最終電車

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東京メトロ副都心線から横浜方面への最終電車

最終電車(さいしゅうでんしゃ)とは、鉄道路線において、当日の営業で一番最後に運行される電車のこと。通称終電。路線により最終車終車と呼ばれることもある。これに乗り遅れたり乗り過ごしたりすると、ホテルやネットカフェに泊まる、割高の深夜バスに乗って帰る、タクシーを拾って帰るなど、余計な出費に泣くことになる。それなのに、「まだ終電があるから大丈夫」などと際限なく飲み続ける酔っぱらいも多く、本気の駆け込み乗車や、深夜とは思えない混雑が発生する電車でもある。

終電時刻[編集]

最終電車が設定される時間は路線により、都市部の電車であれば0時台後半〜1時台が多い。対になる概念は1日で一番最初に走る始発電車で、こちらは都市部であれば4時台〜5時台前半になる。この空白の数時間で、線路の点検や工事を行う。なお、郊外部だと0時台後半〜1時台運行の最終列車がある区間でも、始発列車が5時台後半と遅い地域がある。

初日の出・初詣用などの電車を深夜も走らせる終夜運転の場合、最終電車の概念は存在しないが、JRの電車特定区間の場合、青春18きっぷでは通常の始発電車の前の最後の増発列車を最終電車と見做している。

新幹線[1]の場合、騒音等の問題により、通常は午前0時から6時までの運行列車を設定できない。2018年3月17日改正時点のダイヤでは、例えば東海道新幹線山陽新幹線の場合、下り列車で最後に始発駅を発車する列車はこだま809号 三島行きで、東京駅を22時47分に発車する。到着時刻が一番遅い列車はのぞみ129号 広島行き、のぞみ133号 岡山行き、のぞみ135号 姫路行きで、いずれも終点には23時55分に到着となる。

なお、JRで最も早い終電時刻は日豊本線重岡駅から下り延岡駅方面で、午前6時47分発の延岡行き始発電車が最終電車である。それ以降に終電を迎える駅に関しては最終列車の早い駅一覧を参照。

行き先[編集]

基本的に、最終電車は車両基地や留置線がある駅までの運行になっている場合が多い。終点の駅に車庫がない場合は 「夜間滞泊」 といい、翌朝まで駅などに停車させる場合がある。

行先別に複数の最終電車があることも多い。A駅-B駅-C駅と繋ぐ路線を例にすると、1日で最後のA駅発C駅行きは、B駅からC駅までを走る最後の電車なのでC駅行きの最終電車、その後にA駅発B駅行きがあると、B駅行きの最終電車かつA駅を発車する最後の電車になる。

その他[編集]

  • 駅では最終電車が行くと営業終了となり、乗りそこねた乗客をホームに放っておくわけにもいかないので、多少遅延してでも乗客を乗せる場合もある。
  • また、終着駅では、深夜帯かつ酔っぱらいが多いという眠気コンボのため起きない乗客も多く、車庫で放っておくわけにもいかないので、駅員や車掌が起こして回る。定番のセリフはお客さん、終点ですよー!であり、漫画などでネタに上がることもある。ただし稀に、車掌に気付いてもらえず、車庫で目覚める乗客もいる。
  • 郊外部では、最終列車の遅い方向と逆方向の最終列車が著しく早い事例が多い。例えば、国府津駅は東海道線下り終電の到着が午前1時台である反面、上り終電は23時台である。
  • 車庫等の関係で乗降実態から想像できない遅い終電が設定される路線もあり、例えば近鉄吉野線吉野駅では、留置線のある六田駅への回送も兼ねて午前0時前後の最終列車が設定されている。YouTube 動画リンク
  • 一部のブラック企業では、終電の時刻が、列車通勤の社員に帰宅を許す時間の目安となっている。しかし、さらにブラックになると、終電で帰宅させないために列車通勤そのものを推奨しないケースもあるとか無いとか。
  • 最終気動車ってどう略すのだろう?終電は間違いな気がする。

最終電車を題材とした作品[編集]

脚注[編集]

  1. 山形新幹線福島新庄駅間、秋田新幹線盛岡秋田駅間は在来線の扱いになるためここでは含まれない。