中井久夫
中井 久夫(なかい ひさお、1934年1月16日 - 2022年8月8日)は、精神科医、精神病理学者。神戸大学名誉教授、甲南大学名誉博士、文化功労者[1]。楡林 達夫(にればやし たつお)のペンネームで共著『日本の医者』(1963年)、パンフレット「抵抗的医師とは何か」(1964-65年頃)、共著『病気と人間』(1966年)を執筆した。上原 国夫(うえはら くにお)のペンネームで共著『あなたはどこまで正常か』(1964年)を執筆した[2]。
人物[編集]
笠原嘉、木村敏、宮本忠雄、安永浩らとともに日本の精神病理学第2世代を代表する人物で[3]、統合失調症(精神分裂病)研究の第一人者として知られる。1966年にウイルス学から精神医学に転向した。寛解過程論をはじめとする統合失調症の研究、風景構成法や誘発図形法など絵画療法の新たな技法の開発、阪神淡路大震災の被災者に対する支援体制の構築、震災を契機とした「心のケア」とトラウマ理論の導入など、日本の精神医学に大きな功績を残した[4][5][6]。現代ギリシア詩の翻訳やエッセーの執筆など文筆家としても活躍した。主な著作に「世に棲む患者」(1981年)[7]、『分裂病と人類』(東京大学出版会、1982年)、『治療文化論』(岩波書店、1990年)、「いじめの政治学」(1997年)[8]、『西欧精神医学背景史』(みすず書房、1999年)、訳書にH.S.サリヴァン『精神医学は対人関係論である』(共訳、みすず書房、1990年)、ジュディス・L・ハーマン『心的外傷と回復』(みすず書房、1996年)、カヴァフィス『カヴァフィス全詩集』(みすず書房、1988年)、ポール・ヴァレリー『若きパルク/魅惑』(みすず書房、1995年)などがある。浅田彰が『逃走論――スキゾ・キッズの冒険』(筑摩書房、1984年)で提唱した「スキゾ/パラノ」という概念はドゥルーズ=ガタリの『アンチ・オイディプス』『千のプラトー』とともに中井の『分裂病と人類』を根拠としている。
楡林達夫のペンネームで執筆した共著『日本の医者』(三一新書、1963年)やパンフレット「抵抗的医師とは何か――新入局者への手紙 あわせてほかの僚友たちへ」(岡山大学医学部自治会、1964-65年頃)は60年代の医療改革を志す若手医師に大きな影響を与えた。青医連中央書記局編『日本の大学革命6 青医連運動』(日本評論社、1969年)には「抵抗的医師とは何か」の一部が青医連運動の背景として長々と引用されている[2]。青年医師連合東大支部編著『現代の医療被害』(三一書房、1978年)には「一九六〇年代、良心的若手医師のバイブルは『日本の医者』(楡村達夫著・三一書房)であった。大学を卒業後、医局に入局してからの自己の将来と、そこでの「良心的」実践の指針をわずかにその本によって得ようとするものであった」と記載されている[9]。「楡林達夫」の正体や消息は不明であったが[10]、2010年に楡林名義の論考が収録された中井久夫の著書『日本の医者』(日本評論社)が刊行され、中井のペンネームであることが明らかになった。
経歴[編集]
- 1934年、奈良県天理市生まれ[11]。兵庫県宝塚市、伊丹市で育つ[12]。甲南中学校、甲南高等学校卒業[13]。
- 1952年、京都大学法学部に入学[14]。
- 1955年、京都大学医学部医学科に転学部[14]。
- 1959年、京都大学医学部医学科卒業[14]。
- 1960年、京都大学ウイルス研究所物理部助手[15]。
- 1966年、東京大学医学部附属病院分院神経科研究生[15]。
- 1966年、「日本脳炎ウイルスに対する細胞性レセプターの動物組織における分布と存在形態に関する研究 : 日本脳炎ウイルスの感染を考える立場から」で医学博士(京都大学)[16]。
