卒業
卒業(そつぎょう)とは、学校の規定の全課程を修了することをいう。また、これが転じて様々な物事を終了させることもいう(#転用も参照)。
概要[編集]
児童・生徒・学生の学業の区切りの一つである。
卒業する児童・生徒を卒業生と呼び、学習課程を修了したことを認める卒業証書を授与する卒業式が行われる。卒業証書授与は学校教育法施行規則にも定められている。
なお、児童等の卒業は当該学校における規定の全課程を修了しているのは勿論のことだが、職員会議(大学では教授会)での議決を経て校長(大学では学長)が認定する必要がある[注 1]。
要件[編集]
義務教育[編集]
学校教育法施行規則57条において、「卒業を認めるに当たつては、児童の平素の成績を評価して、これを定めなければならない。」と定められているが、現実には、義務教育である小学校・中学校では、卒業年次に達したら卒業認定する運用がされている。
尤も、小・中学校でも、保護者が卒業保留を要望することは可能だが、職員会議で卒業不認定となるような事はまず無く、卒業保留を希望しても形式卒業のかたちで学校から事実上放校される。
高校以上[編集]
高等学校・大学・大学院では、一定数の単位を取得する、即ち一定の科目を規定数以上履修することが卒業の条件となる。単位の取得は、出席するだけでなく試験に合格することで認められる。卒業年次で単位が規定数に足りていない場合は卒業できず、次年度以降に卒業が持ち越される、即ち留年(卒業保留)となる。
尤も、全日制高等学校では、学年末考査で何教科も単位不認定となった場合や重篤な非違行為に走った場合を除けば、追試験等で救済されるケースが多く、職員会議で卒業不認定になるケースは少ない[注 2]。
繰り上げ卒業[編集]
太平洋戦争では下級士官の戦死が相次ぎ、これを補充するため、文科系の高校生、専門学校生、大学生の徴兵猶予を停止した。学徒出陣である。この際、各学校では対応が分かれ、休学扱いする学校がある一方、卒業時期を繰り上げて卒業させる学校もあった。既に修学期間を短縮させていたが、それをさらに短縮させた形となった。
終戦後、こうした繰上卒業措置は元に復した。
期日[編集]
日本の学校は原則として4月1日に始まり、3月31日に終わる。そのため、卒業式が終わっても、日本の当該児童生徒学生は学籍を失わず、3月31日[注 3]まで学籍が存在する[注 4]。
日本国外は、6月30日を年度末とする国が多数である[注 5]。
転用[編集]
学校の卒業が転用され、物事の〆めに関することにも使われる(例:ヲタクの卒業、鉄道マニアを卒業)。また、力士が土俵からの引退を表明して一般社会に出る時、軍隊を除隊する時、アイドルが引退する時やグループを円満離脱する時も卒業の言葉が使われる。