東北新幹線不通により運行された常磐線臨時快速

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東北新幹線不通により運行された常磐線臨時快速とは、何らかの理由で東北新幹線運転見合わせになったとき、東京~仙台の救済として運転される臨時列車。

概要[編集]

東京~仙台の移動は東北新幹線が主流だが、東北新幹線も何らかの原因で運転見合わせとなることがある。

日本の大動脈の1つである東北新幹線が止まると、新幹線の利用者が高速バスに流れて、高速バスは混雑し、乗れないこともある。 そこで、2020年3月14日に運転再開した常磐線が代替ルートとなった。

しかし、特急ひたちの仙台直通は1日3往復しかないため、いくら高速バスや飛行機があっても東北新幹線が止まると満席になってしまうため、東北新幹線が有事の際には臨時便が出されることとなった。

この臨時快速は自由席扱いのため、快速として運転するいわき駅~仙台駅では乗車券のみで乗車できた。

臨時快速が運転された事例は過去に2回ある。

また、2022年3月16日23時台に福島県沖を震源とするマグニチュード7.3、最大震度6強の地震が発生して東北新幹線白石蔵王駅で新幹線が脱線したため長期間不通となる可能性があり、またこの救済臨時快速が運転される可能性がある。

臨時快速が運転された事例[編集]

福島県沖の地震[編集]

2021年2月13日23時8分に福島県沖を震源とするマグニチュード7.3、最大震度6強の大地震が発生した。

この地震の影響で東北新幹線は設備に損害が出て、長期間の運休を余儀なくさせられた。 そんな中普段はいわき駅発着のひたち9号、22号、25号が仙台駅まで延長運転を行った。

常磐線は翌日の夕方に運転再開し、2月15日には特急列車の仙台直通が再開した。 しかし、この日は仙台地区では強風によりダイヤ乱れが発生していた。 この影響で臨時快速が8時間遅延する事態となった。 詳細は後述。

東北新幹線は2月24日に全線で運転再開し、同日に臨時快速の運転は終了したが、東北新幹線は3月28日まで那須塩原駅一ノ関駅の間で速度を落としての運転となった。

また、このときには東北本線でも臨時快速の運転を行い、高速バス飛行機も臨時便を運行した。 詳細は福島県沖地震 (2021年)#交通への影響を参照。

郡山駅でのポイント故障[編集]

2022年1月13日早朝、福島県郡山市郡山駅でポイントが故障した。

これにより東北新幹線は昼頃まで運転見合わせとなり、新幹線停車駅では大混乱となった。

このとき、JR東日本は常磐線特急ひたち号の一部列車をいわき~仙台間臨時快速としてひたち9号とひたち22号がこの日に限り仙台駅まで延長運転された。

伝説のひたち22号[編集]

常磐線が運転再開し、特急列車の運転も再開されたが、2021年2月15日は強風で仙台エリアの在来線はダイヤが崩壊していた。

仙台駅10時14分発 ひたち14号品川行きは大きな問題なく終点の品川駅まで辿り着いたが、その約4時間後に発車する臨時快速いわき行き(いわき駅から特急ひたち22号)は強風のダイヤ乱れで、仙台駅の時点で抑止がかかった。

結局仙台駅を発車したのは本来ひたち30号が発車する18時頃。 この時点で既に4時間遅延していてひたち26号と30号は運休となった。 その後岩沼駅までの東北本線内は順調だったが、常磐線に入ると抑止の連続となった。 また、始発駅の仙台の時点で非常用の飲食物の配給が入っている。 この時点で本来なら運転打ち切りとなりかねない状態だった。 また、仙台駅発車後の車内放送の時点で上野駅到着が翌日となることが決定しているとアナウンスされた。[1]

最初の抑止は岩沼駅~逢隈駅間にある阿武隈川を渡る阿武隈川橋梁で強風の規制値を超えたため岩沼駅を発車して少しのところで抑止が入った。 また、この抑止の間に車掌が乗客の目的地を聞いた。 これは、この時期は大学受験シーズンで、伝説のひたち22号が運行された翌日の2月16日も東京の有名私立大学の受験日程があった。 このため、受験生がいた場合受験する大学にJR東日本が連絡することとなったが、受験生と名乗り出た乗客はいなかった。

次の抑止は福島県と宮城県の県境に位置する坂元駅新地駅の駅間。[2] ここでまたもや強風による規制がかかった。 ここでは25分ほど停車していた。 しかし、新地駅~駒ヶ嶺駅の駅間でまたもや強風による運転規制が入った。 この時点で仙台駅の遅れのあとは規制無しで運行していたと仮定した場合いわき駅付近まで進める時間だった。[3]

駒ヶ嶺を通過する時点で列車の遅れは6時間近くになろうとしていた

駒ヶ嶺~相馬で再び規制がかかり21時13分に相馬駅に到着。 相馬駅には6時間以上遅れての到着となった。

相馬の次の停車駅、原ノ町駅では2回目の救援物資の配給が行われた。 帰還困難区域を抜け、夜ノ森駅まで運転したところでまた抑止がかかった。 その後竜田駅木戸駅でも停車した後、日付が変わり0時5分にいわき駅に到着した。 この時点で7時間47分遅れとなっている。

また、いわき駅停車中に「逗子」という謎の誤表示が出たが、E657系が臨時列車などで逗子駅に乗り入れることがあるのかは不明。 少なくともこの表示は1度も営業で使われたことがない。

いわき駅は8時間0分の遅れで発車した。 また、当駅で3回目の飲食物の配給が入った。

いわき駅からは速度規制が解除され、いつも通りの高速運転を行い、終点[4]上野駅には2時38分に到着した。 上野駅では終電が既に終わってるため4時45分までひたち22号に充当されたE657系の車内が解放された。

2月15日のこの列車はムーンライトひたちと呼ばれている。

このような例は各路線に存在する。特に大雨での運休を受けやすい常磐線・中央本線は多く発生しやすく、台風シーズンになると伝説のムーンライトシリーズが誕生することが多く、実際2019年頃に大雨でムーンライトかいじが誕生した。

ひたち22号はなぜ運転打ち切りをしなかったのか[編集]

第一に東北新幹線は運転見合わせのため、常磐線の途中駅で降ろしても乗客はとても困る状態だった。 また、乗客の大多数が東京に向かうこともあり、打ち切ることはできなかったと思われる。

東北新幹線がなんの影響もなかった場合は、この列車は始発駅の仙台の時点で打ち切りとなっていただろう。

関連項目[編集]

停車駅[編集]

仙台駅-岩沼駅-相馬駅-原ノ町駅-いわき駅-いわき駅以南は特急の停車駅

外部リンク[編集]

実際にひたち22号に乗車した方の乗車記-YouTube

脚注[編集]

  1. YouTube参照
  2. 厳密には山下駅で運転打ち合わせを行ったが数分で発車した
  3. ひたち30号の所要時間を元にして停車駅の差を考慮して仮定
  4. 本来は品川行きだがあまりにも遅延しすぎたため上野止まりとなった