- 1967年、医療法人社団青山会青木病院(東京都調布市)勤務[12]。
- 1970年、東京大学医学部附属病院分院助手[4]。
- 1971年、東京大学医学部講師[4]、東京大学医学部附属病院分院神経科病棟医長[12]。
- 1975年、名古屋市立大学医学部精神科助教授[15]、名古屋市立大学病院神経科副部長[4]。
- 1980年、神戸大学医学部精神神経科教授[4]。
- 1983年、芸術療法学会会長(1984年まで)[15]。
- 1985年、日本病跡学会会長[15]。
- 1997年、神戸大学を退官[14]。甲南大学文学部人間科学科特任教授[15]、神戸大学名誉教授[4]。
- 2002年、特定非営利法人ひょうご被害者支援センター初代理事長[17]。
- 2004年、甲南大学を退職[14]。兵庫県こころのケアセンター初代所長[6]。
- 2007年、兵庫県こころのケアセンター参与。
- 2012年、公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構顧問[4]。
- 2013年、甲南大学名誉博士[13]。
- 2014年、公益社団法人ひょうご被害者支援センター顧問[18]。
- 2022年、肺炎のため神戸市内の介護施設で死去、88歳[6]。死没日付をもって従四位に叙され、瑞宝中綬章を追贈された[1]。
受賞歴[編集]
- 1985年 - 第1回芸術療法学会賞[15]。
- 1989年 - 『カヴァフィス全詩集』の翻訳に対し第40回読売文学賞研究・翻訳賞[4]。
- 1992年 - 『カヴァフィス全詩集』に対しギリシャ国文学翻訳協会賞[4]。
- 1996年 - 『家族の深淵』に対し第50回毎日出版文化賞[4]。
- 2001年 - 兵庫県社会賞[4]。
- 2005年 - 兵庫県功労者(震災復興部門)[4]。
- 2013年 - 文化功労者[19]。
著書[編集]
単著[編集]
- 『精神科治療の覚書』(日本評論社[からだの科学選書]、1982年/日本評論社[日評ベーシック・シリーズ]、2014年)
- 『分裂病と人類』(東京大学出版会[UP選書]、1982年/東京大学出版会[UPコレクション]、2013年)
- 『治療文化論――精神医学的再構築の試み』(岩波書店[同時代ライブラリー]、1990年/岩波書店[岩波現代文庫]、2001年)
- 『記憶の肖像』(みすず書房、1992年)
- 『家族の深淵』(みすず書房、1995年)
- 『精神科医がものを書くとき(1・2)』(広英社、発売:丸善、1996年)
- 文庫版『精神科医がものを書くとき』(筑摩書房[ちくま学芸文庫]、2009年)
- 文庫版『隣の病い』(筑摩書房[ちくま学芸文庫]、2010年)
- 『アリアドネからの糸』(みすず書房、1997年)
- 『最終講義――分裂病私見』(みすず書房、1998年)
- 『西欧精神医学背景史』(みすず書房[みすずライブラリー]、1999年/新装版、みすず書房、2015年)
- 『清陰星雨』(みすず書房、2002年)
- 『徴候・記憶・外傷』(みすず書房、2004年)
- 『時のしずく』(みすず書房、2005年)
- 『関与と観察』(みすず書房、2005年)
- 『樹をみつめて』(みすず書房、2006年)
- 『こんなとき私はどうしてきたか』(医学書院[シリーズケアをひらく]、2007年)
- 『臨床瑣談』(みすず書房、2008年)
- 『日時計の影』(みすず書房、2008年)
- 『臨床瑣談 続』(みすず書房、2009年)
- 『統合失調症 1』(みすず書房[精神医学重要文献シリーズHeritage]、2010年)
- 『私の日本語雑記』(岩波書店、2010年/岩波書店[岩波現代文庫]、2022年)
- 『統合失調症 2』(みすず書房[精神医学重要文献シリーズHeritage]、2010年)
