スクミリンゴガイ
スクミリンゴガイ | |
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分類 | |
界 | 動物界 |
門 | 脊索動物門 |
綱 | 腹足綱 |
目 | 盤足目 |
上科 | リンゴガイ上科 |
科 | リンゴガイ科 |
属 | リンゴガイ属 |
種 | スクミリンゴガイ (竦林檎貝) |
名称 | |
学名 | Pomacea canaliculata (Lamarck, 1819) |
和名 | スクミリンゴガイ |
英名 | Golden apple snail Channeled apple snail |
保全状況 | |
IUCNレッドリスト | 低危険種 (IUCN 3.0) |
スクミリンゴガイとは、 盤足目リンゴガイ科の貝である。「ジャンボタニシ」「ゴールデン・アップル・スネール」とも呼ばれる。
形状[編集]
貝殻は、5cm以上で、最大8cmになる。
殻に赤褐色の線が10~15本ある。
生態[編集]
原産地は、南米。
主に田んぼや用水路で見られる。水中では鰓呼吸、空気中では肺呼吸をする。
雑食性で、植物の芽や動物の死骸、菌類を食べる。
タニシとは異なり、卵を生む。卵はピンク色。水路や稲に産み付けるためよく目立つ。
およそ10日で孵化し、約2ヶ月で成貝になる。
天敵は、フナ、アメリカザリガニ、ゲンゴロウ、コイ、アイガモ、ヘイケボタル等など。
14℃以下になると土の中には潜り、休眠する。蓋を閉じて、休眠する為、半年以上も水の中にいなくても生きることが出来る。
日本で、田んぼにるものは春~初夏にかけて、田んぼに水と入ると、幼貝が活動をし始める。
そして夏に殻高 3~4 cm 程度になり、産卵する。水路や池では成貝も越冬する。
人間との関係[編集]
飼育[編集]
ジャンボタニシは、「ゴールデンアップルスネール」としてアルビノ個体がペットショップ等で出回っている。
本種は水草を食べてしまう為、注意が必要である。
日本への移入[編集]
本種は国際自然保護連合の「世界の侵略的外来種ワースト 100」及び日本生態学会の「日本の侵略的外来種ワースト 100」に指定されている。
スクミリンゴガイとラプラタリンゴガイは1981年に食用にするため、台湾から長崎県と和歌山県に輸入された。日本全国で養殖が行われる様になり、1983年時点で35都道府県、計500ヶ所の養殖場があった。 農水省が有害動物に指定し、沖縄県でスクミリンゴガイから広東住血線虫が発見されたことから養殖されなくなっていった。
現在は関東以南の日本各地に定着しており、在来の貝などと、競合が行われる可能性がある。また水稲やレンコン、タロイモ、イグサを食べるため、農業被害が問題になっている。稲は葉齢が7葉期になる田植え後2~3週間を好む。
海外でもスクミリンゴガイが定着している地域があり、91年にはラオス、95年にはカンボジアで確認されている。
駆除[編集]
本種は、色々な駆除方法が提案されている。
例えば、天敵のカルガモやスッポンを放したり、トラップで捕獲するなどがある。
またスクミリンゴガイは固いものは食べられない為、田植え後、2〜3週間の間、水を少なくし、移植後2週間が経過し、且つ6葉期程度になったら、水を増やし、被害を減らすという方法もある。
規制[編集]
要注意外来生物に指定され、輸入が禁じられている。
滋賀県では、「ふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例」より指定外来種に指定され、飼育が条例違反になり、愛知県では「自然環境の保全及び緑化の推進に関する条例」より公表移入種に指定されており、放流がNGになっている。
利用[編集]
淡水産または陸棲の貝類(巻貝)は寄生虫の中間宿主であるため、「充分に加熱しなければならない」と云われているが、反面、「加熱しすぎると固くて美味ではない」というという評価がある。したがって、アフリカマイマイなどと同様に、「まず臭み抜きをしてから冷凍しろ」というのが防御策である。一度でも寄生虫に感染すると、その寄生虫の成分に対して免疫作用が働いて、アナフィラキシー・ショックを起こすことがある。したがって「最初の一撃」を避ければよいのだが、「似たような寄生虫の成分にアレルギーを持っている」可能性もあるので注意されたい。