佐々木。馬名に『ヴ』を入れる。シュヴァルグランなどを所有。
  • 北島三郎 - 『キタサン』の冠名で有名。キタサンブラックなどを所有。
  • 竹園正繼 - 『テイエム』の冠名で有名。テイエムオペラオー、テイエムプリキュアなどを所有。
  • 松本好雄 - 『メイショウ』の冠名で有名。メイショウドトウ、メイショウダッサイなどを所有。
  • ウェスタンファーム - 競走馬生産牧場であり馬主。歌手で新栄プロダクション会長の山田太郎が所有。
  • ミルファーム - 競走馬生産牧場であり馬主。夏の新潟1000m直線コースのレースに所有馬を多数出走させる「多頭出し」が風物詩。
  • シンボリ牧場 - 競走馬生産牧場であり馬主。皇帝シンボリルドルフを所有。
  • メジロ牧場 - 競走馬生産牧場であり馬主。創設者の意向から長距離を得意とするステイヤーを多数生産・所有。