旧・神戸阪急
神戸阪急 | |
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店舗概要 | |
正式名称 | 阪急百貨店阪急神戸阪急 |
所在地 | 〒650-0044 兵庫県神戸市中央区東川崎町1丁目7番2号 |
開業日 | 1992年(平成4年)10月1日[1] |
閉業日 | 2012年(平成24年)3月11日[2] |
施設管理者 | 阪急阪神百貨店 |
施設所有者 | 三菱倉庫 |
商業施設面積 | 33,278 m²[3] |
営業時間 | 11:00 - 19:00(平日) 10:00 - 20:00(土日祝) |
後身 | umie SOUTH MALL |
最寄駅 | JR神戸線神戸駅 神戸高速鉄道高速神戸駅 神戸市営地下鉄海岸線ハーバーランド駅 |
外部リンク | 公式サイト |
旧・神戸阪急(こうべはんきゅう)は、かつて阪急阪神百貨店が神戸市中央区の神戸ハーバーランドに展開していた百貨店。
店舗のデザインは、フランスの豪華客船であるノルマンディー号をヒントにしており[4]、店舗中央には、「ロタンダ」と名づけられた、1階から6階までの高さ62メートル、直径16メートルの吹き抜けがあった。
歴史[編集]
1985年(昭和60年)3月に廃止された日本国有鉄道の貨物駅である湊川駅[5]跡地とその周辺約23haを再開発して1992年(平成4年)9月に街開きした神戸ハーバーランドに[6]1992年(平成4年)10月1日に開業した[1]。
当店に隣接してビルが繋がっているダイエーや当社が三菱倉庫などと共に出資して設立したタクトが運営している神戸モザイク[7]も同時に開業した[6]。
開店のオープニングセレモニーには東宝芸能所属の沢口靖子や、宝塚歌劇団雪組スターの一路真輝やトップ娘役の紫ともをはじめとする生徒が参加し、阪急百貨店の社長や副社長ととにもテープカットを行った[4]。
開業当初の運営会社は開店半年前の1992年(平成4年)4月に設立された子会社の株式会社神戸阪急だったが、2001年(平成13年)12月に営業の全てを阪急百貨店が引継いで株式会社神戸阪急は解散している[8]。
1995年(平成7年)1月17日に発生した阪神・淡路大震災により建物が被災し、営業を休止。その後3月10日午前11時に地階から地上3階までのフロアで先行して営業を再開し、4月26日には全館で営業を再開した[4]。
1994年(平成6年)12月に神戸西武が業績不振を理由に早くも撤退し[6]、1996年(平成8年)4月に神戸出身の南部靖幸が率いるパソナが神戸ハーバー・サーカスを開業したが業績が低迷して2002年(平成14年)6月にオメガ・プロジェクトの経営参画を仰いで[6]後にファミリオとなった[9]ほか、2000年(平成12年)7月に星電社が撤退して跡地に12月にコムサストアが開業し[6]、オーガスタプラザも業績の低迷が続いていた[6]ため、ビルを保有していた大阪ガスがモルガン・スタンレーグループに売却して2002年(平成14年)6月7日に所有権が移転し、同時にその運営権も高島屋と大阪ガスの合弁会社からモルガン・スタンレー側に移行したため、同年9月末の賃貸契約期間満了と共に高島屋が出店していたテナントも閉店して運営会社オーガスタも解散した[10]。
そして2005年(平成17年)にダイエーが撤退した[11]ため、開業当初から当地区で営業し続けている大型商業施設は当店と当店のグループ企業が運営するモザイクのみになるなど周辺店舗が入れ替わって店舗周辺の大きく客層が変化していった[9]。
こうした客層の変化などに対応するため2004年(平成16年)にベビー用品のアカチャンホンポを誘致したり[9]、ダイエーの撤退を受けて2006年(平成18年)2月1日にグループのスーパーマーケットの阪急オアシスを導入したり[12]、2006年(平成18年)3月期に子供関連売場のエンターテインメント性強化[8]などてこ入れを行った[9]。
開店5年後の1997年(平成9年)3月期には259億円の売上高があった[13][14]が、その後下げ止まらず、2011年3月期の売上高は91億4300万円[3]にまで落ち込んでいた。このように1995年(平成7年)と1996年(平成8年)度を除き赤字が続いていた[2]ため営業を継続していくことは困難と判断し、エイチ・ツー・オーリテイリングは2011年(平成23年)5月12日、賃貸借契約の切れる2012年(平成24年)9月30日までに神戸阪急を閉店させることを正式に発表[3]。そして同年10月27日、閉店日を2012年(平成24年)3月11日にすることを発表した[15]。
2011年(平成23年)12月14日からは閉店セールが行われ、セール期間中の入店者数は前年同期比1.5倍、売上は倍増した[2]。
2012年(平成24年)3月11日午後8時の閉店予定時刻を過ぎると1階山側正面出入口にて閉店セレモニーが行われ、神戸阪急の従業員有志らによる吹奏楽[16]が行われたあと、大西秀紀店長により閉店に際しての挨拶が行われた。その後、従業員約200人が頭を下げて見送り[17]、午後8時35分に閉店した。
当店の閉店に伴い、隣接して営業しているモザイクの運営会社タクトの株式40%全てを大家である三菱倉庫に譲渡して経営権も移行し、当地区から完全に撤退した[7]。
