タクシードライバー

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

タクシードライバーとは、タクシーを運転し、利用者を目的地まで安全・円滑に輸送することを生業とする職業である。

概要[編集]

駅、ホテル、繁華街、病院などのタクシー乗り場や街中などで利用者を乗せ、利用者が指定した場所まで安全・円滑に送り届けるのがメインの職業。運転手には安全運転の知識、技術は勿論のこと、自身が営業する地域の地理について深い知識を要求される。
また日本の自動車運転免許における二種免許、イギリスロンドンのノリッジ試験、アメリカニューヨークのメダリオンなどのように、正規のタクシードライバーとして営業するのに特別なライセンスを必要とする。

必要な資格[編集]

日本でタクシードライバーとして働くには二種運転免許が必要になる。タクシードライバーとして営業するには普通車の二種免許で良い。ほとんどのタクシー会社が営業車両をオートマ車化しているため、普通二種免許がAT限定でも問題が生じることは殆どない。

都市部のタクシー会社を中心に乗務員養成制度を整備している。養成制度は普通二種免許が取得できる条件を満たした者に対し、取得にかかる費用を会社が負担するという形で当人に特別な負担を強いることなく、二種免許を取得できるというもの。この養成制度を利用した場合、当該タクシー会社で一定期間勤務を継続する必要がある。

二種免許を取得後、当該地域のタクシー営業を統括する機関(タクシー協会・タクシーセンター)で乗務員登録を行う。登録の際には講習を受講し、必要に応じてペーパーテストも受ける。なお東京23区・武蔵野市・三鷹市、神奈川県横浜市川崎市横須賀市三浦市宮城県仙台市大阪府大阪市池田市箕面市茨木市高槻市摂津市島本町豊中市吹田市東大阪市八尾市守口市門真市堺市高石市泉大津市和泉市忠岡町で営業する場合、地理の効果測定を受験し合格しなければならない。

これらの手続きを経た後は社内研修を受講し、それが終わると晴れてデビューとなる。

勤務形態[編集]

タクシードライバーの勤務形態は多くの場合、隔日勤務または日勤のどちらか。隔日勤務の場合、1日おきの勤務と休みをセットにし、この1セットを何回か繰り返した後に公休が付与される。1日で2日分の勤務をこなすと考えて良い。隔日勤務は1回あたりの勤務時間は17~18時間と長いが、その分1ヶ月の通勤回数は少なく、1回出勤したら次の日は確実に休みなので自由な時間がそこそこ多い。

日勤は毎日出勤と退勤を繰り返すもので、朝出勤して夕方から夜に退勤する昼日勤、夕方から夜に出勤して朝退勤する夜日勤の2パターンがある。1ヶ月の通勤回数は多くなるが、1回あたりの勤務時間は隔日勤務の半分程度と短い。

給与形態[編集]

給与は多くの会社がその月の税抜きの営業収入に対する歩合と基本給の組み合わせを採用しているが、中には完全歩合や固定給の会社もある。歩合率は会社によって異なるが、売上の40%から60%の範囲に多くが収まる。休日出勤の日は歩合率を高くする会社もある。また足切りという事実上のノルマを設定し、歩合給は足切りを超えた金額のみで計算する会社も多い。

固定給の乗務員は定年後の嘱託乗務員や予約専門の乗務員に多い。

またリース制賃金というものもある。これは車両の使用料、燃料、タイヤなどの消耗品費、自動車保険料、定期整備工賃など諸々の諸経費をドライバーに負担させ、それ以外の部分を賃金として支給するというもの。営収が多ければ多いほどドライバーの取り分も増えるが、営収が少ないドライバーは最悪の場合給与がゼロ円になってしまう。ただし日本では「国がタクシー事業者に与えた営業権をタクシー事業者が又貸しする名義貸し」及び労働基準局通達に反する累進歩合制に相当するという理屈で禁止されているが、エムケイタクシーがこの賃金制度を法の抜け道を掻い潜って採用していたことで知られる。

付帯業務[編集]

タクシードライバーはタクシーを運転するだけに留まらず、付帯業務もいくつかこなす必要がある。主に以下の業務がある。

  • 営業車の洗車・清掃
    • タクシー会社によっては洗車機を置いているところもあるが少数派。洗車・清掃を営業所に常駐する職員或いは出張してくる専門業者に任せることが出来る場合もあるが、中には運転手自らがこれらの業務を行うべきと考え、業者への依頼や洗車機の使用を禁じている所もある。
  • 釣り銭の準備
    • 釣り銭はドライバーの私金より出す。国際自動車は会社が釣り銭を貸し出してくれるが、非常にレアなケース。
  • 納金事務
    • 営業を終えて営業所に戻った後、その日の売上を計算する。
  • 日報記入
    • 都市部の大手事業者は日報の記入が自動化されている場合がある。