『長靴をはいた猫』は、古くからヨーロッパに伝わる昔話である。
1697年にフランスの作家シャルル・ペローが編纂したものが有名。ペローの創作と誤解されることもあるが、実際にはより古くから存在する作者未詳のお話である。
知名度について[編集]
現在では「タイトルは知っているが内容は知らない系昔話」の代表格的なところがある。
1936年に発表されたチェスタトンの推理小説『高すぎる話』のなかでも、この昔話が忘れ去られつつある現状が嘆かれている。
「あなた方は『長靴を履いた猫』の話を御存知ない。そのくせ、今は"教育"の時代だなどと世間では言うんですからな」
「知ってますよ。そいつは利口な
猫や何かの話でしょう」バットが曖昧に言った。「猫が御主人様を助けて、いろいろな物を――」
(中略)
「私が問題とし、遺憾に思い、深刻な知的頽廃の兆候と認めるのは、『長靴を履いた猫』の物語に巨人が出て来るのを、みなさんが御存知ないらしいことです。…
— 『ポンド氏の逆説』(南條竹則・訳)
当時のヨーロッパ人にとっても、すでにうろ覚えとなる存在であったようだ。