白石冬美
白石 冬美(しらいし ふゆみ、昭和11年(1936年)10月14日 - 平成31年(2019年)3月28日)は、日本の女優、声優、ナレーター、ラジオパーソナリティ。本名は白石 芙美子(しらいし ふみこ)。賢プロダクション所属。昭和時代を代表する名声優の一人である。
略歴[編集]
中華民国の北京出身。家族と共に中華民国から引き揚げると静岡県で育った。高校時代に中村錦之介の時代劇に憧れて静岡県から上京し、SKD(松竹歌劇団)に入る。その後、東宝の芸能学校に転じた。日劇ダンシングチームにも入ったが、その個性的な声のため、CMの仕事を契機にして声優として転向した。主な役に怪物くん、オバケのQ太郎のドロンパ、巨人の星の明子姉さん(主人公の星飛雄馬の姉)、機動戦士ガンダムのミライなどがある。
1960年代はまだ声優としてのジャンルが無かったが、その中でCMやアニメで声の活動を開始し、昭和42年(1967年)には「パック!・イン・ミュージック」の放送が開始されると、野沢那智とのコンビで金曜パーソナリティーに抜擢され、チャコの愛称で呼ばれて人気になった。「チッチャイ子」であるから「チャコ」と呼ばれるようになったといわれる。
エッセイストでもあり、「おしゃべりな花」や「十二人の猫たち」などの著書がある。
晩年は東京都世田谷区の自宅で1人暮らしをしていたが、連絡が取れないことを不審に思った親族が2019年3月28日に尋ねたところ、意識不明の状態で白石が倒れており、その後、死亡が確認されたという。死因は虚血性心不全であったという。82歳没。
家族には妹がいる。
出演[編集]
※太字はメインキャラクター。
テレビアニメ[編集]
| 1964年 |
| 1965年 |
- W3(ボッコ隊長)
| 1966年 |
- おそ松くん(トト子、松野カラ松〈代役〉)
- 魔法使いサリー(ポロン、カオル)
- レインボー戦隊ロビン(アンヌ〈2代目〉)
| 1967年 |
| 1968年 |
- 怪物くん(モノクロ版)(怪物太郎[5])
- 巨人の星(星明子[6])
- ゲゲゲの鬼太郎(第1作)(雪ん子)
- サイボーグ009(001 / イワン・ウィスキー[7]、ミッチィ、リタ)
- 佐武と市捕物控(お浪)
| 1969年 |
- 巨人の星対鉄腕アトム(星明子)
- 紅三四郎(ジェーン)
- 忍風カムイ外伝(子供)
- ハクション大魔王(ケチオ)
- ひみつのアッコちゃん(第1作)(勇)
| 1970年 |
- あしたのジョー(1970年 - 1980年、サチ[8]) - 2シリーズ
- 昆虫物語 みなしごハッチ(ミツバチのミツコ)
- 動物村ものがたり(ナレーション)
| 1971年 |
- 国松さまのお通りだい(サチ)
- 珍豪ムチャ兵衛
| 1972年 |
| 1973年 |
| 1974年 |
- 星の子チョビン(チョビン)
| 1975年 |
| 1976年 |
- アラビアンナイト シンドバットの冒険(九官鳥 / シェーラ[10])
- リトル・ルルとちっちゃい仲間
- ろぼっ子ビートン(ビートン〈2代目〉)
| 1977年 |
| 1978年 |
- 銀河鉄道999(スルー、クロサリス)
- ピンクレディー物語 栄光の天使たち(お話し)
- 無敵鋼人ダイターン3(戸田突太〈トッポ〉[7])
| 1979年 |
1980年
- 釣りキチ三平(高山ユリ[15])
- 伝説巨神イデオン(イムホフ・カーシャ)
- メーテルリンクの青い鳥 チルチルミチルの冒険旅行(チレット)
- ふた子のモンチッチ(モンチッチくん)
| 1981年 |
- カバ園長の動物園日記(マサル)
- ハニーハニーのすてきな冒険(フローレル姫)
- めちゃっこドタコン(団チョビ子)
| 1982年 |
- あさりちゃん(カケス)
- Dr.スランプ アラレちゃん(アン子)
- 忍者ハットリくん(ツバメ)
- パタリロ!・ぼくパタリロ!(パタリロ・ド・マリネール8世[5])
| 1983年 |
- イーグルサム(グズラン)
- 吾輩は犬である ドン松五郎の生活(お銀)
| 1984年 |
- コアラボーイコッキィ(ルイス)
- とんがり帽子のメモル(グレイス)
| 1985年 |
