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フナ

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
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フナ
分類
ドメイン 真核生物
動物界
脊椎動物門
条鰭綱
コイ目
上科 コイ上科
コイ科
亜科 コイ亜科
フナ属
名称
学名 Carassius
Nilsson, 1832
和名 フナ (鮒)

フナとは、コイ目コイ科の内、フナ属に属する魚類の総称である。

概要[編集]

体長は20〜40cm。背部は黒灰色で、腹部は銀白色

ユーラシア大陸の寒帯から亜熱帯域、日本各地、北アメリカの湖・沼・池でみられる。

コイに似ているが、体高が低く、口髭が無い事で見分けられる。

冬になると水深の深い場所に潜むようになる。小型の甲殻類・昆虫・植物を食べる。

オレンジ色の「ヒブナ」やヒレが長い「テツギョ」など色々な変種が存在する。ヒブナを飼育観賞用に改良したのが「金魚」である。

またコイと交雑することもある。

分類[編集]

フナの分類は、混乱しており、色々な説が存在している。

フナ類を2種に分けるという説[注 1]やユーラシア大陸には、2つの集団が共存しているという説がある。

FishBase(2023)には、以下のものが有効な種として記載されている[1]

日本には、以下の6群がいるとされている。この6群をすべて別種とする説や6群を2種4亜種、3種3亜種とする説もある。

上記の6群以外にも沖縄県と石垣島、北海道からは、それぞれ未記載種のフナが存在することが判明している。また日本で金魚が外来種として定着している。

遺伝子解析[編集]

鈴木らは、2013年にゲンゴロウブナ・ギンブナ・ニゴロブナをRAPD分析した所、ニゴロブナは1300bp、ギンブナは440bp、ゲンゴロウブナは1800・1700・1000 bpのバンドが得られたという結果になった[2]

山本らによる2010年の研究によれば、遺伝子的に5郡に分かれるとされた。

  • A ゲンゴロウブナ
  • B C. auratusとギンブナ
  • C ギベリオブナ
  • D-I 3倍体ギンブナとキンブナ
  • D-II ギンブナとオオキンブナ
  • D-III ギンブナ2倍体ギンブナ、ニゴロブナ、ナガブナ、オオキンブナ、キンブナ

2012年の研究によると、形状的に5群、遺伝子的に以下の6群に分けることが出来るとされた[3]

  • Carassius auratus 中国産フナ属の一種
  • Carassius gibelio I ギベリオブナ
  • Carassius gibelio II カザフスタン産のフナ属一種
  • Carassius langsdorfii ギンブナ
  • Carassius cuvieri ゲンゴロウブナ
  • Carassius carassius ヨーロッパブナ

脚注[編集]

注釈
  1. この説ではヨーロッパ産のヨーロッパフナ(C.carasius)とユーラシア大陸のCarassius auratusの2種であるとされる。
出典
  1. Carassius”. fishbase. 2023年10月29日確認。
  2. 鈴木誉士、永野元、小林徹、上野紘「RAPD 分析による琵琶湖産フナ属魚類の種・亜種判別およびヨシ帯に出現するフナ仔稚魚の季節変化」、『日本水産学会誌』第71巻第1号、日本水産学会、2005年、 10-15頁、 doi:10.2331/suisan.71.10
  3. Lukáš Kalous; Joerg Bohlen; Kateřina Rylková; Miloslav Petrtýl (2012). “Hidden diversity within the Prussian carp and designation of a neotype for Carassius gibelio (Teleostei: Cyprinidae)”. Ichthyological Explorations of Freshwaters 21 (1): 11-18. https://www.researchgate.net/publication/235798362_Hidden_diversity_within_the_Prussian_carp_and_designation_of_a_neotype_for_Carassius_gibelio_Teleostei_Cyprinidae.