- 『日本の医者』(日本評論社[こころの科学叢書]、2010年)
- 『災害がほんとうに襲った時――阪神淡路大震災50日間の記録』(みすず書房、2011年)
- 『復興の道なかばで――阪神淡路大震災一年の記録』(みすず書房、2011年)
- 『サリヴァン、アメリカの精神科医』(みすず書房[始まりの本]、2012年)
- 『「昭和」を送る』(みすず書房、2013年)
- 『統合失調症の有為転変』(みすず書房、2013年)
- 『戦争と平和 ある観察』(人文書院、2015年、増補新装版2022年)
- 『いじめのある世界に生きる君たちへ――いじめられっ子だった精神科医の贈る言葉』(中央公論新社、2016年)
- 『中井久夫「精神科治療学」掲載著作集――臨床医の眼差し』(星和書店、2022年)
- 『中井久夫拾遺』(高宜良編、金剛出版、2023年)
共著[編集]
- 『あなたはどこまで正常か――現代の精神病理入門』(近藤廉治、上原国夫著、三一書房[三一新書]、1964年)*上原 国夫名義
- 『病気と人間――医学・医療の社会的背景』(楡林達夫、小山仁示、金谷嘉郎著、三一書房[三一新書]、1966年)*楡林 達夫名義
- 『天才の精神病理――科学的創造の秘密』(飯田真共著、中央公論社[自然選書]、1972年/岩波書店[岩波現代文庫]、2001年)
- 『系統看護学講座20 成人看護学Ⅹ 精神疾患患者の看護 第6版』(外口玉子、中山洋子、小松博子、山口直彦共著、医学書院、1984年)
- 『昨日のごとく――災厄の年の記録』(村田浩、磯崎新、郭慶華、J.ブレスラウ、六反田千恵、麻生克郎、小川恵、川本隆史共著、みすず書房、1996年)
- 『いろいろずきん』(エランベルジェ原作、文・絵、みすず書房、1999年)
- 『分裂病の回復と養生――中井久夫選集』(永安朋子共著、星和書店、2000年)
- 『分裂病/強迫症/精神病院――中井久夫共著論集』(高宜良、住野公昭、高谷育男、内藤あかね、永安朋子共著、星和書店、2000年)
- 『看護のための精神医学』(山口直彦共著、医学書院、2001年、第2版2004年)
- 『統合失調症の過去・現在・未来――中井久夫講演録』(考える患者たち、高宜良、胡桃澤伸共著、森越まや編、ラグーナ出版、2020年)
編著[編集]
- 『日本の医者』(楡林達夫、小山仁示編、三一書房[三一新書]、1963年)*楡林 達夫名義
- 『思春期の精神病理と治療』(山中康裕共編、岩崎学術出版社、1978年)
- 『分裂病の精神病理8』(編、東京大学出版会、1979年)
- 『岩波講座 精神の科学(全10巻別巻1)』(飯田真、笠原嘉、河合隼雄、佐治守夫共同編集委員、岩波書店、1983-1984年)
- 『「意地」の心理』(佐竹洋人共編、創元社、1987年)
- 『分裂病の精神病理と治療3』(編、星和書店、1991年)
- 『シリーズ 変貌する家族(全8巻)』(上野千鶴子、鶴見俊輔、中村達也、宮田登、山田太一共同編集委員、岩波書店、1991-1992年)
- 『1995年1月・神戸――「阪神大震災」下の精神科医たち』(編、みすず書房、1995年)
訳書[編集]
- Walter Schulte『精神療法研究』(飯田真共訳、医学書院、1969年)
- H.S.サリヴァン『現代精神医学の概念』(山口隆共訳、みすず書房、1976年)
- マイクル・バリント『治療論からみた退行――基底欠損の精神分析』(金剛出版、1978年、新装版2017年)
- アンリ・エレンベルガー『無意識の発見――力動精神医学発達史(上・下)』(木村敏共同監訳、弘文堂、1980年)
- H.S.サリヴァン『精神医学の臨床研究』(山口直彦、松川周二共訳、みすず書房、1983年、新装版2022年)