| 1988年 |
- シティーハンター2(ナリオ)
| 1989年 |
| 1991年 |
- どろろんぱっ!(小野小町)
| 2003年 |
- 高橋留美子劇場(シマちゃん)
| 2008年 |
- おじゃる丸(花実)
| 2011年 |
- 日常(第11話予告ナレーション / 泥・鉄球)
| 2013年 |
- まおゆう魔王勇者(夢魔鶫)
| 2014年 |
OVA[編集]
| 1984年 |
- BIRTH(モンガー)
| 1989年 |
- 機動戦士SDガンダム(ミライ、フォウ)
| 1992年 |
- ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日(サニー・ザ・マジシャン)
劇場アニメ[編集]
| 1969年 |
| 1970年 |
- ちびっ子レミと名犬カピ(ベアトリーチェ)
| 1980年 |
- あしたのジョー(サチ)
- サイボーグ009 超銀河伝説(001 / イワン・ウイスキー)
| 1981年 |
- あしたのジョー2(サチ)
- 機動戦士ガンダム(1981年 - 1982年、ミライ・ヤシマ、カツ・ハウィン) - 3作品
- 世界名作童話 白鳥の湖(マルガリータ)
| 1982年 |
- セロ弾きのゴーシュ(ねこ)
- 伝説巨神イデオン 接触篇・発動篇(イムホフ・カーシャ)
- 浮浪雲(お花[22])
| 1983年 |
| 1984年 |
| 1985年 |
| 1986年 |
- オバケのQ太郎(1986年 - 1987年、ドロンパ) - 2作品
| 1988年 |
- 機動戦士SDガンダム(ミライ)
- 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(ミライ・ノア[24])
| 1999年 |
- ドラえもん のび太の宇宙漂流記(リアン)
| 2005年 |
- 機動戦士ΖガンダムII A New Translation -恋人たち- / -星の鼓動は愛- (2005年 - 2006年、ミライ・ノア) - 2作品
ゲーム[編集]
| 1984年 |
- 機動戦士ガンダム PART-2 翔ベ!ガンダム(ミライ・ヤシマ)| 1992年 |
- 天外魔境II 卍MARU(おミル)
| 1993年 |
| 1995年 |
- 機動戦士ガンダム(ミライ・ヤシマ、カツ・ハウィン)
| 1997年 |
- スーパーロボット大戦シリーズ(1997年 - 2005年、イムホフ・カーシャ、戸田突太) - 6作品[注 1]
| 2000年 |
- SDガンダム GGENERATION シリーズ(2000年 - 2009年、ミライ・ヤシマ) - 4作品
| 2011年 |
- リトルビッグプラネット2(ビクトリア・ヴォン・バシースフィア) ※日本語版
パチスロ[編集]
- パチスロ あしたのジョー2(2013年、サチ)
吹き替え[編集]
映画[編集]
- 激突!(ラジオのDJ) ※テレビ朝日版
- ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(ジュディ・ジャクソン)
海外ドラマ[編集]
海外アニメ[編集]
特撮[編集]
- ウルトラマンレオ(わんぱく怪獣タイショーの声、第40話の人形の声)
- スーパーロボット レッドバロン(第17話のメカ少女あづさの声)
- チビラくん(ドナールのボスの声、ハレハレの声、シヘラの声)
ラジオ[編集]
- いう気リンリン 那智チャコワイド(文化放送)
- いちご列車(TBSラジオ)
- キンキンのサタデー歌謡ベストテン(文化放送)
- 月刊愛川欽也・キンキンのパックインミュージック(TBSラジオ)
- パックインミュージック(TBSラジオ)
- 伊東四朗のあっぱれ土曜ワイド(文化放送)
- ナッチャコのおじゃまな関係(ニッポン放送)
- 那智チャコ ハッピーフレンズ(文化放送)
- 野沢那智のYou Got a Friends(夕方フレンズ)(文化放送)
- ラジオ深夜便 時代を創った声(NHKラジオ第1、2019年3月3日放送)※ 自伝を語った。
テレビドラマ[編集]
- おれは男だ!(ラジオのDJ)