店舗跡は隣接するHa・Re(ハレ)やモザイクと共に施設を所有する三菱倉庫などからイオンモールが受託して大型のショッピングセンター『umie』として一体的に再開発され[18]、2013年(平成25年)より同south mallとしてハーバーランドの大型商業施設の一角を担っている[19]。また、阪急百貨店はそごう神戸店(現・神戸阪急)のエイチ・ツー・オー リテイリング(阪急阪神百貨店親会社)への譲渡により、のちに神戸再進出を果たすことになる。
年表[編集]
- 1992年(平成4年)10月1日 - 開店
- 1995年(平成7年)1月17日 - 阪神・淡路大震災による被害で営業を休止
- 1995年(平成7年)3月10日 - 地階から地上3階まで営業を再開
- 1995年(平成7年)4月26日 - 全館で営業を再開
- 2011年(平成23年)5月12日 - 閉店を発表
- 2011年(平成23年)10月27日 - 閉店日を発表
- 2011年(平成23年)12月14日 - 閉店セール開始
- 2012年(平成24年)3月11日 - 閉店
売上高[編集]
- 118億2,400万円(2008年4月 - 2009年3月)[20]
- 99億1,300万円(2009年4月 - 2010年3月)[20]
- 91億4,300万円(2010年4月 - 2011年3月)[20]
フロア構成[編集]
- 6階 - 家具・ベッド・インテリアとレストランのフロア
- 5階 - ファミリーとこども広場のフロア
- 4階 - キッズ&ジュニアワールドと「アカチャンホンポ」のフロア
- 3階 - メンズファッション・生活雑貨・寝装品・催場・贈答と各種サービスのフロア
- 2階 - レディースファッションのフロア
- 1階 - レディースファッションのフロア
- B1階 - 食料品のフロア
- B2階 - キャナルパーキング
脚注[編集]
- ↑ a b 50年史編集委員会 『株式会社阪急百貨店50年史』 阪急百貨店、1998年4月。
- ↑ a b c “神戸阪急 惜しまれ閉店”. 神戸新聞NEWS (神戸新聞社). (2012年3月11日) 2012年3月12日閲覧。
- ↑ a b c “株式会社阪急阪神百貨店「神戸阪急」の営業終了について” (PDF) (プレスリリース), エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社, (2011年5月12日) 2012年3月7日閲覧。
- ↑ a b c 株式会社阪急阪神百貨店神戸阪急、「神戸阪急閉店企画 神戸阪急の"想いと思い出"」展(2012年2月15日 - 3月11日)、2012年3月7日閲覧
- ↑ 貨物駅としての機能は1982年11月に停止していた。
- ↑ a b c d e f “News ANGLE2002 神戸ハーバーランド開業10年”. 神戸新聞 (神戸新聞社). (2002年11月1日)
- ↑ a b “モザイク経営権三菱倉庫に譲渡 神戸ハーバーランド”. 神戸新聞 (神戸新聞社). (2012年2月11日)
- ↑ a b 阪急百貨店 第87期有価証券報告書 (Report). 阪急百貨店. (2006-6-28).
- ↑ a b c d 末永陽子 (2012年3月8日). “11日閉店、神戸阪急の後継店舗 子育て世代に照準”. 神戸新聞 (神戸新聞社)
- ↑ “オーガスタ 9月解散を正式発表 高島屋”. 神戸新聞 (神戸新聞社). (2002年6月14日)
- ↑ “神戸阪急、来年閉店 後継テナント、イオンなど交渉”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2011年5月12日)
- ↑ “阪急オアシス神戸阪急店 二月一日(水)オープン 兵庫県神戸市”. タイハン特報 (大量販売新聞社). (2006年2月9日)
- ↑ “エイチ・ツー・オーリテイリング、神戸阪急閉鎖を発表”. 日本経済新聞Web刊 (日本経済新聞社). (2011年5月12日) 2011年5月17日閲覧。
- ↑ “神戸阪急 11日閉店”. MBSニュース (毎日放送). (2012年3月11日) 2012年3月12日閲覧。
- ↑ “株式会社阪急阪神百貨店「神戸阪急」の営業終了日決定について” (PDF) (プレスリリース), エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社, (2011年10月27日) 2012年3月7日閲覧。
- ↑ “神戸阪急が閉店…後継はイオン”. YOMIURI ONLINE関西発 (読売新聞社). (2012年3月12日) 2012年3月12日閲覧。
- ↑ “神戸阪急、惜しまれ閉店 19年半の歴史終える”. msn産経ニュース (産業経済新聞社). (2012年3月11日) 2012年3月12日閲覧。
- ↑ 末永陽子 (2011年10月28日). “神戸ハーバーランド、イオン主導で再開発”. 神戸新聞 (神戸新聞社)
- ↑ 井垣和子、末永陽子 (2012年3月7日). “ハーバーランドの神戸阪急 後継店は13年4月開業”. 神戸新聞 (神戸新聞社)
- ↑ a b c 『百貨店調査年鑑2011年度版』 中島美保子、株式会社ストアーズ社、2011年9月30日。