- H.S.ペリー『サリヴァンの生涯(Ⅰ・Ⅱ)』(今川正樹共訳、みすず書房、1985-1988年)
- 『現代ギリシャ詩選』(みすず書房、1985年)
- H.S.サリヴァン『精神医学的面接』(松川周悟、秋山剛、宮崎隆吉、野口昌也、山口直彦共訳、みすず書房、1986年)
- イザベル・R・プレセット『野口英世』(枡矢好弘共訳、星和書店、1987年)
- カヴァフィス『カヴァフィス全詩集』(みすず書房、1988年、第2版1991年、新装版1997年)
- H.S.サリヴァン『精神医学は対人関係論である』(宮崎隆吉、高木敬三、鑪幹八郎共訳、みすず書房、1990年、新装版2022年)
- ユスティーヌス・ケルナー『クレクソグラフィー――ロールシャッハの先駆者・ユスティーヌス・ケルナーの詩画集』(宮崎忠男共訳、星和書店、1990年)
- ヤニス・リッツォス『括弧 リッツォス詩集』(みすず書房、1991年)
- M.バリント『スリルと退行』(滝野功、森茂起共訳、岩崎学術出版社、1991年)
- E.M.フォースター『E.M.フォースター著作集12 民主主義に万歳二唱2』(小野寺健、川本静子、小池滋、北條文緒共訳、みすず書房、1994年)
- コンラート『分裂病のはじまり――妄想のゲシュタルト分析の試み』(山口直彦、安克昌共訳、岩崎学術出版社、1994年)
- ヴァルター・シュルテ『精神療法研究』(飯田眞共訳、岩崎学術出版社、1994年)
- H.S.サリヴァン『分裂病は人間的過程である』(安克昌、岩井圭司、片岡昌哉、加藤しをり、田中究共訳、みすず書房、1995年)
- マーガレット・ナウムブルグ『力動指向的芸術療法』(内藤あかね訳、監訳、金剛出版、1995年)
- ポール・ヴァレリー『若きパルク/魅惑』(みすず書房、1995年、改訂普及版2003年)
- ジャン=マリー・ペルト編、クロード・ニェリッザニー、ヴァンサン・テシエ、マリー・ペルノー写真『自然の言葉』(松田浩則共訳、紀伊國屋書店[コレクション<知慧の手帖>]、1996年)
- ジャック・ラカリエール編・写真『古代ギリシャの言葉』(紀伊國屋書店[コレクション<知慧の手帖>]、1996年)
- ブノワ・デゾンブル編『古代ローマの言葉』(松田浩則共訳、紀伊國屋書店[コレクション<知慧の手帖>]、1996年)
- ジュディス・L・ハーマン『心的外傷と回復』(みすず書房、1996年、増補版1999年)
- マイケル・バリント『一次愛と精神分析技法』(森茂起、枡矢和子共訳、みすず書房、1999年、新装版2018年)
- エランベルジェ『エランベルジェ著作集(全3巻)』(編訳、みすず書房、1999-2000年)
- 「1 無意識のパイオニアと患者たち」(1999年)
- 「2 精神医療とその周辺」(1999年)
- 「3 精神医学/犯罪学/被害者学-西欧と非西欧」(2000年)
- フランク・W・パトナム『多重人格性障害――その診断と治療』(安克昌、金田弘幸、小林俊三共訳、岩崎学術出版社、2000年)
- アラン・ヤング『PTSDの医療人類学』(大月康義、下地明友、辰野剛、内藤あかね共訳、みすず書房、2001年、新装版2018年)
- フランク・W・パトナム『解離――若年期における病理と治療』(みすず書房、2001年、新装版2017年)
- E.M.フォースター『老年について』(小野寺健編、小野寺健、川本静子、小池滋、北条文緒共訳、みすず書房[大人の本棚]、2002年)
- エイブラム・カーディナー『戦争ストレスと神経症』(加藤寛共訳、みすず書房、2004年)
- リチャード・ワーナー『統合失調症からの回復』(西野直樹共同監訳、柿木達也、北村登、九鬼克俊、小林俊三、塩山晃彦、白川治、杉林稔、田中究訳、岩崎学術出版社、2000年)
