タイブレーク

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タイブレーク (tie break) は、スポーツ競技で決着がつかない場合に、試合の早期決着を図るための特別ルールである。同点 (tie) を破る (break) ことからの語。

この定義に従うものでも、競技によっては「タイブレーク」の呼称を用いない場合がある(例:サッカーにおけるPK戦)。

テニス[編集]

テニスの場合、2ゲーム以上の差をつけて6ゲームを先に取ったプレイヤーが1セットを獲得する。そのため、ゲームカウント5-5からセットを獲得するには、片方が2ゲームを連続して取らなければならない。しかし、5-5 → 5-6 → 6-6 → 7-6 → 7-7 → 8-7 → 8-8 → ……と永遠にセットが決まらない可能性が考えられるため、これを防ぐ目的で、ゲームカウントが6-6になった場合にタイブレークが適用される(ただし、最終セットのみは採用されない大会もある)。

セットの最初にサーブを行った者からサーブを打ち、2ポイント以上の差をつけて7ポイントを取ったプレイヤーがセットを獲得する形式で行われる。

アメリカンフットボール[編集]

アメリカンフットボールの場合、同点で第4ピリオドを終えると引き分けとなる。しかし、トーナメント戦などで引き分けを認めない場合はタイブレーク(オーバータイム)が行われる。

コイントスにて先攻とプレーサイドを決め、キックオフを行わずに敵陣25ヤードの地点から攻撃を行う。これを両チーム1回ずつ(1ピリオドずつ)行い、勝負がつくまで繰り返す形式で行われる。

野球・ソフトボール[編集]

野球ソフトボールの場合、走者が3つの塁を回って本塁に生還しないと得点が入らないため、場合によっては延長戦で長丁場の戦いになってもなお両者無得点や同点のまま均衡がなかなか破られないこともある。そのため、人為的に走者を置いて得点が入りやすいようにし、早期決着を図るタイブレークが採用される場合がある。

高校野球では明治神宮大会や国体などで導入されている。社会人都市対抗大会では平成15年(2003年)から採用され、U-18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)やワールド・ベースボール・クラシック(WBC)などの国際大会でも実施されている。

高校野球[編集]

日本高等学校野球連盟は、2014年から選手の故障防止の観点からタイブレークの導入を検討を始め、2017年9月に導入を決定した[1]。2018年の選抜高等学校野球大会(春のセンバツ)から実施され、全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)もその対象となる[2]

規則[編集]

12回までは9回までと同様にノーアウト走者なしでイニングが始まるが、13回からは一塁と二塁に走者を置いた状態でイニングを始める[2]。一人のピッチャーが出られるイニング数が15回に制限される[3][2]。選択打席制ではないので、12回の打席が引き継がれる[2]。ただし、再試合ではない決勝戦にはタイブレーク規程を適用せず、今まで通り15回でゲームセットとし再試合となる[2]。これは、決勝戦は今まで通りにして欲しいという関係者の意見を反映させたものである[2]。サンスポは、12回までは通常通りに試合を行なうという規定について、「勝敗決着の形をなるべく崩したくないという日本高野連側の配慮がうかがえる」と分析した[2]

出典[編集]

  1. “甲子園、来春からタイブレーク導入へ 故障の予防を重視”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2017年9月19日. https://www.asahi.com/articles/ASK9L51JXK9LPTQP00T.html 2018年1月11日閲覧。 
  2. a b c d e f g “高校野球大改革!タイブレーク実施拡大、ほぼ全公式戦で適用へ”. SANSPO.COM (産経デジタル). (2018年1月11日. http://www.sanspo.com/baseball/news/20180111/hig18011105050001-n1.html 
  3. 例えば、1回から15回まで連投したピッチャーは16回からは投げられなくなる。