日本共産党(行動派)

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
日本共産党行動派から転送)
ナビゲーションに移動 検索に移動

日本共産党(行動派)(にほんきょうさんとう こうどうは)は、日共左派系の新左翼党派。

概要[編集]

日本共産党の旧所感派の流れを汲む党派である[1]。「大武思想」を指導思想としており、最高指導者である大武礼一郎(首藤恵行)議長による独裁色、また大武に対する個人崇拝色が強いことが特色である[2]徳田球一スターリンに対する崇拝も見られる[1]。公式サイトのトップには、マルクスエンゲルスレーニン・スターリン・毛沢東・徳田球一・大武礼一郎の6人の写真を掲載している[3]

2019年現在の指導体制は大武礼一郎名誉議長、森久議長、平岡恵子書記長。

本部所在地は東京都江東区猿江2丁目16番地23号 ダイアパレス猿江恩賜公園1410号[3]。1980年代は千代田区一ツ橋[2][4]、2013年時点では墨田区江東橋に本部があった[5]

機関紙は『アカハタ』[2]。少なくとも1992年までは刊行されていたが[6]、現在は刊行されていない。

下部組織に日本人民戦線があり[1]、機関紙『人民戦線の旗のもとに!』を刊行している。かつて行動派党の傘下団体として「日本共産主義青年同盟(行動派)」があったが[2]、1985年以降は存続しているのか不明である。

1980年代には約100名の勢力を有していた[2]。名前の知られたメンバーには丹野セツ渡辺政之輔の未亡人、87年没)[4]徳田たつ(徳田球一の未亡人、89年没)[7]佐藤正(中央委員)などがいる。

沿革[編集]

1979年7月、日本共産党(プロレタリア革命派)共産主義者同盟国際主義派が「日本共産党再建準備会議」を開催[8]。1980年7月15日、両派が合体して日本共産党(行動派)が結成された[2][9]

日本共産党(行動派)によれば、日本共産党関西地方委員会委員であったが、1955年の六全協で指導部から排除され、1958年の党第7回大会で宮本路線と決別した大武礼一郎が、1960年5月12日に「プロレタリア革命派」を組織し、『政治メモ』を発刊。1966年11月1日に同派の政治新聞『前線』を創刊。1967年12月17日に日本マルクス・レーニン主義運動第1回全国大会を開催。1980年7月15日に日本共産党(行動派)再建大会を開催した[10]。この再建大会には大武の呼びかけで日本共産党プロレタリア革命派、共産主義者同盟(国際主義派)、労働団運動団体などの代表数十名が出席した[11]

『戦後革命運動事典』の系図によれば、日本マルクス・レーニン主義運動が日本共産党(行動派)となり、行動派党に共産主義者同盟国際主義派が合流した[12]

『新左翼三十年史』の系図によれば、日本共産党(行動派)に日本共産党(プロレタリア革命派)と共産主義者同盟(国際主義派)が合流した[13]

1981年7月15日、八王子市東京霊園に「革命英雄記念碑」を建立、第1回革命英雄記念祭を挙行し、三賢人として徳田球一、渡辺政之輔、市川正一を祭る[14]

1980年代後半、「左翼運動の共闘の場」を目的に大衆団体として日本人民戦線を結成した。暴力団対策法制定の際には、行動派党と交流があった野村秋介や遠藤誠の呼びかけにより、日本人民戦線、新右翼系団体「民族派青年協議会」、暴力団関係者による「任侠市民連合」が共闘して反対運動を展開した。

2019年1月14日、大武礼一郎が「体力の限界」を理由に議長職を退任し、森久が議長職を引き継いだ。大武が名誉議長、平岡恵子が新書記長に就任した[15]

脚注[編集]

  1. a b c 木下昌明の映画批評 : 「カティンの森」批判の前提に疑問 レイバーネット日本(2010年2月14日)
  2. a b c d e f 田代則春『日本共産党の変遷と過激派集団の理論と実践』立花書房、1985年、250・261頁
  3. a b 日本共産党(行動派)公式サイト
  4. a b 「丹野セツさん死去」『朝日新聞』1987年5月31日付朝刊(1社)27面
  5. 日本共産党(行動派)公式ホームページ(2013年時点のアーカイブ)
  6. 書誌情報詳細|アカハタ [新聞]|大阪産業労働資料館(エル・ライブラリー)OPAC 蔵書検索
  7. 入魂名簿(3)(アーカイブ)
  8. 田代則春『日本共産党の変遷と過激派集団の理論と実践』立花書房、1985年、311頁
  9. 高木正幸「学生・新左翼運動」平凡社『世界大百科年鑑 1981』平凡社、1981年、138頁
  10. 行動派歴史年表(アーカイブ)
  11. 日本共産党(行動派)中央委員会書記長・森久. “2013年7月集会の基調報告PDF”. 日本共産党(行動派).
  12. 「反日共系・新左翼各派の系譜」戦後革命運動事典編集委員会編『戦後革命運動事典』新泉社、1985年
  13. 「新左翼系統略図」高木正幸『新左翼三十年史――年表・系図・索引付』土曜美術社、1988年
  14. 行動派歴史年表(アーカイブ)
  15. 『人民戦線の旗のもとに!』第476号(2019年4月25日)

外部リンク[編集]