- H.S.サリヴァン述、ロバート・G・クヴァーニス、グロリア・H・パーロフ編『サリヴァンの精神科セミナー』(みすず書房、2006年)
- ロバート・リデル『カヴァフィス 詩と生涯』(茂木政敏共訳、みすず書房、2008年)
- クッファー、ファースト、レジエ編『DSM-V研究行動計画』(黒木俊秀、松尾信一郎共訳、みすず書房、2008年)
- ポール・ヴァレリー『ヴァレリー詩集 コロナ/コロニラ』(みすず書房、2010年)
- ヤニス・リッツォス『リッツォス詩選集――附:谷内修三「中井久夫の訳詩を読む」』(作品社、2014年)
監修[編集]
- 徳田良仁、大森健一、飯森眞喜雄、山中康裕共同監修『芸術療法1 理論編』(岩崎学術出版社、1998年)
- 徳田良仁、大森健一、飯森眞喜雄、山中康裕共同監修『芸術療法2 実践編』(岩崎学術出版社、1998年)
- 監修・解説『中井久夫と考える患者シリーズ1 統合失調症をたどる』(ラグーナ出版、2015年)
- 監修・解説『中井久夫と考える患者シリーズ2 統合失調症をほどく』(ラグーナ出版、2016年)
- 監修・解説『中井久夫と考える患者シリーズ3 統合失調症は癒える』(ラグーナ出版、2017年)
- 監修・解説『中井久夫と考える患者シリーズ4 統合失調症と暮らす』(ラグーナ出版、2018年)
著作集[編集]
- 『中井久夫著作集――精神医学の経験(全6巻別巻2)』(岩崎学術出版社、1984-1991年)[20]
- 「別巻1 H・NAKAI風景構成法」(山中康裕編、1984年)
- 「第1巻 分裂病」(1984年)
- 「第2巻 治療」(1985年)
- 「第3巻 社会・文化」(1985年)
- 「別巻2 中井久夫共著論文集――精神医学の臨床」(山口直彦編、1991年)
- 「第4巻 治療と治療関係」(1991年)
- 「第5巻 病者と社会」(1991年)
- 「第6巻 個人とその家族」(1991年)
- 『中井久夫コレクション(全5巻)』(筑摩書房[ちくま学芸文庫]、2011-2013年)
- 「世に棲む患者」(2011年)
- 「「つながり」の精神病理」(2011年)
- 「「思春期を考える」ことについて」(2011年)
- 「「伝える」ことと「伝わる」こと」(2012年)
- 「私の「本の世界」」(2013年)
- 『中井久夫集(全11巻)』(みすず書房、2017-2019年)[21]
- 「1 1964-1983 働く患者」(2017年)
- 「2 1983-1987 家族の表象」(2017年)
- 「3 1987-1991 世界における索引と徴候」(2017年)
- 「4 1991-1994 統合失調症の陥穽」(2017年)
- 「5 1994-1996 執筆過程の生理学」(2018年)
- 「6 1996-1998 いじめの政治学」(2018年)
- 「7 1998-2002 災害と日本人」(2018年)
- 「8 2002-2004 統合失調症とトラウマ」(2018年)
- 「9 2005-2007 日本社会における外傷性ストレス」(2019年)
- 「10 2007-2009 認知症に手さぐりで接近する」(2019年)
- 「11 2009-2012 患者と医師と薬とのヒポクラテス的出会い」(2019年)
関連文献[編集]
- 木村敏、中井久夫、市川浩、柄谷行人「共同討議 <分裂病>をめぐって――固有名の欠如・不成立」『季刊思潮』No.2(思潮社、1988年)
- 柄谷行人編著『シンポジウム』(思潮社、1989年)
- 木村敏『木村敏対談集2 臨床哲学対話 あいだの哲学』(青土社、2017年)
- 斎藤環、中井久夫、浅田彰「共同討議 トラウマと解離――斎藤環+中井久夫+浅田彰」『批評空間』第3期第1号(批評空間、2001年)
- 斎藤環『解離のポップ・スキル』(勁草書房、2004年)
