クロスボウ

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
ハンティング用のクロスボウ(日本では法律上、狩猟に弓は使えない模様)
Wikipedia-logo.pngウィキペディアクロスボウの項目があります。

クロスボウ(crossbow)とは、中世ヨーロッパ狩猟戦争に使われたの一種である。

アラビア中国でも使われたが、日本では使われた記録は殆どない。

日本語では、石弓(いしゆみ)、弩(いしゆみ)又は(ど)と訳される。

構造[編集]

矢を置く溝が彫られた本体と、本体の先の方に水平に取り付けられた弓からなる。

そのほかに、引いた弦を掛けるフック、フックを固定しておいて発射の際に固定を解除するトリガーが取り付けられている。フックは幅が広く矢に干渉しないよう中央が削られて左右に分かれたような形状をしている。

大抵は、弦を引く際に足を掛ける鐙状のフットレバーが前端に取り付けられている。

通常はフットレバーに足を掛け両手を使って弦を引くが、特に強力なものは、弦を引くのに梃子クランク滑車などを使う。

矢羽根は、本体と干渉しないように、後方から見て9時、12時、3時の位置に合計3枚取り付けられている。現代のクロスボウは中世のものよりも矢を置く溝が深く彫られており、矢羽根は10時、2時、6時の位置に合計3枚取り付けられている。

矢を上から押さえて脱落を防止する弱いバネがフックの近くに取り付けられている。

歴史[編集]

発明されたのはアラビアと言われている。その後、ヨーロッパに伝えられて十字軍の時代には広く使われた。

しかし、古代ローマではバリスタと呼ばれる大型の攻城用の弓が使われており、そちらが起源である可能性もある。

百年戦争の頃、フランス軍はクロスボウを使ったのに対して、イギリス軍は長弓を使った。

その後、の発明によって使われなくなるのだが、不発の可能性が皆無のクロスボウは、初期の銃よりも信頼性が高く、銃が発明されてからもしばらく使われたようである。

中国では日清戦争のときまで使われていた。村田銃を相手にしてもクロスボウでは勝ち目がなかったと思われる。

第一次大戦では、敵の塹壕に爆発物を投げ込む必要からグレネードランチャー代りに使われた。

グリーンベレーというアメリカ映画の中には、ベトナム戦争でアメリカ軍の特殊部隊が敵の歩哨を倒すために銃声のしないクロスボウを使用するシーンがあり、ベトナム戦争でも少々使われていたかも知れない。

アメリカや、東南アジアでは今でも狩猟に使われている。

長所と短所[編集]

長所[編集]

  • 普通の弓と比べて、命中精度が非常に高い。
  • 狩猟にも適している。
  • 兵士が普通の弓で、矢を目標に命中させられるようになるには、かなりの訓練が必要だが、クロスボウならば比較的短期間の訓練で使いこなせるようになる。
  • 普通の弓と違って弦を引くのに両手が使えるので、強い弓が取り付けてある。故に至近距離であれば鎧を簡単に撃ち抜いてしまう。
  • 特に、城が敵から攻撃を受けているときに、城壁の上などから使用すると絶大な効果を発揮する。

短所[編集]

  • 普通の弓より複雑な構造をしており高価で、戦争のときに大量に調達するのが難しい。
  • 弦を引いて矢をセットするのに時間が掛かり連続発射は困難である。徒歩の接近戦では、矢を発射してから次の発射まで手間取り、その間に殺られる可能性がある。
  • イギリス軍が使用した長弓はクロスボウに引けを取らないほど強力で、しかも連射ができ、それと比較すると効果的な武器とは言えない。
  • 通常の弓と比べて、遠方を狙うときに、どれくらい上を狙ったら良いのかを感覚的に判断しにくく、遠方の敵集団の中に矢を射込んで撹乱させるような使い方には不向きである。
  • 接近戦であれば威力は強いのだが、矢の到達距離は長弓よりも短い。矢は長い方が慣性が大きいが、矢が長くても短くても空気抵抗は殆ど変わらないためと言われている。

その他[編集]

銃は照準を合わせるときに、銃身の上に取り付けられた照星と照門を使う。このため銃弾の発射線と照準線には少々のズレがある。しかし、初期のクロスボウの場合は、矢を真後ろから覗き込むようにして照準を合わせるので、矢の発射線と照準線との間のズレが全くない。至近距離であればクロスボウは銃よりも命中精度が高いと言われるのはこのためである。しかし、矢の脱落防止用のバネが取り付けられたり、フロントサイトや可動式のリアサイトなどが取り付けられているクロスボウの場合は、矢を真後ろから覗き込むことが難しい。

矢の速度は銃弾よりも遥かに遅く、距離が同じならば矢は銃弾よりも桁違いに大きく降下する。このため現在の競技用や狩猟用のクロスボウには大抵、距離に応じて矢の発射角度を上向きにするための可動式リアサイトが不可欠である。

クロスボウの弦を掛けるフックの凹字型形状は、後に発明されることになる銃の照門のデザインに影響を与えることになる。

クロスボウには銃声はないが、弦楽器を弾いたときのような発射音がある。

銃弾は一回しか使用できないが、矢は回収して繰り返し使うことができる。

クロスボウが登場する映画[編集]

最後の巨人(石油が無くなり文明も崩壊した未来の物語で、銃弾が使い果たされてしまったことを演出するためか、クロスボウが登場する)

マッドマックス2(最後の巨人と同様、しかし銃も登場する)

ロビンフッド(主人公は長弓を使用。敵がクロスボウを使用)

グリーンベレー(ベトナム戦争で特殊部隊が使用)

1492コロンブス(サンサルバドルに上陸したコロンブス一行の中にクロスボウで武装している者がいる。この時代は、銃の信頼性の低さを補うためにクロスボウがまだ使われていたようである)

など

動画[編集]

  • 旧式のクロスボウの紹介
YouTube 動画リンク
  • Tenpoint Stealth SSの紹介
YouTube 動画リンク
  • Tenpointのクロスボウでクマを狩る
YouTube 動画リンク

関連項目[編集]