全国高等学校野球選手権大会

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夏の甲子園から転送)
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全国高等学校野球選手権大会(ぜんこくこうとうがっこうやきゅうせんしゅけんたいかい)は、朝日新聞社日本高等学校野球連盟(高野連)が兵庫県西宮市阪神甲子園球場にて毎年8月に主催している日本の高校野球大会である。

概要[編集]

各都道府県で地方大会を通じて代表校(各府県1代表、東京都・北海道は2代表)が選出され、トーナメント戦で大会を行う。

甲子園に出場した学校(校長・野球指導者)、所属する選手は、優勝校といえども、主催者からいかなる報酬も受け取らない。それがアマチュアスポーツとしての本質であり大衆から人気がある理由となる。
尤も、こうしたアマチュアイズムが高校野球で確立したのは、戦前に学生野球が過度に商業化して、1932年に野球統制令が発令されて過度に国家の干渉を受けた歴史や、国民総動員令によって現役・過去の球児が戦場で命を落とした犠牲を伴っていることを忘れてはならない。

記念大会[編集]

  • 5年に1度(下1桁が0と5の回)は記念大会として実施されている。
  • 1998年以降、記念大会では、激戦区の神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、兵庫が二地区分割の地方大会を行って代表校を決めている。

代表校[編集]

  • 各府県および南・北北海道、東・西東京で予選といえる地方大会を行い、各地で優勝の高校が甲子園に出場する。
  • 昨今は、北海道以外で、地方大会の組み合わせで、地域性は考慮されず、遠隔地の球場へ遠征することも珍しくない。
  • 常時、各府県1代表、東京都、北海道2代表は1979年からで、1977年以前の記念大会以外は、高校数の少ない県で、複数県の代表校の出場だった[注釈 1]
  • 過去の複数県代表決定は、当該県が県代表を競ったあと代表校を決める決勝大会を行って決めた。現在も面積が広大な北海道では、各ブロック(振興局単位でなく、檜山、日高、根室、留萌・宗谷は隣接振興局を含めて対戦する)でブロック代表が決められ、ブロック代表が代表決定戦を戦って出場校を決めている。

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大会旗および優勝旗の色は深紅。優勝旗は深紅色のため「深紅の大優勝旗」と呼ばれている。すべて手縫いで平織りで作られ、1200万円かかった。これは、初代の優勝旗を作る際、当時の朝日新聞社主が「値段はいくらかかっても良い。最高のものを作れ」と指示したため。

名称[編集]

夏の高校野球」「夏の甲子園」「夏の選手権」「甲子園」 「」「選手権」「〇〇回目の夏」などと表現されている。なお、静岡県など、地方大会を含めて「夏大」と表現されている地域もある。
俳句の世界では「甲子園」は夏の季語とされている[注釈 2]

報道[編集]

全国紙スポーツ紙は地方大会からすべての結果を記載され、全国大会では全国紙、地域紙とも他の高校スポーツより詳しく報じられる。テレビラジオでは全国大会はNHKと大阪ABCで全試合生中継、地方大会は準決勝から生中継されるところが多いが、地域によっては全試合生中継されるところもある。視聴率はプロ野球よりも高い。このようにプロスポーツをも凌駕するほどの存在となった。

高校野球は、プレーボール前のグランドに並んでの一礼同様、もはや「日本の運動競技」化し、大相撲の「江戸の大関よりクニの三段目」に通じるものがある。

問題点と改善策[編集]

出場による報酬は受け取らなくとも、学校も選手も大きな名誉を手に入れ、郷土の誇りとして凱旋することになるが、それと引き換えに厳しい練習を課す指導者の姿勢に耐える必要がある。
かつては、体が故障[注釈 3]してでも、高校生の本分というべき学業を疎かにしてでも、練習や試合に耐えることが美徳とされたが、昨今は佐々木郎希のように地方大会決勝勝利を犠牲にしてでも無理な連投をしない配慮をしたり、野村ID野球のように試合でも勉強のように頭で考える習慣をつけさせる指導者も現れている。

その他の問題[編集]

  • 2010年代後半から問題となっているのが、高温下における球児の熱中症対策、投手の連投や試合の長時間化への対処である。
    • このうち、試合の長時間化については、2018年からの延長時のタイブレーク導入で時間短縮が図られている。
    • 投手の連投については、投球数のカウント実施や制限の設定、準々決勝日程の2日の分割で対処している。
    • 熱中症対策については、2022年に大会の朝、夕の2部制を導入し、冷涼な時間にプレーすることを検討する報道が出た。
  • 本大会は、休暇取得者が多いことや猛暑の真っ盛りであることから、電力需要が最もピークとなる問題が噴出し始めている。

関連項目[編集]

注釈[編集]

  1. 最後まで残った複数県代表の中には北関東(群馬・山梨)のように飛び地になったものや福滋(福井・滋賀)のように春季・秋季大会では見られない地方大会もあった。
  2. 夏の大会が先発だった影響もあろうが、俳句で重視する旧暦でいうと、夏の甲子園本大会は旧暦の7月実施なので秋になる。
  3. よく語られるのが、エースとして連投してヒジを壊して投手断念し、大卒で外野手として巨人・ダイエーに在籍した大野倫