- 佐藤幹夫『木村敏と中井久夫』(言視舎[飢餓陣営せれくしょん]、2014年)
- 統合失調症のひろば編集部編『中井久夫の臨床作法』(日本評論社[こころの科学増刊]、2015年)
- 『中井久夫――精神科医のことばと作法』(河出書房新社[KAWADE夢ムック]、2017年)
- 山竹伸二『こころの病に挑んだ知の巨人――森田正馬・土居健郎・河合隼雄・木村敏・中井久夫』(筑摩書房[ちくま新書]、2022年)
- 村澤真保呂、村澤和多里『中井久夫との対話――生命、こころ、世界』(河出書房新社、2018年)
- 『現代思想 2022年12月臨時増刊号 総特集=中井久夫』(青土社、2022年)
- 『中井久夫――精神科医が遺したことばと作法』(河出書房新社[KAWADE夢ムック]、2022年)
- 斎藤環著、日本放送協会、NHK出版編集『100分de名著 中井久夫スペシャル 2022年12月』(NHK出版[NHKテキスト]、2022年)
- 檜垣立哉『日本近代思想論――技術・科学・生命』(青土社、2022年)
脚注[編集]
- ↑ a b 中井久夫 「精神科治療学」掲載著作集 紀伊國屋書店
- ↑ a b 美馬達哉「失われた抵抗を求めて――楡林達夫を読む」『現代思想 2022年12月臨時増刊号 総特集=中井久夫』青土社、2022年
- ↑ ファントム空間論[オンデマンド版] (単行本) 金剛出版
- ↑ a b c d e f g h i j k l 神緑会会報誌『神緑会ニュースレター』第5巻第3号(PDF)、2013年11月18日
- ↑ 「こころの医師」中井久夫とは。斎藤環さんによる解説公開 NHK出版、2022年12月5日
- ↑ a b c 精神科医で神戸大名誉教授、中井久夫さん死去 阪神・淡路大震災で精神的ケアに尽力 神戸新聞NEXT、2022年8月9日
- ↑ 初出は川久保芳彦編『分裂病の精神病理9』(東京大学出版会、1981年)。『中井久夫コレクション 世に棲む患者』『中井久夫集1』に所収。
- ↑ 初出は栗原彬編『講座差別の社会学4 共生の方へ』(弘文堂、1997年)。『アリアドネからの糸』『中井久夫集6』に所収。
- ↑ 美馬達哉「失われた抵抗を求めて――楡林達夫を読む」『現代思想 12月臨時増刊号 総特集 中井久夫』(青土社、2022年)からの孫引き。「楡村」は『現代の医療被害』の誤記。
- ↑ 抵抗的医師とは何か 兵庫教育大学
- ↑ 日外アソシエーツ編『新訂 現代日本人名録98 第3巻』日外アソシエーツ、1998年
- ↑ a b c 精神科治療の覚書 (新版) 紀伊國屋書店
- ↑ a b 文化功労者・本学元教授 中井久夫氏に名誉博士号を授与しました 甲南大学、2013年12月18日
- ↑ a b c d e 倉数茂「中井久夫」日本大百科全書(ニッポニカ)
- ↑ a b c d e f g researchmap
- ↑ CiNii 博士論文
- ↑ 『中井久夫集 11 患者と医師と薬のヒポクラテス的出会い』 最相葉月「解説 11」より みすず書房
- ↑ ニュースレター Vol.22 発刊日 2014年5月 公益社団法人ひょうご被害者支援センター
- ↑ 平成25年度 文化功労者 文部科学省
- ↑ 中井久夫著作集【精神医学の経験】全8巻 岩崎学術出版社
- ↑ 中井久夫集 みすず書房
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- J-GLOBAL
- 中井久夫 - arsvi.com
- 中井久夫 - みすず書房
- NEWS 中井久夫神戸大名誉教授が死去─統合失調症研究に貢献、阪神大震災で被災者のケアに尽力 - 日本医事新報社
- 教室紹介(教室の沿革) - 神戸大学大学院医学研究科精神医学分野