アジア連帯委員会
アジア連帯委員会(アジアれんたいいいんかい)は、アジアの恵まれない人々を支援する旧同盟系のNGO。正式名称はアジア連帯委員会(CSA)、英語標記はThe Commission for the Solidarity with the Asian underprivileged。所在地は東京都港区芝2-20-12 友愛会館14階[1]。
歴史[編集]
1975年のベトナム戦争終結後、ベトナム、ラオス、カンボジアのインドシナ3国が社会主義体制に移行し、推計約200万人のインドシナ難民が周辺国に流出した[2]。1981年4月16日に同盟は日本に定住するインドシナ難民の自立促進を目的として、CSAの前身にあたる「インドシナ難民共済委員会」を設立した[3]。第1回総会には歌手のアグネス・チャンも出席した。委員長に武藤光朗、事務局長に殿岡昭郎を選出、顧問に宇佐美忠信(同盟会長)を委嘱した。同委員会は同盟構成産別の一括加盟による団体会員と、200人の個人会員によって運営された[4]。1981年7月27日に同盟は第27回執行評議会で「インドシナ難民救援活動対策委員会」(委員長=田中良一同盟書記長)の設置を決定し、1977年に設立された「インドシナ難民救援センター」(代表=殿岡昭郎)と「インドシナ難民共済委員会」への協力を通して難民支援を行った[5]。1982年3月31日に同盟は「インドシナ難民共済委員会」に団体加盟した[6]。1982年12月10日に「インドシナ難民救援センター」は「インドシナ難民共済委員会」を強化するために発展的に解散した[4]。同センターは主としてタイのバンビナイ・ラオス難民キャンプで活動していた[5]。
1983年1月14日の第2回定期総会で「インドシナ難民連帯委員会」(CSIR)に改称した。会長に武藤光朗、副会長に殿岡昭郎、事務局長に矢田彰(同盟書記長付国民運動担当)を選出、顧問に宇佐美忠信(同盟会長)、春日一幸(民社党常任顧問)、相馬雪香(インドシナ難民を助ける会)を委嘱した。同盟の他、日本民主婦人の会、日本人妻自由往来実現の会が加盟した[7]。同委員会は日本語学校入学奨学金、入学祝い金制度(発足時から)、弔慰金制度(1985年から)、医療見舞金制度(1986年から)[8]、タイの難民キャンプへの救援調査団の派遣、救援衣類を送る運動[9]、就職・進学・結婚・病気などの生活相談業務などの活動を行った[10]。1987年に同盟が解散し、友愛会議が連帯委員会の運動を推進することになった。1989年に連合が結成され、連合が連帯委員会の運動を推進することになった[11]。以降は連合内の旧総評系の労組も加盟している。
1992年に国連が難民の祖国帰還を開始し、帰還難民の祖国復興をはじめ広くアジアの進歩に役割を担うべきだとして、1993年5月の第12回定期総会で「インドシナ難民およびアジアの恵まれない人々と連帯する委員会」(CSIRA)に改称した。会長に金杉秀信が就任した[10]。日本に定住するインドシナ難民の自立促進という目標は90年代半ばまでにほぼ達成したものの、アジアの開発途上国やタイの難民キャンプの支援が必要だとして[2]、1996年5月の第15回定期総会で「アジア連帯委員会」(CSA)に改称した[12]。その後、タイ・ラオスを中心として救援物資を送る活動、小学校建設・補修活動、教育支援活動などに取り組んでいる。
加盟団体[編集]
2022年9月28日時点[1]。70団体。
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備考[編集]
- 1983年に加盟した「日本人妻自由往来実現運動の会」は統一協会系の団体であるとされる[13][14][15]。2011年時点では会員ではなくなっている[16]。2008年9月の第28回総会まで常任理事に選出されていた池田文子(日本人妻自由往来実現運動の会)[16]は1998年3月から1999年1月まで日本統一協会の会長を務めた江利川安栄であるとされる[14]。
- 1986年に死去したノンフィクション作家の鈴木俊子は副会長を務めていた[6]。
出典[編集]
- ↑ a b CSAについて アジア連帯委員会
- ↑ a b アジアの人々の自由と人権を守り生活と福祉の向上、自立を支援する UAゼンセン、2023年4月7日
- ↑ 連帯の40年(PDF)アジア連帯委員会
- ↑ a b インドシナ難民共済委員会のスタート アジア連帯委員会
- ↑ a b 同盟と難民支援 アジア連帯委員会
- ↑ a b 年表 アジア連帯委員会
- ↑ インドシナ難民連帯委員会の発足 アジア連帯委員会
- ↑ 人権団体との連携強化 アジア連帯委員会
- ↑ タイの難民キャンプ支援と衣類を送る運動 アジア連帯委員会
- ↑ a b 大きな動きへの対応 アジア連帯委員会
- ↑ インドシナ難民支援が友愛会議から連合へ アジア連帯委員会
- ↑ インドシナ難民連帯委員会からアジア連帯委員会へ アジア連帯委員会
- ↑ 北朝鮮の日本人妻里帰り運動団体の問題 カルト被害を考える会
- ↑ a b 全国弁連、統一協会関連団体に注意呼び掛け クリスチャントゥデイ、2004年7月5日
- ↑ 旧統一教会と北朝鮮 30年来の深い関係【礒﨑敦仁のコリア・ウオッチング】 時事ドットコムニュース、2022年8月23日
- ↑ a b 連帯の30年(PDF)アジア連帯委員会