渋谷駅線路切り替え工事による臨時ダイヤ (2021年・2023年)
本項目では、計3度にわたって行われた渋谷駅の線路切り替え工事に伴う山手線運休に伴う臨時ダイヤについて述べる。
実施日時[編集]
以下の三段階に分けて山手線渋谷駅に関連する工事が行われ、各日共にそれに伴う臨時ダイヤが組まれた。
概要[編集]
工事期間中、山手線は一部区間で片方向のみ運転を取りやめた。運休区間内の各駅へは、山手線の逆方向の列車と埼京線・湘南新宿ラインを利用した迂回乗車が呼びかけられたほか、他社線への振替輸送も実施された。
山手線[編集]
2021年10月・2023年11月19日[編集]
山手線内回りは、池袋駅から新宿駅を通り大崎駅までの区間で運転を取りやめた。内回りの残りの区間(大崎駅から東京駅を通り池袋駅まで)では通常より大幅に本数を減らし、折り返し運転を行った。
外回りは通常より本数を減らしながら環状運転を行った。
- 外回り
- 内回り
- 大崎→東京→池袋:折り返し運転の列車が、通常より大幅に本数を減らして運転(約10分間隔)[3]
- 池袋→新宿→大崎:運休
池袋駅では、6番線を内回りの終着列車、7番線を外回り環状列車、8番線を外回りの始発列車が使用。目白方の引き上げ線で折り返しが行われた。
大崎駅では、1・2番線を内回りの始発列車、3番線を外回り環状列車、4番線を外回りの終着列車が使用。品川方にある東京総合車両センターへの回送線で折り返しが行われた。
2023年1月・2023年11月18日[編集]
上記とは外回りと内回りが入れ替わっている。
- 外回り
- 大崎→新宿→池袋:運休
- 池袋→東京→大崎:折り返し運転の列車が、通常より大幅に本数を減らして運転(約10分間隔)
- 内回り
- 大崎→東京→池袋:環状運転の列車と折り返し運転の列車を合わせ、約3分間隔で運転
- 池袋→新宿→大崎:環状運転の列車が、通常より本数を減らして運転(約5分間隔)
池袋駅では、5番線を内回りの終着列車、6番線を内回り環状列車、7・8番線を外回りの始発列車が使用。目白方の引き上げ線で折り返しが行われた。
大崎駅では、1番線を内回り環状列車、2番線を内回りの始発列車、3番線を外回りの終着列車が使用。品川方にある東京総合車両センターへの回送線で折り返しが行われた。
京浜東北線[編集]
京浜東北線では、山手線と並行する品川駅 - 田端駅間における快速運転を取り止め、全ての列車を各駅停車で運転した。
山手貨物線[編集]
大崎 - 新宿 - 池袋間で並行し、埼京線・湘南新宿ラインなどの列車が走行する山手貨物線では、下記のような対応が行われた。日中の新宿以南では通常毎時11本が走行するところに毎時15 - 16本の列車が設定されるなど、終日にわたって線路容量ギリギリまで増発が行われた結果、同線上に存在する3か所の踏切が開かずの踏切となり、安全確認による非常停止が多発。2021年10月23日には青山街道踏切で遮断桿が折れるトラブルも発生したが、軽微な遅延のみで大きな影響には至らなかった。
これらの増発を行ってもなお多くの乗客が詰めかけたため、一部列車やホームでは通勤ラッシュを超える地獄絵図と化していた。
埼京線・りんかい線・相鉄線直通[編集]
埼京線・りんかい線は赤羽駅以南で大増発が行われた。大宮方面から新宿止まりの列車の多くをりんかい線内折り返し列車と繋げる形で新木場駅まで延長運転。それ以外にも増発が行われ、「川越線からの東京テレポート行き」などのレア行先も注目を集めた。
相鉄線直通列車は、相鉄線方面からの新宿行きを全て池袋駅まで延長運転した。
湘南新宿ライン[編集]
埼京線と線路を共用する湘南新宿ラインについては、ダイヤの変更は行われなかった。
臨時列車[編集]
2021年[編集]
新宿駅と品川駅を結ぶ臨時列車が毎時2本程度運転された。成田エクスプレスが使用する線路を利用し、途中渋谷駅・恵比寿駅に停車し、大崎駅は配線の都合で通過となった。
品川駅では横須賀線ホームの14番線、新宿駅では2番線を使用して折り返しが行われた。新宿駅2番線は通常は相鉄線直通列車が折り返しに使用するが、同列車が池袋までの延長運転を行ったことで空いたホームを活用する形となった。
使用車両は、通常は湘南新宿ラインで運用に就くE231系近郊タイプとE233系3000番台の15両編成。4号車と5号車に連結されているグリーン車については「通路扱い」「ご利用いただけません」などと案内され、グリーン券を誤購入した場合の払い戻し方法についても案内された。しかし、乗降ドアや車両間の貫通扉の締め切り措置や乗車排除などが行われなかったことから「無料開放」と解釈してグリーン車に乗車する鉄道ファンが後を絶たなかった。乗車可否をめぐっては駅員や車掌の案内が食い違うなどグレーゾーンといえる形となった。
詳細は「品川新宿ライン」を参照
2023年1月[編集]
新宿駅と大崎駅を結ぶ臨時列車が毎時1本程度運転された。運行区間・停車駅ともに普段の湘南新宿ライン・埼京線と同じものであるが、旅客案内上「臨時列車」として区別された。
大崎駅では6・7番線、新宿駅では前回同様に空いた2番線を使用。使用車両も前回と同じE231系近郊タイプとE233系3000番台の15両編成であった。物議を醸していたグリーン車の扱いは、ホーム上に設置されているグリーン車券売機には営業しない旨の案内がされていたが、実際は特に変化はなかった。
詳細は「大崎新宿ライン」を参照
2023年11月[編集]
新宿駅と大崎駅を結ぶ臨時列車が毎時1本程度運転された。普段の埼京線と同じE233系7000番台が充当され、臨時列車ではなく単なる「各駅停車」として案内された。
大崎駅では6・7番線、新宿駅では2番線を使用。グリーン車は連結されておらず、鉄道ファンが大挙することもなかった。
利用客の反応[編集]
- 2021年の場合
運休区間の駅で、電車に来ないホームに並び続けていた客がいたというツイート[4]がある。 また、渋谷駅のホームが拡幅されたことについて、過去の渋谷駅とは同じ駅だと思えないという趣旨のツイートが多数寄せられている。
- 2023年1月の場合
前回と同様に運休区間の駅で、電車に来ないホームに並び続けていた客がいたが、前回よりはその数は減少した。また、在京マスメディアは目白駅のことをこぞって陸の孤島と表現した。