吹奏楽

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吹奏楽(すいそうがく)とは、木管楽器金管楽器を主体とし、打楽器を加えた編成からなる楽団のこと。

概要[編集]

英語ではwind orchestra[band]。字義通り、「吹いて音を出す楽器で奏でる音楽」である。管楽器は「吹くと鳴る楽器」である。ブラスバンド(brass band)と呼ばれることもあるが、ブラスバンドは、日本語では金管バンドのことで、吹奏楽から木管楽器を欠いたもので、吹奏楽団と同義ではないので、統一されていない。クラシックでは、行進曲マーチ)の作品を中心として演奏される。行進しながら演奏をする「マーチングバンド」も吹奏楽の一つのスタイルである。レパートリーは、流行しているJ-POPといったポピュラー音楽を編曲している。

楽器編成[編集]

吹奏楽の楽器編成については、厳密な編成は定められていない。使われる楽器は、♭系の調性を持つ移調楽器が多い。その理由は、ポピュラー音楽のオリジナルキーや、オーケストラおよび弦楽器の調性と区別するためであるか、演奏する調性の数が少なく、楽に演奏できるからであったり、各楽器の音域は全体的にやや狭いからであるかもしれない。多くの管楽器は、B♭管が中心である。実音の調性の数は、普通、調号♭1個~3個までであることが多い。実音が#系の調性だと、アルトサックスは調号#4つ以上になり、楽譜全体が#の羅列になり、弾くのが難しく、特に実音#系の調性は編曲した曲として取り上げられる頻度は減る。

一般的な楽器編成は、ピッコロ、フルート×2、オーボエ(オプション)、ファゴット(オプション)、E♭クラリネット(オプション)、B♭クラリネット×3、アルトクラリネット(オプション)、バスクラリネット、アルトサックス×2、テナーサックス、バリトンサックス、B♭トランペット×3、E♭コルネット(オプション)、ピッコロトランペット(オプション)、ホルン×3、トロンボーン×2、バストロンボーン、ユーフォニアム、B♭管チューバ(×1~2)、コントラバス、エレクトリックベース及びシンセベース(オプション)、グロッケンシュピール、ドラム/パーカッション、ティンパニ(オプション)。

吹奏楽におけるチューバの組み合わせは、1つ目をピストン式B♭管チューバ、2つ目をロータリー式B♭管チューバとするのが一般的である。

吹奏楽で使う楽器は、オーケストラには無い楽器が1つあり、その名は、サクソフォンである。

MIDIにおけるコントラバスは、コントラバス担当の代用楽器に使うシンセストリングスが加わることもある。

マーチングバンドでは、戦闘の楽器はトロンボーンと決まっていて、トロンボーンは、スライド管を前後に動かすので、前に他の楽器がいない方がよい。

楽譜について[編集]

吹奏楽用の楽譜の出版社・メーカーは、ミュージックエイト(M8)、ウィンズスコア、GrooveCastがある。ミュージックエイト(M8)は、初級者向けの吹奏楽で、初心者・初級者も含む小中学生といった子供でも演奏しやすいように、実音のキーは調号♭1個〜4個までの範囲を選択と決まっていて、♭系が基本である(ただし、転調する曲にはそれ以外のキーが使用されることもある)。数字の5段階の難易度グレードでは3以下、アルファベットの5段階の難易度グレードではB以下。アルファベット表記のグレードは、実際に書かれてあるのは「AA,A,B,C,D,E」となっている。この考え方だと、AAはグレード2のみ、Aはグレード2~2.5、Bはグレード3、Cは3.5、Dは4、Eは4.5~5。ミュージックエイトは、吹奏楽楽譜の出版社の基本となるものである。

