ピッコロ
ピッコロ(piccolo)は、音域名の一つで、ソプラニーノ、もしくはソプラニーノより更に高い音域で、ソプラノより1オクターブ以上高い音域、または楽器名の一つで、木管楽器の一つで、フルートの派生楽器、フルートの同属楽器、フルート系の楽器。
楽器としてのピッコロ[編集]
小さなフルートを指すイタリア語のフラウト・ピッコロ(flauto piccolo)が省略されてこの名前で呼ばれる。英語ではピッコロの音域名を持つフルートで、「ピッコロフルート」の略である。フルートより1オクターブ高い音が出る楽器で、フルートより管の長さを短くし、高音の更に高音までの音域で、甲高い音域を持ち、高音が遠くまで透き通る音がする。ソプラニーノより更に高音の音域を持った楽器。指使いはフルートと同じ。小鳥の鳴き声や星の輝きのようにかなり明るく華やかで、金属製のように鋭い音色でシャープネスが強く、煌びやかな響きがする。フルートは足部管を持つので、最低音は周波数約261.63HzのC3であるが、ピッコロは足部管が欠けているため、最低音部分が半音2つ欠けていて、音域は3オクターブ弱で、フルートより全音狭く、最低音はフルートの最低音より1オクターブと長2度上のD4(周波数約587.3Hz)である。最高音は約4186.01HzのC7=4kHz辺りで、絶対音感(音程感)として認識できる上限と一致する。音域の上半分は、突き刺すような鋭さを持ち、低音側はうつろな響きである。甲高い音高で、特に3000Hz以上の最高音付近になると、音程感が取りにくく、チューニングが難しい傾向にあるため、複数本用いて和音(コード)を演奏するものではなく、メロディーを担当する楽器である。和音(コード)として鳴らすとどのコードが鳴っているかがわかりにくい。材質は、一般に、フルートと同じ金属製ではなく、木製のほうが多い。材質は、管は、管全体がグラナディラ製か、頭部管のみ銀製。キイはニッケルシルバーに銀メッキ仕上げ。歌口にはリッププレートは付いていない。
全長はわずか約34cm。そのままでランドセルに入るぐらいの大きさである。
合奏時の立ち位置[編集]
オーケストラの楽器の中で、最も高音域である。オーケストラや吹奏楽では通常1人が担当し、第2フルート奏者が持ち替えて受け持つか、第3奏者が受け持つ。オーケストラでは、中央よりやや奥の、指揮者から見て左側にいることが一般的。
音域としてのピッコロ[編集]
曖昧さ回避で、ピッコロというのが弦楽器そのものではなく、ピッコロの音域名がつく楽器があり、ピッコロトランペット、ピッコロサックスがある。ピッコロトランペットは、別名「ソプラニーノトランペット」とも呼ばれる。ピッコロの音域名を持つ楽器は、グロッケンシュピールがある。ピッコロと同じような音域を持つ楽器は、ソプラニーノリコーダーである。
関連項目[編集]
吹奏楽で一般的に使われる楽器 |