- スターダッシュナンバー1(寮母)
CM[編集]
人形劇[編集]
テレビ番組 [編集]
- 世界の結婚式(TBS) - ナレーター
- 明色お笑いゲーム合戦(毎日放送) - 司会
- TVジョッキー歌の星座(1970年、TBS) - 司会
- BS 俳句王国(2004年、NHK衛星第2テレビジョン)
その他[編集]
音楽[編集]
- 野沢那智とデュエット
- 青山レイニィ・ナイト
- おいらケムケム
- テレフォンラブ
- 青山レイニィ・ナイト(古川登志夫とデュエット)
- オー・チン・チン((ハニー・ナイツ、フール・サンズと共演) ※アストロミュージック盤
- おれは怪物くんだ
- 怪物くん音頭
- キラキラ輝く太陽(「イルカと少年」主題歌)
著書[編集]
- TBSパックインミュージック制作班(著):(野沢那智、白石冬美版)「<続々>もう一つの別の広場」、ブロンズ社 (1970年)。※「もう一つの別の広場」は年代別バージョンあり。
- 白石冬美, 灘本唯人 (イラスト):「チャコの童話集 おしゃべりな花」、山梨シルクセンター出版部(サンリオ) (1973年3月10日)。
- 白石冬美:「十二人の猫たち」、話の特集社 (1978年12月)。
- 白石冬美:「真夜中の笑い猫」風門社、ISBN4795241066 (1984年)。
- 白石冬美:「猫のしっぽ 101匹猫の俳句大行進」、河出書房新社、ISBN9784309008059、(1992年12月)。
他にも多数。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ↑ “ビッグX”. 手塚治虫公式サイト. 2016年6月12日確認。
- ↑ “パーマン”. メディア芸術データベース. 2016年10月10日確認。
- ↑ “ピュンピュン丸”. 東映アニメーション. 2016年6月11日確認。
- ↑ “リボンの騎士(パイロット)”. 手塚治虫公式サイト. 2016年5月21日確認。
- ↑ a b c d “「白石冬美の声優道」『声優グランプリWEB』”. 2013年8月31日確認。 “『all cinema』”. スティングレイ. 2013年8月31日確認。
- ↑ “巨人の星”. トムス・エンタテインメント. 2016年6月17日確認。
- ↑ a b “『all cinema』”. スティングレイ. 2013年8月31日確認。
- ↑ “あしたのジョー”. メディア芸術データベース. 2016年11月27日確認。
- ↑ “イルカと少年”. エイケン オフィシャルサイト. 2016年6月19日確認。
- ↑ “アラビアンナイト シンドバットの冒険”. 日本アニメーション. 2016年6月3日確認。
- ↑ “新巨人の星”. トムス・エンタテインメント. 2016年6月17日確認。
- ↑ “新巨人の星II”. トムス・エンタテインメント. 2016年6月17日確認。
- ↑ “ジェッターマルス”. 東映アニメーション. 2016年5月23日確認。
- ↑ 日本サンライズ「機動戦士ガンダム記録全集」第2巻キャスト&声優リスト・180頁
- ↑ “釣りキチ三平”. 日本アニメーション. 2016年6月23日確認。
- ↑ “EPISODE16”. 『スペース☆ダンディ』公式サイト. 2014年7月20日確認。
- ↑ “巨人の星 血ぞめの決勝戦”. トムス・エンタテインメント. 2016年6月17日確認。
- ↑ “巨人の星 行け行け飛雄馬”. トムス・エンタテインメント. 2016年6月17日確認。
- ↑ “巨人の星 大リーグボール”. トムス・エンタテインメント. 2016年6月17日確認。
- ↑ “巨人の星 宿命の対決”. トムス・エンタテインメント. 2016年6月17日確認。
- ↑ “巨人の星(劇場版)”. トムス・エンタテインメント. 2016年6月17日確認。
- ↑ “浮浪雲”. マッドハウス. 2016年5月20日確認。
- ↑ “パタリロ! スターダスト計画”. メディア芸術データベース. 2016年9月28日確認。
- ↑ “機動戦士ガンダム 逆襲のシャア”. メディア芸術データベース. 2016年11月17日確認。