吹奏楽編曲時に、実音の調性がオリジナルキー(原調)と違う調に移調されることがある。例として、ハ長調の曲が変ロ長調になる、ホ長調の曲がヘ長調になる、ニ長調の曲が変ロ長調や変ホ長調になる。編曲時の注意点は、オリジナルキーが♭系の調性(調号♭の数が1個~4個)の場合であれば、どうしても♭系の調性でなければならない気がする。例:J-POPの場合は、「AMBITIOUS JAPAN!/TOKIO」、「瞳をとじて/平井堅」、「夜空ノムコウ/SMAP」など。クラシックの場合は、「「四季」より「秋」/ヴィヴァルディ」「交響曲第6番「田園」/ベートーヴェン」「春の声/ヨハン・シュトラウス2世」など。オリジナルキーが#系(主に調号#2個)や調号無しの調性なら、例外として♭系でなくてもよい場合もあるかもしれない。要するに、ニ長調の曲がハ長調、ハ長調の曲が原調そのままハ長調になる場合もある。明るく元気が出る雰囲気を出すためであるが、普通は少ない方が無難である。実音のキーがハ長調だと、実際にはアレンジの見た目が少しでも悪い気がする(?)。ハ長調(調号無しの調性)の場合、難易度はC、グレードは3.5になる。メーカーによっては、吹奏楽編曲の実音の調性が異なる場合があるので要注意。ポピュラー音楽の編曲時は、オリジナル音源を基本として、オリジナルに近いアレンジで編曲する。

ミュージックエイト(M8)の吹奏楽音源の演奏者は、3種類あり、通常編成版吹奏楽、少人数吹奏楽、金管バンドの3種類がある。

チューニングは、440HzのAより半音高いB♭で行う。周波数は約466.16Hzに対する各オクターブである。それは、管楽器の多くが♭系で作られているからである。実際には、吹奏楽のチューニングは、セント単位が0セントの確認のため、466.16HzのB♭と440HzのA、両方チューニングする必要がある。

楽器編成をまとめて書くと[編集]

C管

ピッコロ、フルート、オーボエ(オプション)、ファゴット(オプション)

F管

ホルン

B♭管

B♭クラリネット、バスクラリネット、テナーサックス、トランペット、トロンボーン、ユーフォニアム、チューバ

E♭管

E♭クラリネット(オプション)、アルトクラリネット(オプション)、アルトサックス、バリトンサックス(メロディーを担当する楽器ではないので記載しなくてもよい場合もあるかもしれない)

吹奏楽におけるE♭管の移調楽器は、木管楽器のみである。

補足[編集]

金管楽器を多く利用することにより、大きくて勇壮な音が出やすくなる。

吹奏楽の演奏者の音源の種類[編集]

  • エルガー・ハワース指揮/フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブル(「フィリップ・ジョーンズ・アンサンブル」とも書かれる)
  • 自衛隊音楽隊:陸上自衛隊、航空自衛隊、海上自衛隊
  • ガーズ軍楽隊:グレナディア・ガーズ軍楽隊、コールドストリーム・ガーズ軍楽隊
  • 東京佼成ウィンドオーケストラ
  • ミュージックエイト吹奏楽団=M8吹奏楽団
  • ウィンズスコア吹奏楽団
  • その他

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

吹奏楽で一般的に使われる楽器
Aグループ バスクラリネット【コントラバスクラリネット】B - バリトンサックスE - ファゴット(バスーン)【コントラファゴット】C - チューバ【スーザフォン】B - コントラバス弦楽器
Bグループ テナーサックスB【 - アルトクラリネットE】 - ユーフォニアムB - ホルンF - トロンボーン【バストロンボーン】B
Cグループ B♭クラリネットB - アルトサックスE - オーボエ【イングリッシュホルン】C - トランペット【コルネット - フリューゲルホルンB
Dグループ フルートピッコロC【 - E♭クラリネット(エスクラリネット)E・ - ソプラノサックスB
右上のアルファベットは何管かを表す
(C=C管、F=F管、E=E♭管、B=B♭管)

また、【括弧内楽器】はオプション。