ちくま新書

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ちくま新書(ちくましんしょ)は、筑摩書房が刊行している新書レーベル。

概要[編集]

1994年9月創刊。当時の筑摩書房は四六判の選書「ちくまライブラリー」を刊行していたが、選書の棚がある大型店以外では単行本群として扱われるという限界があった。また岩波新書中公新書講談社現代新書の「御三家」に加えて新たに丸善ライブラリーが創刊されたこと、書店から「ちくまライブラリーを新書にしてはどうか」という提案を受けたことで新書に活路を見出し、ちくま新書が創刊される運びとなった[1]。ちくま新書は事実上「御三家」が独占していた教養新書市場に風穴を開け[1]、「第三次新書ブーム」を生み出すきっかけとなった[2]。創刊当初は「哲学思想系のちくま新書」を打ち出していた[1]。2019年現在の編集長は「社会科学ものや歴史もの」が弱いと語っている[2]

ロングセラーに岩田規久男『経済学を学ぶ』(1994年)、竹田青嗣『ニーチェ入門』(1994年)、阿満利麿『日本人はなぜ無宗教なのか』(1996年)、ベストセラーに小谷野敦『もてない男』(1999年)、岩月謙司『女は男のどこを見ているか』(2002年)、玄侑宗久『禅的生活』(2003年)などがある[1]。一部の書目はちくま文庫ちくま学芸文庫、他社の文庫から改訂・再刊されている。

シリーズ[編集]

  • 入門書:竹田青嗣『ニーチェ入門』(1994年)、永井均『ウィトゲンシュタイン入門』(1995年)、石川文康『カント入門』(1995年)など
  • ルポもの:生田武志『ルポ 最底辺――不安定就労と野宿』(2007年)、軸丸靖子『ルポ 産科医療崩壊』(2009年)、飯島裕子ビッグイシュー基金『ルポ 若者ホームレス』(2011年)など
  • 現代語訳シリーズ:玄侑宗久『現代語訳 般若心経』(2006年)、福澤諭吉著・齋藤孝訳『現代語訳 学問のすすめ』(2009年)、渋沢栄一著・守屋淳訳『現代語訳 論語と算盤』(2010年)など
  • 講義もの:筒井清忠編『昭和史講義』(2004年)、高橋典幸五味文彦編『中世史講義――院政期から戦国時代まで』(2019年)、吉見俊哉編『平成史講義』(2019年)など

出典[編集]

外部リンク[編集]